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まとめ(11)ドイツには学校の部活がない

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ドイツでは学校の部活というのはなくて、スポーツ文化活動は地域密着のクラブ活動で行う。クラブ活動では学生も社会人も一緒に活動するので、学生にとっては学校以外の世界を知ることができる。

 

 

今日も過去にはてなブログに書いたブログ記事の中から、興味深い記事を紹介しようと思います。今日は「ドイツには学校の部活がない」という内容の記事を紹介します。この日本とドイツの学校生活の大きな違いについては、過去に何度か記事に書きました。

 

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この記事ではタイトルのとおり、ドイツの学校には部活動というものがないということについて書いた。1999年春にシュツットガルト近郊に住むH家にホームステイしてドイツ語を勉強したけど、家族に「日本では学校に部活があって、サッカー、野球などのスポーツ活動、音楽、美術などの文化活動も学校の部活でする」と教えたら、家族の人たちは「それはアメリカ型の学校だ」と言われた。さらに、「ドイツを始めとするヨーロッパ各国では学生はスポーツ、文化活動は地域にあるクラブでする。学生は学校の授業が終わったらすぐに地域のクラブに移動して、スポーツも文化活動も専門家の指導の下で活動する。そこでは学生も社会人も一緒に活動するから、学校以外の人たちと学生は触れ合うことができる」と教えられた。

 

さらに、家族から教えられたのはドイツでは学校の部活でスポーツ文化活動をしてないから、生徒には愛校心がほとんどないということ。学校には校旗、校歌、学校独自の応援歌というものは全くなくて、「学校のために何かの活動をする」という考えが生徒にはほとんどないということ。また、学校を卒業した後に同窓会というのを開くこともないらしい。このようにドイツ人は、学校に縛られることが少ないことをこの記事では書いた。

 

写真上は、ドイツの有名なサッカークラブであるシャルケのユースチームの練習風景。ドイツではサッカーは非常に人気があるが、ドイツではサッカー選手になるためには学校の部活ではなくて、プロサッカーチームのユースチームで練習してキャリアを積む。将来はプロサッカー選手になりたい子供は、12歳頃から有名なユースチームに所属して練習をする。今の日本オリンピック代表でも、久保建英がバルセロナのユースチームに10歳から所属していて、今はレアルマドリーでプレイしているのが有名だ。

 

ドイツには学校の部活がないから、当然、高校大学のスポーツ大会も存在しない。ドイツではサッカーが人気があるが、サッカー選手の育成はプロチーム傘下のユースチームで行われていて、アマチュアであるユースチームの活動はあまり報道されていない。

 

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このブログ記事では日本でのプロ野球選手の育成と、ドイツでのプロサッカー選手との育成の違いについて説明している。

 

日本では高校生になると高校野球があり、高校野球連盟という組織が支配している。そしてご存知のように、高校野球には春の選抜大会と夏の全国大会があり、この試合の様子は全国放送でテレビで中継される。そして、それを「美しい青春のドラマ」としてマスコミは競って報道する。プロ野球を目指す若者は一度はこの高校野球に参加して、頭を丸刈りにして、軍隊みたいな入場行進を行わないといけない。そして、高校野球は「美しい青春のドラマ」なので、野球部内での暴力指導、いじめなどはあまり報道されない。高野連の決定は絶対なので、これに逆らうことは許されない。高校野球の大会形式は「勝利至上主義」だから、有名な野球が強い高校が地区大会で負けたりすると、選手も監督もマスコミに叩かれる。だから、選手は強い緊張感の中でプレイしている。

 

一方でドイツのサッカー選手育成の場合は、学校の部活ではなくてプロチーム傘下のユースチームで行うのだが、育成段階では結果よりも自由にプレイすることを重視しているので、結果を恐れずにのびのびとプレイする。ドイツのマスコミも、日本でいうと高校卒業後の年齢の選手たちの大会であるU19(19歳以下)のドイツ国内大会とヨーロッパ大会は報道して、負けた場合は厳しく批判するが、それより若い世代の試合はほとんど報道しないし、負けても厳しく批判などはしない。「まだプロ契約をする前の若者の大会だから、結果はどうでもいい」という感じで、サッカーファンはほとんど興味がない。これはドイツだけでなくてヨーロッパ全土で、このような制度になってる。

 

まだアマチュア選手である高校生の時点で、日本のように「勝利至上主義」の大会で大きなプレッシャーの中で練習するか、それとも、ヨーロッパのように「まだアマチュア選手だから、好きなようにプレイすればいい」という環境で練習するか、どちらの方が効率的な育成かということを書いてみた。

 

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この記事でも前に紹介した記事と似たようなことを書いたが、JFA(日本サッカー連盟)は、基本的にドイツのサッカー育成をお手本として、Jリーグが誕生した時にプロチームであるJリーグ所属チームの下にユースチームなどの育成チームを作ったことを書いた。そもそも、「日本サッカー育成のために、サッカーのプロリーグを作るように」と初めに言ったのは、1964年に開かれた東京五輪時の日本代表監督だったクラマー氏というドイツ人なので、クラマー氏の意見に沿うようにJFAはドイツ・ブンデスリーガを視察して、ドイツと同じようなプロリーグを作ったのである。

 

だから、Jリーグのユースチームの大会はまだ育成時期なので、高校野球のようにマスコミが盛んに報道することはなくて、国民の関心も低く、ユースチームの時点ではアマチュアの若者選手は結果を恐れずにのびのびとプレイしている。最近、日本では特に若者の間では野球よりもサッカーの方が人気があるというのは、このようなユース世代の育成の違いに原因があるようだ。

 

 

以上、今日は「ドイツには学校の部活がない」という過去に書いたブログ記事を紹介しながら、日本とドイツのユース世代のスポーツ選手の育成の違い、高校生活の違いについてまとめの記事を書きました。