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まとめ(22)映画の話は嘘ということについて

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今日は過去に書いたブログ記事の中から、映画に描かれている話は嘘である、特にナチスドイツについて描いている映画はhとんどが嘘だという話について、まとめて紹介します。映画というのはほとんどが嘘の話が多いですが、特にナチスドイツを描いた映画は嘘がひどいです。これはナチスドイツ軍が出てくる戦争映画を見た人なら、よくわかることだと思います。写真上は、第二次世界大戦の東部戦線に出征したイタリア軍兵士と恋人の悲恋を描いた「ひまわり」のDVD。この名作恋愛映画も嘘の話。

 

 

 

ハリウッド制作のミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」は、西ドイツ制作でドイツ語圏で大ヒットした映画「菩提樹」のリメイクなので、ドイツ語圏では人気がない 。ドイツ語圏に住む人の中には、この映画を知らない人がいる。

 

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このブログ記事では、1965年にアカデミー作品賞を受賞した有名なミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」はほとんどが嘘の話であり、ドイツ、オーストリア人などのドイツ語圏に住む人の中には、この映画を知らない人がけっこう多いということを書いている。

 

この映画はドイツ映画でトラップ家族の人生を描いた「菩提樹」([Die Trapp Familie]「トラップ一家」がドイツ語の原題)というドイツ映画のリメイクである。トラップ家族の本当の姿を描いた「菩提樹」がドイツ、オーストリアですごく人気があるので、ハリウッドのユダヤ人が「サウンド・オブ・ミュージック」というタイトルにしてリメイクした。ドイツ映画の「菩提樹」がドイツとオーストリアではすごく人気があるので、ハリウッドのユダヤ系プロデューサーたちがリメイクした映画「サウンド・オブ・ミュージック」は、あまりドイツとオーストリアでは人気がない。

 

確かに、主人公のトラップ家はナチスがオーストリアを併合した時にアメリカへと亡命したが、トラップ一家の長であるトラップ大佐も第一次大戦の時はオーストリア・ハンガリー帝国に忠誠を誓っていた退役軍人という一種のファシストであり、映画に描かれているような自由主義と民主主義を愛する人ではなかった。トラップ大佐は成り上がり物が多いナチス党ではなくて伝統のあるハプスブルグ家のオーストリア・ハンガリー帝国に忠誠を誓っていたのであり、伝統的な貴族という家柄もあったので、「ヒトラーという貧民上がりの奴に忠誠を誓いたくない」という理由で、オーストリアを離れることを選んだのだった。

 

映画「ひまわり」の主人公マストロヤンニが演ずるイタリア兵捕虜だが、厳しいスターリン体制のソ連時代なのに、自由にソ連人女性と恋愛をして結婚している。こんな幸せなイタリア兵捕虜がいたのだろうか?

 

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このブログ記事では、有名なイタリアの恋愛映画「ひまわり」は実際にはほとんどありえない嘘の話だということについて書いている。

 

この映画は、とても愛し合っていたイタリア人カップルのうちの男性がイタリア東部戦線に行って、戦場で重傷を負って記憶喪失になった後に現地のソ連人女性に介抱してもらい、そのソ連人女性と結婚してしまうという話。戦後、スターリンも亡くなった後にイタリア人の女性は恋人を探してソ連に来て恋人を見つけるのだが、既にソ連人女性と結婚しているのを見て泣く泣く諦める。

 

非常によく出来たメロドラマでこの映画を見て僕も涙を流したが、旧枢軸国の兵隊たちが戦後、ソ連でどのような扱いを受けたかよく冷静になって考えてもらいたい。日本兵と日本人は約60万人がシベリア抑留でソ連に連行されたが、シベリア抑留はまさに生き地獄であり、そのうちの10%にあたる約6万人が死亡している。この場合、シベリア抑留とは必ずしもシベリアには限らず、ウクライナ、ベラルーシなどを含む、当時のソ連の領土全土に旧枢軸軍の兵士は抑留されていた。元イタリア兵へのソ連政府の扱いはどうだったかよく知らないが、同じ枢軸国である元ドイツ兵に対する扱いは極めて残酷であった。イタリア兵に対しても似たようなものだっただろう。

 

だから、第二次世界大戦中にソ連軍の捕虜になってソ連に抑留されたのに、ソ連人女性と結婚して現地に残った旧枢軸国の人は全くといっていいほどおらず、ソ連の市民がこの映画のように、侵略国である枢軸国の兵隊を優しく世話をしたという話もほとんど聞いたことがない。

 

この記事はナチスドイツの戦争犯罪を擁護する記事ではなくて、ナチスの戦争犯罪を描いたソ連映画「炎628」は、ソ連政府が作ったプロパガンダ映画だった可能性があるという事実を指摘している。

 

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このブログ記事では、「ナチス大虐殺・炎628」という当時はソ連の一部だったベラルーシにおけるナチスドイツ軍による民間人虐殺を描いた戦争映画は、嘘の可能性が大であるということを書いている。

 

この映画「炎628」はナチス親衛隊による「ハティニ虐殺」を描いているが、一方でソ連政府の命令でソ連軍がポーランド軍将校を大量に虐殺した「カチンの森事件」が、ハティニの近くで起こっている。ハティニは英語では[Khatyn]と綴り、カチンは英語では[Katyn]と綴るのである。hが抜けているだけで、ほとんど同じスペルなのである。これが単なる偶然とは思えない。つまり、「炎628」の原作本が作られて映画化された旧ソ連時代に、「ソ連人民はこのようにナチスドイツによって痛めつけられた」ということを強調するために、ソ連共産党政府が起こした戦争犯罪である「カティン事件」に名前が近い「ハティニ事件」を映画化して、人々の視線をカティン事件を始めとするソ連政府の犯罪行為からそらす意図があったようだ。このような意図があったのだとしたら、この映画は制作開始の時点から、ソ連政府によるプロパガンダ映画の一つということになる。

 

 

以上、今日はナチスドイツを描いた映画の中には嘘の話が多いという現実についてまとめて書きました。実際、ドイツ人の中には「ナチスドイツ軍を描いたハリウッド映画の中には『インディ・ジョーンズ』シリーズのように、信じられないレベルの嘘の娯楽映画まである」と言って嫌な顔をする人がいます。「映画の話は嘘」という前提を理解して映画を見るのが常識なのですが、歴史映画の中にはあたかも現実にあったように作られてるものもあります。映画の感動を壊してしまうことになりますが、特にナチスドイツを描いた映画は嘘の話が多いのです。これはハリウッドが制作した日本の侍に関する映画「将軍」「ラストサムライ」などは、日本人にとっては笑ってしまうほど嘘の話というのを見ればよくわかるでしょう。