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ドイツの名作映画「ベルリン天使の詩」

 

 

 

ヴィム・ヴェンダース監督の西ドイツ映画「ベルリン天使の詩」はベルリンの壁があった時代に空を飛べる男の天使の話だが、天使役を演じてるのは「ヒトラー最期の12日間」でヒトラー役のブルーノ・ガンツ

 

 

1988年に日本で封切られた西ドイツ映画の「ベルリン天使の詩」を知ってるだろうか?僕はこの映画をドイツ語を勉強する目的もあって、1990年代にレンタルビデオを借りて何回か繰り返し見たことがある。監督は「パリ、テキサス」などでも有名なヴィム・ヴェンダースである。他のヴェンダースの映画のように、ハリウッド映画のような派手なアクションはない映画だが、見ていて心が温まるストーリーである。

 

ストーリーはまだ東西冷戦時代でベルリンが壁で遮られていた時代に、ベルリンの空を自由に飛び回ることができる天使が数人いた。天使の1人を演じるのが映画「Uボート」でトムセン艦長の役で出ていたオットー・ザンダーであり、もう1人はなんと「ヒトラー最期の12日間」でヒトラーの役を演じたブルーノ・ガンツである。ザンダーの役名はカシエルでガンツの役名はダミエルである。だから、僕にとってはブルーノ・ガンツはこの映画の天使の役のイメージが強いから、「『ヒトラー最期の12日間』ではヒトラー総統役が、『ベルリン天使の詩』で天使ダミエル役だったブルーノ・ガンツだって?明らかにミスキャストではないのか?大丈夫なのか?」と不思議に思った。(苦笑)

 

ブルーノ・ガンツが演じる天使ダミエルは人間の女性に恋をしたので人間になりたいと思い、かつて天使から人間になったアメリカ人俳優のピーター・フォーク刑事コロンボ役の俳優)に頼んで人間になる。

 

 

それで、天使ダミエルは落ち込んでるベルリン市民を励ます、喧嘩してる人たちを仲直りさせるなどの「仕事」をしていたが、ある日、天使ダミエルはサーカスで空中ブランコを演ずるマリオンという女性団員に恋をして、彼女と結婚をしたいと思うようになる。しかし、天使は人間には見えず色が無い白黒の空間に住んでいて、人間とは結婚ができないのでまずは人間にならないといけない。人間になるには元天使で今は人間になった人に頼んで、人間になるためのおまじないをかけてもらわないといけない。幸いにもナチスドイツ時代の映画を撮影するために、アメリカ人俳優のピーター・フォーク刑事コロンボ役で有名な俳優)が西ベルリンを訪れていており、映画の中ではフォークもまた元天使という設定になっているのでフォークの協力でダミエルは天使から人間になることができた。そして、その後、マリオンと出会って結婚をするのである。

 

 

 

刑事コロンボを演じたピーター・フォークと、ヒトラー総統を演じたブルーノ・ガンツの共演が見れるのがこの映画の楽しみ。この映画のハリウッド版リメイクの「シティ・オブ・エンジェル」もあるが、オリジナルほど名作ではない。

 

 

写真上が人間になった後に話し合いをするブルーノ・ガンツが演じる元天使ダミエルと、ピーター・フォークが演じる俳優ピーター・フォーク自身。ヒトラー総統と刑事コロンボが1987年にドイツ映画で共演していたとは、何とも興味深いスチール写真である。映画「ベルリン天使の詩」は派手なアクションシーンはないので、最近のCGアクションシーンがある映画ばかりを見てる人にとっては退屈だろうが、ヒトラー刑事コロンボの共演などを楽しむことができる。この映画について詳しく知りたい人はウィキペディアか映画説明サイトを読むべきだろう。ウィキペディアの日本語はあまり詳しい説明はなくて、英語版の方がかなり詳しく説明さてている。

 

この映画はドイツではかなりヒットして多くの映画賞を受賞したので、「時の翼に乗って/ファーラウェイ・ソー・クロース」という続編も1993年に作られて、こちらもかなりの名作で多くの映画賞を受賞している。その後、ハリウッドでもメグ・ライアン主演で「シティ・オブ・エンジェル」という映画が、1998年にこの映画のリメイク作品として作られている。映画評論家の話では、「シティ・オブ・エンジェル」はオリジナルの

「ベルリン天使の詩」を越えてないという批評である。やはり、「ベルリン天使の詩」は東西冷戦の象徴であるベルリンの壁に反対するテーマがあるからこそ、名作映画になれたのだろう。