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まとめ(23)ニュルンベルクとベルヒテスガーデン

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今日のブログ記事では、過去にこの[Deutschland-Lab]ブログに書いた記事の中から、ニュルンベルクとベルヒテスガーデンについて書いた記事をまとめて紹介します。ニュルンベルクは旧市街が世界遺産に登録されており、クリスマス市でも有名な都市ですが、ナチスドイツの時代にはナチス党大会が開かれて、ナチスドイツが敗戦した後にはナチス戦犯を裁く「ニュルンベルク裁判」が行われた街としても有名です。写真上はニュルンベルクに今でも残るナチス党大会が開かれた広場の跡地です。今ではツェッペリン広場と名付けられて市民公園になっており、ナチス政治の恐ろしさを伝える博物館も建てられています。

 

ナチス党大会跡地は今では「ツェッペリン広場」と呼ばれており、ナチス時代の恐怖を伝える博物館、大きな公園として使用されている以外は巨大な廃墟となって残っている。「ナチスドイツ時代の恐怖を今に伝えたい」というドイツ政府の思いがあるのだろう。

 

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僕は1999年春と2012年秋に、ニュルンベルクのナチス党大会跡地に2回行ったことがある。ここは今では「ツェッペリン広場」と呼ばれていて、ナチス党の幹部が立っていたひな壇の建物は今では「ナチズム恐怖政治の博物館」になっている。この「ツェッペリン広場」へのアクセスはとても良くて、ドイツ鉄道のニュルンベルク中央駅から電車に乗って「ドゥッツエンド池」という駅で降りると、徒歩10分ほどで着く。路面電車でも行ける。ドゥッツエンド池というのは、ニュルンベルクのナチス党大会のために建設された人工池の名前である。さらに、ニュルンベルク観光案内書には日本語のガイドブックもあるので、英語がそんなに得意でなくてもここに行くことは出来る。

 

1933年から第二次世界大戦が始まる前年の1938年まで、毎年9月にここでナチス党大会が開かれて、毎回数万人のナチス党員が参加をした。

 

ゲーリングを始めとするナチスドイツの戦争犯罪人が裁かれた裁判所は、今ではナチスドイツの犯罪とニュルンベルク裁判の歴史を展示する博物館になっており、誰でも見学することが出来る。

 

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このブログ記事では、戦後にナチスドイツの戦犯が裁かれたニュルンベルク裁判所を訪問した時の様子について書いている。

 

ナチの戦犯たちが裁かれたニュルンベルク裁判所は、日本のように巣鴨プリゾンの跡地に高層ビル(サンシャイン60)を建てるという無粋なことなどはせずに、今でも裁判所として使われている。ニュルンベルク地方裁判所の大きな建物の隣の、小さな裁判所がナチの大物戦犯たちを裁いた建物だ。

 

とても興味深かったのは、博物館内の[Allein war nur Hitler schuldig]「ヒトラーだけが有罪だ」(他の被告はヒトラーの命令に従っただけなので、全員が無罪である)というドイツ弁護団の主張だった。ドイツの場合は既に自殺したヒトラー、ゲッベルス、ヒムラーなどに責任があるという説明がなされて、「だから、ここにいる被告たちは無罪だ」と弁護団は主張したという。

 

このニュルンベルク裁判所も非常にアクセスがよくて、ニュルンベルク中央駅から地下鉄U1に乗って、Baerenschanze駅で降りるとそこに建物が建ってる。ニュルンベルク中央駅の観光案内所で日本語のガイドブックと地図も買えるので、ドイツ語がしゃべれなくても簡単に訪問できる。

 

ドイツ南東部のベルヒテスガーデンには、ヒトラーの山荘(ベルグホーフ)の廃墟があり、本来ならここが観光スポットのメインになるはずだが、ネオナチ、極右主義者の聖地になることを恐れて、ドイツ政府は標識、案内板などは何も立ててない。

 

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ドイツ南東部のベルヒテスガーデンには、鷲の巣[The Eagle's Nest]に立つティーハウス以外にもヒトラーの山荘(ベルグホーフ)の廃墟があり、本来ならここが観光スポットのメインになるはずだが、ネオナチ、極右主義者の聖地になることを恐れて、ドイツ政府は標識、案内板などは何も立ててない。だから、ヒトラー総統と日本大使の大島浩を含む多くの外国人政治家が会談を行ったベルグホーフの廃墟を見つけるには、ベルヒテスガーデンに行く前にネットでよく調べないとわからない。

 

ベルグホーフの跡地の近くには、「オーバーザルツベルグ現代史研究所」というナチスドイツ時代の恐怖政治に関する説明と展示がされてる博物館がある。ヒトラーの山荘ベルグホーフの廃墟、ヒトラーを警備用のブンカーなどにはほとんど何の説明もなくて荒れ放題になっているが、この資料館はわかりやすく日本語のガイドブックにも掲載されていて、ベルヒテスガーデンを訪れる観光客はここでナチスドイツ時代の恐怖政治をよく知ってほしいという、ドイツ連邦政府の意図がよくわかる。

 

 

以上、今日はドイツのニュルンベルクとベルヒテスガーデンにある、ナチスドイツ関連の廃墟と博物館についてのまとめの記事を書きました。ドイツに旅行に行くことがあったら、美しい景色だけでなくてこういうナチスドイツの負の遺産もぜひ訪れてほしいです。僕はドイツでこういう負の遺産を見る度に、「日本は負の遺産は壊してしまった所が多いが、ドイツはまだ残していて後世に伝えようとしているんだな」ということにびっくりしました。でも、こういう負の遺産は白人至上主義者、ネオナチの聖地になる危険性もあるので、とても慎重に保存されてることがわかりました。