- サッカー選手が必要とするピッチ上の”恋人”とは一体何なのか?なぜ”恋人”が必要なのか?
- サッカー選手のピッチ上の”恋人”というのは、良き理解者のことであり、お互いに意思疎通しているパートナーのことである。サッカーはチームプレイなので、良きパートナーがいないとゴールを決めることはできない。
- ペレ、マラドーナのように恋人がいなくても1人でゴールを決められる選手もいたが、彼らのような選手は今のサッカーには存在しない。
サッカー選手が必要とするピッチ上の”恋人”とは一体何なのか?なぜ”恋人”が必要なのか?
今は4年に1度のサッカー・ヨーロッパ選手権(ユーロ)が開催されているので、またサッカーに関する記事を書きます。
サッカーファンなら、鹿島アントラーズ初期の「ジーコの恋人アルシンド」、ジェフ市原(現・千葉)初期の「リトバルスキーの恋人オルデネヴィッツ」などの言葉を聞いたことがあるだろう。写真上はJリーグ開幕時に来日したリトバルスキーと、彼の”恋人”のオルデネヴィッツ。
それで、僕はサッカー選手の恋人の意味がよくわからなくて、2010年頃に地元仙台の東北大学で働いていたドイツ人友達のSに、サッカー選手の恋人の意味をきいたことがある。彼は次のように答えた。
「サッカーはチームスポーツだから、どんなに上手な選手でも一人でゴールを決められるわけがないだろ?だからそこで”恋人”、つまりパートナーが必要なんだよ。俺が中学生の頃にユースチームでサイドバックをしていた時は、常に攻撃的ミッドフィールダーをしていた弟のMと一緒にプレイしていたんだよ。Mは実の弟だからサッカーをプレイしている時に何を考えてどこに動くかはよくわかるから、俺はいつもMを恋人としてプレイをしていた。つまり、サッカー選手の恋人というのは、お互いをよく理解していて心が通じている選手のことだよ。リトバルスキー(リティ)の場合は1FCケルンで長年プレイしていたから、同じくケルンでプレイしていたオルデネヴィッツ(オッツェ)と日本のJリーグでも一緒にプレイしたいと言ったんだよ。だから、リティは市原でも仙台でもオッツェと一緒にプレイしていたんだよ。ジーコが鹿島に来た時にアルシンドと一緒にプレイしていたのも、全く同じ理由だよ」
まあ、彼の話を聞いたら学生時代に体育の授業か、友達数人と遊びのサッカーをしたことがない僕でもサッカー選手の”恋人”の意味がよくわかったのだった。
サッカー選手のピッチ上の”恋人”というのは、良き理解者のことであり、お互いに意思疎通しているパートナーのことである。サッカーはチームプレイなので、良きパートナーがいないとゴールを決めることはできない。
今の有名なサッカー選手の恋人を挙げると、バイエルン・ミュンヘンでポーランド人FWのレヴァンドフスキーの恋人はドイツ人のトマス・ミュラーかキミッヒになる。バルセロナのアルゼンチン人選手のメッシの場合は、ブスケツかアルバだろう。日本人の選手だとボルシア・ドルトムントにいた時の香川はロイス、オバメヤンなどを恋人にしていた。
ところが、この3人の選手はクラブチームでは輝くのに、国の代表チームになるとクラブチームでの輝きがかなり失われてしまう。それは、代表チームによき恋人がいないからである。レヴァンドフスキの場合はポーランド代表チームにはバイエルンのような豪華な中盤の選手がいない。メッシ、香川の場合も国の代表チームではクラブチームほどの豪華な中盤の選手がいないから、まるで別人の選手のように輝きを失ってしまう。
写真下はドルトムントに入団が決まった時の香川真司。ドルトムントではクロップという良き監督と良きチームメイトに恵まれたので大活躍をした。しかし、日本代表ではドルトムントレベルのチームメイトがいないので、あまり活躍できていない。
クラブチームでは恋人に恵まれているのに、国の代表チームでは恋人に恵まれていない選手がいて、またその全く逆の選手もいる。例えば、日本代表の香川はドルトムントでは大活躍だったが、日本代表ではいまいち活躍できなかったのは恋人がいないから。
逆に、クラブチームではあまり輝かなかったのに、代表ではかなり輝いた選手もいた。元ドイツ代表FWのクリンスマンはクラブチームではあまり目立った実績はないが、ドイツ代表ではキャプテンを務めて、1990年のワールドカップ優勝、1996年のヨーロッパ選手権優勝というビッグタイトルを手にしている。同じくドイツ代表のクローゼも2014年のワールドカップ優勝と、ワールドカップ通算最多の16ゴールという偉業を成し遂げている。これは、この2人の場合はドイツ代表の方に彼らのことをよく理解する恋人、特によく理解している優秀なMFがいたからである。
ペレ、マラドーナのように恋人がいなくても1人でゴールを決められる選手もいたが、彼らのような選手は今のサッカーには存在しない。
サッカー選手の中でも例外の例外として、ブラジルのペレ、アルゼンチンのマラドーナのように特定の”恋人”を必要としないで、どのチームでも1人で数人のDFを抜いてゴールを決めることができる選手が数十年前まではいたけど、こういう選手は古いタイプの選手は今は世界のどこにもいない。メッシ、ネイマール、C・ロナウドのような選手でも、代表ではあまり活躍できていない事実を見ればよくわかるだろう。
以上、今はサッカーのユーロを開催中なので、サッカー選手の”恋人”に関する記事を書きました。ユーロの期間中はまたサッカーに関する記事を書くと思います。