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沖縄に絶対に米軍基地は必要

 

 

 

 

昨日6月23日は沖縄で昭和20年に日本軍が玉砕した日なので、沖縄県では「慰霊の日」となっている。沖縄県内の市町村の機関は休日で、沖縄県南部の沖縄平和記念公園では祈念式典が行われて、沖縄戦の犠牲者の追悼が行われる。

 

 

沖縄戦では民間人10万人も亡くなったしその後も米軍基地がずっとあって米軍とのトラブルも多いから、多くの沖縄県民が「基地のない沖縄を」という気持ちがすごく強いのはよくわかる。

 

 

確かに沖縄戦の最期は誠に悲惨なものであった。このブログに改めて書く必要はないけど、沖縄本島の南部に追い詰められた日本軍は、洞窟陣地に籠って持久戦の抵抗活動を米軍に対して続けたので、避難してきた民間人と軍人が同じ洞窟に籠ることになり、それらの洞窟陣地を米軍は火炎放射器で焼き払っていった。日本軍には「生きて虜囚の辱めを受けず」という戦陣訓があったから米軍に投降することはできず、民間人で米軍に投降しようとする人たちを「裏切者!」と呼んで射殺していった。だから、沖縄では今も県民の間では「軍人は民間人を守ってくれなかった」と言われていて、特に日本陸軍の司令官だった牛島満中将の評判は悪い。同様に他の日本軍将校たちの評判も悪い。

 

こんなことが過去にあったけど、沖縄では未だに特に沖縄本島の各地に米軍基地が存在している。しかも、普天間基地などは住宅地のすぐ近くに基地が存在しており、近所の民間人とアメリカ軍人との間のトラブルが絶えずある。飛行訓練中のアメリカ軍兵器の部品が空から住宅街に落ちてくることもある。しかも、「日米地位協定」があるので、沖縄で米軍が起こしたトラブルは米軍の方に有利に裁判で裁かれる。まあ、こういうことはここで改めてブログに書かなくても、ニュースなどを聞いていればよくわかることだ。

 

 

一方で今起こってるウクライナ戦争はウクライナNATOEUに加盟して、米軍を始めとするNATO軍基地をウクライナ領内に作ろうとしたら、ロシアのプーチン大統領がそれを認めたくないので起こった戦争である。

しかしながら、今行われているウクライナ戦争に目を向ければ、ウクライナ戦争の原因はそもそもウクライナNATOに加盟をして、ウクライナ国内にアメリカ軍を始めとするNATO軍の基地と情報センターを作ろうとしたことである。ウクライナはこれまで過去に1991年まで強制的に旧ソ連の一部であり、ウクライナ人は独立したかったが、モスクワにあるソ連共産党政府がそれを許さなかったのである。1991年のソ連崩壊でやっとウクライナ人は果たすことが出来て、独立した主権国家を持つことができた。その後、約30年かけてモスクワにあるロシア政府から徐々に離れていって、ロシア政府から本当に独立するためにNATOEUへの加盟を申請をしようとしたら、モスクワにあるプーチン大統領が率いるロシア政府が「そんなことは絶対に許さない。ウクライナはロシア側でなければならない」と言って、今年の2月末にウクライナに攻め込んだのである。

 

つまり、日本の沖縄県民とウクライナ国民では行動と思考のベクトルが全く逆なのである。沖縄県民は第二次大戦でアメリカ軍と悲惨な戦いをして負けて、その後も米軍基地があることから米軍基地の立ち退きを要求しているが、一方でウクライナ国民は第二次大戦でナチスドイツ軍対ソ連軍の戦場となり同じように悲惨な戦いをしたが、ドイツ軍は敗退していなくなったけど、その後はソ連軍の圧力でソ連の一部にされてしまったので、1991年のソ連崩壊でモスクワに本部があるソ連軍が立ち退いた後は、2度とソ連軍には来てもらいたくないので、ウクライナ国民はアメリカ軍を始めとするNATO軍に参加をしたい。そして、NATO軍基地をウクライナ国内に作ってもらって、ロシア軍が二度とウクライナ領内には来ないようにしてもらいたい。沖縄県民とウクライナ国民は米軍とNATO軍に対して全く逆の要求をしている。

 

 

沖縄県民が「基地のない沖縄を」と訴える気持ちはわかるが、沖縄に米軍基地がなくなると中国軍の沖縄周辺での軍事活動が活発になるだろう。中国は南シナ海では周りに米軍がいないので、軍事基地を作って実効支配を強めている。

 

 

多くの沖縄県民が「米軍基地のない沖縄を」と長年訴えている気持ちはわかるが、しかし、既に軍事評論家、日本の右翼系政治家が警告しているように、「沖縄からアメリカ軍基地がなくなれば、アメリカ軍に代わって中国軍が沖縄本島付近で活発に活動するようになる。既に尖閣諸島周辺では中国軍艦が活発に活動していて、『尖閣諸島は中国の領土だ』とまで主張している。米軍基地が沖縄からなくなれば中国軍が沖縄本島付近で軍事活動を行うことが予想されてるので、沖縄から米軍基地をなくすことはできない」という事実があり、これが今の沖縄の状況である。

 

 

「基地のない沖縄を」というのは、本当に沖縄県民の本心なのだろうか?実際に反米軍基地運動をしているのは、本土から来た左翼活動家、プロ市民が多いというニュースもある。

 

 

沖縄県がある南西諸島、台湾などの島々は太平洋と東シナ海の間に位置しているので、中国軍がどうしても手に入れたい土地であることを忘れてはならない。現に中国軍は既に南シナ海の島々に軍事基地を作って実効支配を始めている。これは、南シナ海には中国の仮想敵国のアメリカ軍の基地がないから、フィリピンとベトナムの許可もなしに勝手に中国軍が行ってるのである。それ以外にもチベットウイグルなどで中国が勝手に行っていることを見れば、中国軍を止めるためには沖縄に米軍基地が絶対に必要なことがわかるだろう。だいたい、「沖縄に米軍基地はいらない」などと沖縄で運動をしているのは、その多くが日本本土に住む過激な左翼活動家、プロ市民の団体であることがわかっている。