このブログ記事では、有名な戦争映画に登場する美人女優について僕の知ってる範囲で説明します。
写真上は特に僕のようなドイツ軍マニアに人気がある「戦争のはらわた」に登場する、ドイツの女優ゼンタ・ベルガー。東部戦線で重傷を負った、ジェームズ・コバーンの演ずるシュタイナー軍曹を世話するドイツ軍看護婦の役で登場する。ベルガーはコバーンと恋仲になって一緒に住みたいと打ち明けるが、コバーンは「戦場にいる戦友たちが忘れられない」と言って、最前線に帰る準備を始める。そんなコバーンにベルガーは、「戦争が好きなのがあなたの病気なのよ」と嫌味を言って止めるが、コバーンは黙って去ってしまう。
この「戦争のはらわた」がドイツ軍を描いた戦争映画としてよい雰囲気が出ているのは、主人公のシュタイナー軍曹を演ずるジェームズ・コバーンだけがアメリカ人であり、それ以外でも連隊長のブラント大佐と副官のキーゼル大尉はイギリス人のジェームズ・メイスンとデイヴィッド・ワーナーだが、それ以外の俳優は全員がドイツ人なのである。シュトランスキー大尉を演ずるマクシミリアン・シェルは正確にはオーストリア人だが、ドイツ映画によく出ているのでドイツ人と言ってもいいだろう。
次に紹介するのは、1969年のイギリス映画「空軍大戦略」に出演するスザンナ・ヨーク。
この映画は1940年8月~9月に行われたドイツ空軍とイギリス空軍の間の戦いである、英国本土航空決戦を描いた戦争映画だが、スザンナ・ヨークは英空軍パイロットの若妻であり、殺伐とした戦争映画の中に咲いた可憐な花のような存在である。彼女はナチスドイツ軍との英国本土決戦に備えてイギリスで組織された婦人補助空軍部隊の将校であるが、ちょっと天然ボケな女性であり、ドイツ軍の空襲の後に死体を見て動揺して煙草を吸おうとして下士官のおじさんに注意されると、「何もそんなに怒らなくてもいいでしょ!」と逆ギレして我を取り戻す。戦闘機のパイロットの夫とベッドインした時に、ロンドンに空襲があって近くに爆弾が落ちて夫が動揺すると、シーツを被って「ウ~ッ、ワッ!」とおどけて夫に襲いかかって注意される。さらに、「空襲がない北に転属するわ」と夫に約束したのにいつまで経っても転属しないので、夫に愛想をつかされてしまう。こういう天然な金髪女性だが、夫が重傷を負ったという知らせを聞くと、さすがにすごく動揺する。恐らく、当時の典型的な陽気なイギリス女性として描かれているのだろう。
次に紹介するのは、「総統閣下シリーズ」でヒトラーの怒りのパロディなどでも有名になった、ドイツ映画「ヒトラー最期の12日間」に登場するドイツの女優アレクサンドラ・マリア・ララである。この映画の冒頭で、この映画の原作となった本を書いた「私はヒトラーの秘書だった」を執筆したトラウドル・ユンゲが現れて、「私の家はナチス党とはあまり関係ない家族でしたが、ニュルンベルク裁判でホロコーストの怖ろしい事実を知りました」と述べているが、本当にヒトラーの秘書をしていたのにユダヤ人虐待、ホロコーストを知らなかったのかは疑問に思う。さらに、ユンゲのウィキペディアの説明を読むと、彼女はヒトラーの秘書になった後に武装親衛隊の将校と結婚していて、その夫はノルマンディ戦線で戦死しているが、なぜか映画の中ではその事実には一言も触れられていない。しかも、ユンゲはヒトラー総統に「ベルリンから脱出してください」と熱心にお願いするほど、ヒトラー総統とナチス党の幹部とは仲が良い。それなのに、ホロコーストの事実は知らなかったというのはかなり不自然である。
でも、演じた女優のアレクサンドラ・マリア・ララは、ルーマニアからの移民だが、2004年に「ヒトラー最期の12日間」での名演技で一躍スター女優になり、その後も着実に女優としてのキャリアを積んでいる。僕のドイツ人友達で弁護士のSも、「彼女は本当に美しいし演技も上手だ」と言っていて、彼女のファンである。
次に紹介する美女は、「アイアン・スカイ」「アイアン・スカイ 第三帝国の逆襲」で準主役を演じていたドイツ女優のユリア・ディーツェ。「アイアン・スカイ」は第二次大戦を描いた戦争映画ではなくて、月の裏側に密かに住むナチスの残党が地球を制服しようと攻撃するというSF映画である。このナチスの残党の将来の総統候補という若い将校の婚約者を演ずるのが、ディーツェである。それで、この映画はナチス残党のSF物語のようであって、実は言うとアメリカ政府と軍が主導の今の世界を批判している映画である。ナチス残党が地球に攻めてきたが地球の国連軍側が勝った後で、アメリカの女性大統領が「月にある資源はアメリカが独占する。第二次大戦みたいにアメリカが主力となって勝ったのだから」と発言したことから、「また、アメリカの正義のための戦争か!」と怒鳴って各国の首脳が激怒したから、ラストでは地球上の国々が戦う最終戦争が起こってしまう。一方でディーツェは、ラストでナチス党では[Untermensch](下等人種)と定義されていたアメリカ人の黒人宇宙飛行士と結婚する。
このブログでは特にドイツ人女優を中心に、「戦争映画に登場する美女」を紹介したけど、他にも戦争映画に登場する美女はたくさんいる。邦画の場合は「永遠の0」の主役の岡田准一が演ずる宮部久蔵の妻を演じた井上真央などがいる。昭和55年に封切られた映画「二百三高地」では、主役の日本軍将校を演ずるあおい輝彦の婚約者の役、若くして亡くなった夏目雅子が出演している。