●日本では電車を始めとする交通機関での痴漢が多くて、痴漢犯罪にあった女性は泣き寝入りすることが多い。一方で痴漢免罪で誤認逮捕をされて人生が台無しになる男性もいて、都会では大きな社会問題になっている。
●一方でドイツなどのヨーロッパ社会では痴漢という犯罪はあまりなくて、強姦という乱暴な性犯罪は確かに日本よりも多いが、体に触るだけという性犯罪はあまりないという。これには、ヨーロッパ人の女性には「恥の文化」がなくて、気が強い性格の人が多いという背景もある。
日本では若い女性への交通機関での痴漢行為は大きな社会問題となっているが、ドイツでは乱暴な性犯罪は多いけど痴漢という性犯罪はあまりない。
加瀬亮が主演している、「それでも僕はやっていない」という映画を見たことがありますか?僕はこの映画がテレビで放送された時に見たことがあります。電車の中で女子中学生に痴漢行為をしたとして、主人公の青年(加瀬亮)は鉄道警察に突き出されるが、本人は、
「絶対に僕はやっていません。誤認逮捕です」
と言い張り、裁判になるという話だ。ネタバレになるのでラストは書かないが、映画のラストにはちょっとビックリした。
日本では痴漢行為が多く、国際的に恥ずかしいことだが、痴漢誤認逮捕、痴漢でっち上げ事件もある。しかし、僕がドイツ人の友達、知り合いに聞いた話では、ドイツには痴漢(ドイツ語で”Triebtaeter”“トリープテーター”という)犯罪はほとんどないという。その大きな原因は、ドイツの女性は気が強い人が多く、はっきりとものを言うので、日本人女性のように痴漢に体を触られても、恥ずかしくて、怖くて、声も出せないということは、ほとんどないということのようだ。もちろん、日本女性が恥ずかしがりということをいいことに、痴漢をする男にも大きな問題がある。写真上はドイツの都会の通勤風景で、ドイツにもこのように通勤客で混雑する時間帯がある。
ドイツの若い女性は日本人女性に比べると気が強くてはっきりと言いたいことを言う人が多いので、性犯罪にあっても黙って泣き寝入りをするような人はほとんどいない。
写真上は15年ほど前にメル友だったドイツのミュンヘン在住のBという女性。まだメル友になって1か月ほどしか経ってなかったのに、クリスマスのシーズンにこんな写真を送ってきた。メールには「日本人のあなたがキリスト教徒でないことは知ってるけど、別に問題はないよね」と書いてあった。
1999年春にホームステイをしたH家に2005年夏にもう一度遊びに行って、家族とテレビを見ていると次のようなレポートを見たことがある。
16才のかわいらしい女の子が悲しい顔をして、出会い系サイトで知り合った男たちにレイプされたことを告白していた。しかも、日本のように、プライバシーの保護のために顔にモザイクがかかっていたり、声が変わっているということは一切ない。さらにレポーターはその子の名前、住んでる町をはっきりと言っていた。そして、その女の子は自分がレイプされた場所を指差して、
「私はこの場所で、5人の男どもに何度も犯されました。出会い系サイトに警戒心もなしに登録した私もバカでしたが、今後、2度とこんな犯罪はないようにして欲しいです」
となんら恥ずかしがったり、躊躇することなく、はっきりとした口調でテレビカメラに向かって言った。
僕は本当にビックリして、その家の奥さんとこういう会話をした。
僕「日本だったらこういう女の子はしばらくは精神病院に入院したりして、テレビレポートなんかには顔は出さないのですが」
奥さん「ええ、この子もしばらくは精神科に入院していたと思いますよ」
「日本だとレイプされた女性はプライバシーの保護から、本人がテレビに出演して、性犯罪の再発防止を訴えるなんていうことはしないと思います。出演したとしても誰だかわからないように、顔にモザイクをかけたり声を変えたりなどと、プライバシーを守るために色々と配慮がされます」
「そういうシャイ過ぎる考えは、ドイツ女性にはわかりませんね。実際に性犯罪にあった本人がテレビのレポートに出演して訴えた方が、視聴者によく伝わると思うけど」
こういうことを、典型的なドイツ人中年女性である奥さんは言っていた。
それ以外に気の強そうなドイツ人女性を見た例。
ホームステイしていた家の近くのバス停で降りようとした時に、なかなかバスの扉が開かなかったことがあった。すると、僕の前に立っていた16才ぐらいの可愛らしい女子高生が、キツイ視線で運転手を睨み、
