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日本の政党は統一教会よりも仏教と関係を持つべき

 

 

 

 

日本には仏教と神道という在来宗教があるのに、なんで怪しい統一教会などと自民党政治家が関係を持つのか不思議に思っている人が多いだろう。

 

 

今は統一教会という変な新興宗教と、自民党議員との黒い関係のニュースばかりである。「自民党議員が当選した時に、地域の統一教会幹部に応援演説に来てもらった」「自民党議員が選挙の時に、統一教会の信者に応援してもらった」などの報道が多い。こういう報道を聞いていて僕が思うのは、「なんで日本には仏教と神道という在来の伝統宗教があるのに、それらの宗教と協力をしないのか?」ということである。恐らく、他の日本人もそう思っているだろう。上の写真は、仏教でもすごく力がある天台宗総本山の比叡山延暦寺

 

 

ドイツの場合はメルケル前首相はキリスト教民主同盟党首だったし、コール元首相もそうだった。ドイツ以外にもカトリック教の国々では、キリスト教幹部が政治に大きな影響力を持ってる。

 

 

例えば、ドイツの場合はメルケル前首相が所属していたのは「キリスト教民主同盟」(CDU)であり、ドイツ統一を成し遂げたコール元首相が所属していたのも同じ政党だった。そして、バイエルン州では「キリスト教社会同盟」(CSU)の支持者がすごく多い。ドイツでも一応「政治と宗教は分離するべき」という考えはあるが、1945年までヒトラーの率いるナチス党という、一種の新興宗教みたいな狂信的な右翼政党がドイツ政治を滅茶苦茶に破壊した苦い経験から、伝統的なキリスト教を母体とした政党の方が国民は安心して投票できるのである。しかし、キリスト教〇〇党だからといって、別に他宗教に対して排他的な政策は行っておらず、メルケル首相はイスラム教諸国からの移民と難民の受け入れにとても寛容だった。

 

ヨーロッパの場合はキリスト教系の政党、あるいは政治におけるキリスト教の影響はすごく大きくて、イタリア、スペイン、ポルトガルポーランドなどの熱心なカトリック信者が多い国では、ローマ教皇カトリック教の聖職者の発言が選挙にすごく影響をするという。例えば偉い司教が「今の首相の政策は反キリスト教的だから気に入らない」などと言ったりすると、首相の支持率も下がるし政治も不安定になる。イギリスの場合は南部のイングランドではエリザベス女王を長とする「イギリス国教会」の信者が多いから、特に中簡層に信者が多い保守党の支持者はイギリス国教会の影響をかなり強く受けている。ヨーロッパはこのような状況だから、日本のように新興宗教が政治に入り込む余地などない。

 

 

日本の場合は明治政府が作った国家神道が政治に強すぎる影響を持っていたので戦後は政教分離になったが、秘密裏に統一教会と関係があるのだったら、「仏教民主党」という政党を作って仏教信者が党員になる方がマシだと思う。

 

 

日本の場合は第二次大戦に負ける昭和20年8月まで、国家神道という明治政府が作った天皇を現人神とする宗教に国民が洗脳された苦い経験があるから、それで、戦後は「政教分離」ということで仏教も神道も政治とは関わりを持たないようにしてるのだろうが、その一方で統一教会という大金を持った変な新興宗教が政治に関わるようになってしまった。統一教会の幹部に組織票の取りまとめ、選挙応援の依頼をするなど政教分離に明らかに違反しているではないか。自民党がこのように新興宗教と実は関係があったというのなら、公明党のように明白に「創価学会を母体とした政党です」という政党の方が、まだ自民党統一教会の関係よりもわかりやすくてマシだと思う。

 

自民党が密かに統一教会と密接な関係にあったというのなら、むしろ、日本でもドイツの大政党である「キリスト教民主同盟」のように、「仏教民主党」という政党を作って比叡山高野山の高僧と全国のお坊さんたちが幹部になった方がよっぽどマシだと思う。多くの日本人のお墓は仏教のお寺にあるのだから日本人も納得するし、「うちは〇〇宗だから、選挙の際には仏教民主党に投票しよう」という人も出てくる。少なくとも統一教会という怪しい新興宗教が選挙の時の圧力団体になるよりはよっぽどマシである。ちなみに僕の家は浄土真宗なので、仏教系の政党ができたら浄土真宗系の政党に投票するだろう。

 

今の自民党統一教会の残念な関係に色々と書いてきたが、とにかく、変な新興宗教が政治で力を持つくらいなら、日本の伝統的な仏教と神道を基盤とした政党を作って熱心な信者と宗教関係者がその政党の党員になる方が、よっぽど日本の歴史と伝統に合っていると思う。