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日本で最悪の赤字ローカル線に乗ってきた

存続の危機“年間11億赤字JR陸羽東線”重くのしかかる「車じゃないと移動できない」高齢者ライフスタイルの変化「なんとか残したいと思うことが大事」存続派の男性の願いは届くか  | TBS NEWS DIG (1ページ)

宮城県北部の小牛田と山形県北部の新庄を結ぶJR陸羽東線鳴子温泉~新庄間は、日本で最も赤字がひどい路線である。僕は仙台市民なので、その区間まで行ってきた。

 

 

宮城県北部の小牛田と山形県北部の新庄を結ぶ陸羽東線鳴子温泉~新庄間は日本最悪の赤字ローカル線と報告されていて、100円の収入をあげるのに2万円を投資してるという。

 

 

1カ月ほど前に仙台から東北本線陸羽東線を経由して山形県の新庄まで行く「快速湯けむり号」に乗って、人気のある湯治場の鳴子温泉の隣の中山平温泉まで行ってきた。鳴子温泉ではなくて隣の中山平温泉にまで行ったのは、陸羽東線鳴子温泉~新庄間は「100円を儲けるために2万円の投資が必要」と言われている日本最悪の赤字ローカル線なので、仙台の近くにそんな場所があるなら是非一度行ってみたいと思ったから。

 

鳴子温泉~新庄間は最悪の赤字路線と言われていても、鳴子の隣の中山平はまだけっこうマシな様子だった。鳴子温泉付近のこの地域には、鳴子温泉中山平温泉瀬見温泉赤倉温泉と風情のある温泉街が多いし、鳴子渓谷、鳴子ダム、鬼首スキー場、日本でも珍しい間欠泉と観光資源はかなりあるのだが、観光客は仙台か古川という都会でレンタカーを借りて車で観光地を回ってしまうので、鉄道の収入にはあまり貢献していない。 結局、沿線の住民の人口を復活させるしかないのだが、陸羽東線沿線には古川には東北新幹線、新庄には山形新幹線が通っているので、特に新幹線が出来た30年ほど前からはストロー現象」で、将来のある若者たちは仙台、首都圏のような大都会に働きに出てしまって、人口減少に歯止めがかからない。

 

1日の鉄道の本数も陸羽東線は電化されておらず、小牛田~新庄間は全線が1両編成か2両編成気動車のワンマンカーが走っているだけで、しかも、上下線合わせて1日に16本しか鉄道は走っていない。常に長くとも30分間隔で2両~6両編成の電車が走っている東北本線というドル箱路線の幹線と比べると随分な格差である。

 

 

赤字を減らすためには一時的にしか滞在しない観光客を増やすだけではダメで、過疎化の進む現地の人口をこれ以上減らないようにしないといけないが、これといったアイデアはないようだ。

 

 

これを打開するには一時的に鳴子温泉とその周辺を訪れる大都市から来訪する観光客ではなくて、常に鉄道を使用してくれる通勤通学客を増やすために沿線の人口を増やしていくしかないのだが、先にも書いたように陸羽東線の沿線の古川と新庄に新幹線が通ってからは「ストロー現象」で、沿線に住む若者たちは仙台市山形市、首都圏などの都会に出ていってしまうのである。これでは過疎化は止められない。新幹線開通で便利になるなずが、逆にストロー現象で田舎の観光地は過疎化が進んでしまった。

 

また、1日に上下線合わせて8本しか鉄道が来ないから、80歳の年寄りでも車を運転して買い物などに行かないと生活できないだろう。さらに、最近はアマゾン、楽天などのネットショッピングで宅配をしてもらうというネットショッピングもある。新幹線が開通して、IT化が進んでから東北の田舎町はますます過疎化がひどくなったようだ。

 

 

3月上旬に実際に鳴子温泉から一つ新庄方面にある中山平温泉駅に行ってみたが、駅前には周辺の観光案内図が立ってるだけで、店があっても閉まっていた。それに1日に上下合わせて16本しか鉄道(電化されてないので気動車が運行してる)は来ない。

 

 

こちらの動画は、僕が鳴子温泉の次の中山平駅に行った時の様子。中山平駅は100円を稼ぐために2万円の投資が必要という陸羽東線の最悪赤字区間の駅の一つである。駅は無人駅で駅前にはコンビニすらなくて、店があっても閉まっていて、観光案内の看板とタクシーの電話番号を書いた紙が駅の掲示板に貼ってあるだけだった。

 

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