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商業至上主義になったオリンピック

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今は東京オリンピックで盛り上がっているが、メダルを獲得しているのは先進国のスポーツ選手が多い。これは、選手に大金をかけて育成をしないとメダルを取れないので、どうしても先進国の選手に偏ってしまうのである。

 

 

今は東京オリンピックが開催されていて、日本人選手のメダルラッシュで日本国民は大いに盛り上がっている。コロナ禍云々という人たちもいるが、いったん始まった以上はオリンピックが終わるまでは日本人選手の活躍を楽しもうと思う。8月2日の時点で既に金メダル17個を獲得していて、過去最高の記録というのは素晴らしいと思う。だが、一方でバドミントン、水泳などのように期待したほどメダルを取れなかったので残念な競技もある。特に僕は中学校時代はバドミントン部にいたので、バドミントンの不振は残念である。

 

しかし、オリンピックは既に1984年のロスアンゼルス輪の頃から商業主義になってしまって、アマチュアリズムなど失われていることには、随分と前からみなさんも気づいてると思う。今のオリンピックにはアメリカのプロバスケットリーグのプロ選手、アメリカのプロアイスホッケーリーグのプロ選手、サッカーの23歳以下のプロ選手など、多くのプロ選手の参加が可能になっており、ほとんどアマチュア選手の祭典ではなくなってしまっている。

 

いつもオリンピックで20個以上の金メダルを取るのはアメリカ、中国、ロシア、西ヨーロッパ諸国などの経済大国ばかりであり、日本も水泳の北島康介、体操の内村航平、女子レスリングの吉田沙保里などの才能のある選手に大金を投資して、金メダルを獲得している。こうなると、金銀銅のメダルを取れる選手というのは努力プラス大手スポンサーが付いた選手だけであり、選手は有名体育大学、有名実業団チームなどの名コーチと監督がいるチームに所属しなけらばならない。そのような十分な設備を揃えたチームにいる選手だけしかメダルを取ることはできない。一方で十分な練習施設が整えられない貧乏な国の選手は、どんなにがんばっても五輪競技で入賞することすら難しい。つまり、ある程度金持ちの国しか五輪でメダルは取れないのである。

 

1984年のロスアンゼルス五輪から多くの金メダルを獲得したアメリカのカール・ルイスは立派な選手だったが、彼のような体格と才能に恵まれた先進国の選手に大手スポンサーが付かないと、金メダルを大量に取ることはできない。

 

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上の写真は1984年のロスアンゼルス五輪から1996年のアトランタ五輪までの間に大量の金メダルを獲得して、アメリカにおける黒人の地位向上に貢献したカール・ルイスだが、彼がロスアンゼルス五輪で金メダルを4つ獲得した頃から、五輪は商業主義になっていった。カール・ルイスは確かに素晴らしい選手だったが、彼のように体格に恵まれて才能のあるアスリート、特に最近は身体能力が優れている黒人選手に多くのスポンサーが大金を投資して、金メダルを独占するというパターンが多い。そして、こういうことが出来る国は金持ちの先進国だけなのである。アジア、アフリカ、南米の貧乏な国々の選手はどんなに練習をして努力をしても、五輪には参加するだけで精一杯である。

 

 

オリンピックは平和と交流の国際大会のはずだが、実際は開催できる国はある程度経済発展した国だけに限られており、貧乏な国では絶対に開催できないので、貧富の格差を広げる大会になってしまっている。

 

 

さらに、オリンピックについては開催地が先進工業国だけに偏ってるという問題もある。オリンピックはそもそもフランスのクーベルタン伯爵が「平和の祭典」として、世界中の国々が交流することを目的として提唱した大会だが、特に1984年のロサンゼルス大会以後、商業オリンピックになって以後はオリンピックを開催するだけの経済力がある国だけが、オリンピックを開催することになってしまった。

 

本来、五輪の本来の目的のように国際交流が目的ならば、アフリカ、南米、日本、韓国、中国以外のアジア諸国でも開催するべきなのだが、次の大会はフランスのパリ、その次はアメリカのロスアンゼルス、その次はオーストラリアのブリスベンというふうに既に決まっている。アフリカで開催されたことは一度もなく、南米はリオデジャネイロの1回だけで、アジアは日本、韓国、中国だけである。どう考えても開催地が偏っている。

 

 

サッカーワールドカップだけですごく盛り上がっているから、種目別のスポーツ国際大会を開けばそれで充分で、オリンピックという総合スポーツ大会は必要ないという意見の人が増えている。

 

 

それで、最近では一部のスポーツ関係者、政治経済学者の中に「オリンピック不要論」という意見を述べる人がいる。

「今のオリンピックように開催国が先進工業国だけに偏ってしまい、メダルを取れる選手も同じく先進工業国に偏ってるのでは、貧富の格差が開いて、貧しい国から先進国に移住する人が増えるだけである。このように格差を大きくするだけなら、オリンピックのような大規模な国際スポーツ大会は開催しない方がいい。開催国にとっても経済効果は限られていて、国民の負担が増えるだけだ」

世界中にかなりの数の人が、このような意見を述べている。僕もこの意見には部分的には同意する。

 

このように「五輪不要論」を述べてる人は、五輪に代わる対案として種目別の世界大会を開催すればそれで充分だとも述べてる。サッカーの世界中のプロ選手が参加する「サッカーワールドカップ」がオリンピックよりも注目されてるように、「世界陸上」「世界水泳」「世界柔道」「世界体操」、それに「ラグビーワールドカップ」も開かれているので、別にオリンピックを開催しなくても種目別の世界大会を開けばそれで充分であり、別にオリンピックという総合スポーツ大会を開かなくてもいいという意見である。僕もこの後のオリンピックの開催状況とメダルの獲得国を見て、やはり先進国に偏るようなら種目別の世界大会で十分という意見に同意しようと思う。

 

 

以上、今日は今開かれてる東京オリンピックに対する異論を述べてみました。やはり商業至上主義で、先進国でしか開催されず、先進国しかメダルを取れないオリンピックは問題があると思います。