Deutschland-Lab

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日本対ドイツの試合はどういう結果になるか?

 

 

 

いよいよ、明日水曜日の午後10時から日本対ドイツのサッカーの試合があるけど、日本がサッカー大国のドイツに勝つのはかなり難しいだろう。

 

 

いよいよ、水曜日の午後10時から日本対ドイツのサッカーワールドカップの試合ですね。結果は日本人なら日本が1-0か2-1くらいで勝ってほしいと期待しますが、ドイツに勝つのは簡単ではないですね。ドイツのスポーツ=サッカーというぐらいドイツ人はサッカーには熱い思いがありますからね。上の写真は2014年にブラジル開催のワールドカップで優勝したドイツチーム。

 

過去に僕がドイツのサッカーについて書いた記事をしつこいようですが、再び紹介しようと思います。

 

deutschland-lab.hatenablog.com

 

 

ドイツ人は普段はおとなしい人でも、サッカーになると急に過激な人格に変わる。ドイツ人でサッカーを大人しく見てる人はあまりいない。

 

 

この記事にも書いたようにドイツ人はサッカーの試合だけに関してはとても熱くなる。僕の友達のドイツ人は弁護士で東北大学法学部で6年間准教授として働いていたが、彼はいつもはあまり汚い言葉を言わずに穏やかで優しくて敬虔なキリスト教徒なんだが、サッカーについてだけは、信じられないほど熱くなる。彼と何度か一緒にベガルタ仙台の試合を一緒に見に行ったが、2006年4月にまだベガルタがJ2にいた時にヴェルディ東京との試合を見た時は、特にレフェリーと線審の判定に文句を言っていた。

「なんだ、このレフェリーとラインズマンは?こいつらこんな下手な判定で給料を貰えるか?こんな下手なレフェリーと線審は、ドイツならジュニアチームの試合レベルだ。大人のプロの試合でこんな下手なレフェリーと線審なんてあり得ない。選手がかわいそうだ」

と言って怒っていた。

 

そして、ベガルタが負けた時はミスをした選手をあげて、「背番号10番と15番は今日は給料をもらうだけの働きをしてない。こいつらのせいで負けた。彼らは今日は罰金ものだな」と言って怒っていた。また、10月末でベガルタ仙台がJ1昇格に迫っていて惜敗をした時も、「こんなダメな試合をしていたら、J1なんかに上がれるわけがない。もう今日は応援放棄する!」と怒鳴って、最後の10分ほどは応援しなかった。それで、試合後も「ベガルタ仙台!」と声援を送っているサポに対して、「無理、無理。応援しても無駄。こんなクソ試合をしてるチームがJ1に上がれるわけない」と言って呆れていた。

 

 

ドイツ人のサッカーに対する熱い思いは1954年の「ベルンの奇跡」にまで遡る。第二次世界大戦後、初めてワールドカップに参加を許された西ドイツ代表が初優勝を果たした。これが、戦争に負けたドイツ人に大きな勇気を与えた。

 

 

過去にも書いたが、こういうドイツ人のサッカーへの熱い思いというのは、1954年に戦後初めてドイツが参加を許されたサッカーワールドカップで、いきなりドイツ(当時は西ドイツ)が優勝をした「ベルンの奇跡にまで遡る。こちらが僕が過去に書いた「ベルンの奇跡」に関する記事。

 

deutschland-lab.hatenablog.com

 

ナチス党とヒトラーを支持して第二次世界大戦を起こしたドイツが、ナチスドイツが降伏してからたった9年間でワールドカップで優勝することができた。ドイツ人はこの西ドイツ優勝の時に、「ドイツ人はナチスを支持して戦争を起こしてヨーロッパを滅茶苦茶に破壊して、自分たちの国もボロボロになった。でも、ドイツ人はまたやり直すことができる。また国を復興させることができる」と言って喜んだ。この「ベルンの奇跡」から戦後の西ドイツの復興は始まったと言われている。この話はドイツでは今でもとても人気があり、映画化もされたし今ではミュージカルが舞台公演でドイツ各地で行われている。映画「ベルンの奇跡」のDVDは、ドイツの各家庭に必ず1つはあるというくらいに人気がある。

 

 

ドイツのスポーツ=サッカーというくらいにドイツ人はサッカーに熱い思いを寄せている。日本人にはオフサイドを知らない人がけっこういるが、ドイツにはそんな人は子供でもいない。ドイツ人に「サッカーが嫌いだ」と言うのは、「ドイツ人が嫌いだ」と同じような意味になる。

 

 

他にもドイツ人のサッカーに関する熱い思いをあげれば、僕の友達だったドイツ人女性は「ドイツ人は4歳の少女でもオフサイドを知っている。日本人の中にはオフサイドを知らない人がかなりいるようだが、オフサイドを知らないドイツ人なんてどこにもいない」と言っていた。また、スポーツ観戦に興味がないドイツ人たちも4年に1度のワールドカップと、同じく4年に1度のヨーロッパ選手権(ユーロ)は必ず見る。これらの試合を見ないと、他のドイツ人の話題についていけないからである。もちろん、これらの大会にドイツがヨーロッパ予選を勝ち上がって参加することが前提だけど。

 

最後に2018年にドイツが初めてグループリーグで敗退した時にあげられた、イングランド主将のリネカーが言った有名な言葉がある。

「サッカーとは単純なスポーツだ。22人の男たちがボールを追い、そして最後には必ずドイツ人が勝つ」。

イングランドにとっては1966年の自国開催以来、ようやく再びたどり着いた準決勝だったのに西ドイツにPK戦で負けてしまったので、リネカーはすごく悔しかったのだろう。リネカー以外にもフランスのプラチニも1982年、1986年の2回とも西ドイツに準決勝で負けている。

 

ドイツ人に対して「サッカーは嫌いだ」と言うのは、「ドイツ人は嫌いだ」というのと同義語くらいドイツ人の好きなスポーツ=サッカーなのである。前回のロシア大会ではドイツは信じられないようなクソ試合をしてグループリーグで敗退をしたが、W杯4回優勝のドイツが2回も同じ失敗を繰り返すことは絶対にないと思う。昨日、イランはイングランドに2-6という公開処刑のような試合で大敗したが、日本はそのような失敗はしてもらいたくない。だが、前回のロシアワールドカップでの大失敗を取り戻そうとしているドイツに勝つのは、かなり難しいだろう。