「ちょっと、ドア開けてくれない!」
と怒鳴ったのだった。僕は、
「可愛らしいけど、気が強そうな子だな。ハッキリとクレームを言うんだな」
と思ったのだった。日本だったら、
「すみません、ドアを開けてくれませんか?」
などと、もっとおしとやかに言うんだろうけど。(苦笑)
ハンブルクで、東京の山手線のような通勤電車に乗ったことがあった。ほぼ満員の状態で、僕は旅行者だったので大きなボストンバックを持っていた。東京の新宿のような中心街の駅に着いた時に、多くの人が降りようとしたので、僕はボストンバックを脇に寄せてスペースを空けて後ろの人を通そうとした。日本だったら、
「すみません、失礼します」
などと言いながら降りていくのだろうが、僕の後ろに立ったこれもまた16才ぐらいの女の子は、
「そんな所に突っ立ってないで、通してくれない?」
とはっきりと言ったのだった。だから僕はボストンバックを手に持って、本当に座席にぴったりと体をくっつけたのだった。
「通れるぐらいのスペースはあっただろう?なんであんなに自己主張が強いんだ?いくらレデイファーストの白人社会といっても、あんなにわがままとはなあ・・・」
などと、本当に不思議に思ったのだった。
僕が4年ほど前からメール交換をしていて、2回実際に会ったことがあるVという日本学を勉強している女子大生も、日本語で書いているブログに、
「今日、私は電車の中で痴漢にあった。太った中年の男が『大好きだ』と言いながら、私の足に触った。気持ち悪かった。でも、誰も助けてくらなかった。腹が立った」
などと、痴漢にあった時の様子を書いていたことがある。
「日本の女性なら、アパートの自分の部屋(Vは一人暮らしをしている)で泣いて忘れるのだろうけどね。ブログに『痴漢にあった』などと書くのは、いかにもドイツ女性らしいいな」
と僕は思ったのだった。
ドイツになぜ痴漢が少ないのかは、実は言うと僕もよくわからない。だが、お見合い結婚ということが考えられず、恋愛、ロマンスが、古代ローマ時代の昔から盛んなヨーロッパ人のメンタリティでは、痴漢をして体に触るよりも、話しかけて口説く方が真っ先に頭に浮かぶのようである。それに、女性の方から積極的に男に声をかけることもある。僕もドイツを独り旅していた時に、何回か現地の女性に声をかけられたことがある。(笑)
痴漢のウィキペディアでの説明。英語、ドイツ語のサイトでは「痴漢」(Chikan)は特に日本に多い犯罪で、大きな社会問題になっていると説明されている。
TBS系の「ここが変だよ日本人」という番組で痴漢がテーマになった時に、フランスでの生活が長かった舛添要一は、「痴漢にビンタを食らわせればいいのであって、何も警察に突き出す必要はない。フランス人女性はそうしている」と言っていた。
TBS系で外国人と日本人が猛烈なトークをする、「ここが変だよ日本人」という番組があった。その番組の中で、「痴漢天国、日本」というテーマを取り上げたことがあった。外国人女性が日本の電車、バスの中で、いかに日本人の変な痴漢に遭遇したかという体験談がトークの中心だった。だが、痴漢冤罪事件、痴漢でっち上げ事件も多発していて、山手線などに女性専用車両が導入されたことにも触れると、突然、白人女性たちからブーイングが起こった。理由は、
「素敵な男性との出会いの場所が減ってしまう」
ということ。
フランスで長年生活していたことがあり、フランス的な考えを持つ舛添さん(元東京都知事)は、
「なにも痴漢を警察に突き出して、裁判にまでして、そいつのその後の人生をダメにして、慰謝料数百万円も取る必要はないんです。その場で『このスケベジジイ!!』と叫んで、一発ひっぱたくか、急所にケリを入れておけばいいんです。フランス人の女性はそうしているんですから。フランスだったら急所を握り潰す女性もいますよ」
と言っていた。
まあ、ただ、日本人の女性はシャイなので、ヨーロッパ人女性のような対応が出来る人がそんなにいないというのは、僕も他の日本の男もわかっているけど。(苦笑)
ただ、痴漢冤罪、でっち上げ事件で、勝訴したとしても、一千万円以上の裁判費用を支払わなければならなくなった方々もいるので、そういう方々は、
「日本でなくてドイツに生まれていれば、こんな苦労は絶対になかっただろうに」
と思っておられるだろう。僕も首都圏、大阪などで満員電車で立つ時には、必ず、両手で吊革か棒につかまるようにしています。(苦笑)