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ドイツに関する記事まとめ(5)ドイツのスポーツについて

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今日も過去にこのブログに書いた記事の中から、ドイツに関する記事のまとめを書いて紹介します。最近はこのブログはあまりドイツに関する記事を書いてないことが多いので、「どうして[Deutschland-Lab](ドイツ研究所と言う意味)なんですか?」というふうに不思議に思っている人もいるかもしれないので。(苦笑)また、最近僕のブログの読者になった人、あるいは読者じゃなくても最近このブログに気づいた人は過去の僕の記事を読んでないと思いますので。

 

 

ドイツのスポーツといったら何といってもサッカーが人気があり、ドイツ人に「サッカーが嫌いだ」と言うのは「ドイツ人が嫌いだ」と言うのと同じくらいの意味になる。なぜドイツ人がサッカーがそんなに熱狂するのかという理由もあるので書いてみた。

 

 

まず、ドイツのスポーツというと何といってもサッカーが人気がある。ドイツ人と最も簡単に友達になりたい人はサッカーの話をすればいい。ドイツというとクラシック音楽ゲーテ文学などと誤解してる人が多いかもしれないが、ドイツではこれらのことはあまり人気がなくてサッカーが一番人気がある。ドイツ人に「サッカーは嫌いだ」などと言うのは、「ドイツ人は嫌いだ」というのと同じような意味になってしまう。それほど、ドイツではサッカーが人気がある。特に4年に1度行われるワールドカップと同じく4年に1度行われるヨーロッパ選手権(ユーロ)のドイツ代表の試合には、普段はドイツのブンデスリーガに興味のない老若男女が夢中になる。ドイツ代表の試合にはドイツ全国民が一喜一憂するのである。

 

まず、なぜ、ドイツ人は異常なほどにサッカーに熱狂するのか?それは1954年に西ドイツ代表が初めてサッカーワールドカップで優勝をした、「ベルンの奇跡」という出来事が大きな理由になっている。

 

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上にアップした記事を読めばわかるけど、「ベルンの奇跡」はナチスドイツを支持して第二次大戦に負けて国が焼け野原になったドイツ人に大きな自信を与えた。「戦後のドイツ史で忘れられない瞬間が3つある。それはベルリンの壁が出来た時と崩壊した時、そしてもう一つはベルンの奇跡だ」とドイツ現代史家がみんな言っている。1954年のサッカーワールドカップスイス大会で西ドイツは初優勝したのだが、これはドイツ人をすごく喜ばせて勇気づけた。それ以来、ドイツ人はサッカーW杯の時には代表の応援に熱中する。

 

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ドイツ人に一番うける話はサッカーの話であることは既に書いたが、ドイツ人はサッカーの話になると人格が変わったように熱狂する。

 

ドイツ人というと、どういうイメージがあるだろうか?恐らく二度の世界大戦の原因がドイツが原因という事実から、軍隊とか質実剛健とかお堅いイメージがあるだろう。また、クラシック音楽ゲーテの文学、ドイツ哲学などのイメージから真面目、インテリというイメージもあるかもしれない。車が好きな人はドイツのベンツ、ポルシェ、BMWのような300万円以上はする高級車を連想する人もいるだろう。

 

しかし、そんなけっこうお堅いまじめなドイツ人もサッカーの話になると人格が急に変わる。僕のドイツ人友達は弁護士で東北大学に2006年4月から2012年3月まで6年間勤務しており、夫婦で仙台で暮らしていてその間に子供も1人生まれた。夫婦ともに大学卒業のインテリで穏やかな性格なのだが、夫のSはサッカーの話になるとまるで統合失調症の患者か二重人格の人のように性格が変わるのである。

 

一緒にベガルタ仙台の試合を何試合か見に行ったがベガルタの選手がミスをすると、「なんだアイツは?あんな奴、なんでプロのサッカー選手になったのかわからん!」「今日は試合にはなんとか2-1で勝ったけど、(背番号)11番、8番、4番は給料を貰う資格がねえな。あいつらは罰金を支払うべきだ!」などと興奮して、試合中に言っていた。「そんなに厳しいことを言わなくてもいいだろ?」と僕が言っても、「3千円の入場料に見合うだけの試合ではなかった。今日の試合のレベルならアマチュアと大して変わらない」などと言って、サッカー狂の彼の厳しいコメントは地下鉄の泉中央駅で彼ら夫妻と別れるまで続いたのだった。妻のMはドイツ人女性にしては珍しく夫に尽くすタイプの女性であり、そんな夫を「まあ、サッカーについてはSは昔から厳しいから」という感じで黙って夫の話を聞いていた。(苦笑)

 

 

ドイツでサッカー以外に人気があるのはスキージャンプであり、20年ほど前は葛西船木などが人気があり、今では小林陵侑と高梨沙羅がドイツとその他のヨーロッパのスキージャンプ王国ではすごく人気がある。

 

 

それから、ドイツのスポーツというとドイツでは冬季オリンピックの競技でもあるスキージャンプがとても人気がある。僕は1999年春にドイツ人家庭にホームステイをしてドイツ語の勉強をしたが、そこの家の夫人のIさんと長男の恋人のCはサッカーにはあまり興味がなかったが、スキージャンプは大好きだった。1999年頃は日本人選手だと葛西と船木が絶好調でドイツのマルティン・シュミット、フィンランドのヤンネ・アホネンと首位争いをしていた。夫人にIさんは、「スキージャンプ強国の日本人と一緒にスキージャンプをテレビ観戦できて本当に楽しかった」と言って喜んでいた。

 

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その後も2007年のクリスマスの時に、東北大学で勤務していたSとMの夫妻と話をした時にもSは、「日本人のスキージャンパーの船木、葛西とかは何をしてるんだ?長野オリンピックの時は日本勢とドイツ勢がスキージャンプで金メダル争いをしていただろ?最近、日本人スキージャンパーが活躍しないから、スキージャンプがヨーロッパ人だけの競技になっていて面白くないんだよ。たまには日本人が試合に勝たないと世界の大会にならないからね。日本人選手にまた活躍してもらいたい」と言っていた。

それで、今は日本人の小林陵侑選手と女子スキージャンプでは高梨沙羅選手が大活躍をしているから、ヨーロッパ人も大喜びをしているだろう。しかし、日本ではなぜかオリンピックの時ぐらいしか彼らの活躍は報道されていない。僕はスカパーにお金を払って男子ジャンプの小林陵侑の試合も見ている。小林陵侑がワールドカップの年間チャンピオンに2回もなったというのは本当にすごいことである。彼は既に紫綬褒章という勲章を貰っているが、将来は国民栄誉賞を貰っても不思議ではないほど日本人にとってはアウェイの地であるヨーロッパで大活躍をしているし、ヨーロッパではすごく人気がある。