- 映画「ヒトラー最期の12日間」で、ドイツ軍指揮官のモーンケ少将はゲッベルスに「一般国民で組織された部隊はロクに訓練を受けておらず、戦場で無駄死にしているから撤退させてほしい」と要求するが、ゲッベルスは「国民がナチス党政府を選んだのだから、戦場で死ぬのは自業自得だ」と言って拒否する。
- 現在でもアメリカで共和党のトランプがヒトラーと同じように、強気な発言とポピュリズムの宣伝で2回も大統領選挙に当選した。そして、大統領に就任するとすぐに強気の政策を次々と打ち出して世界を混乱させているので、アメリカの民主主義がどうなっているのか疑わざるをえない。
映画「ヒトラー最期の12日間」で、ドイツ軍指揮官のモーンケ少将はゲッベルスに「一般国民で組織された部隊はロクに訓練を受けておらず、戦場で無駄死にしているから撤退させてほしい」と要求するが、ゲッベルスは「国民がナチス党政府を選んだのだから、戦場で死ぬのは自業自得だ」と言って拒否する。
僕のブログを長い期間読んでいる人なら、僕がナチスドイツに詳しいことを知っていると思うが、僕のお気に入り映画の1作である「ヒトラー最期の12日間」で民主主義の大切さ、難しさがよくわかるシーンがあるので、それを紹介することにする。
(ヒトラー総統官邸を含むドイツ軍のベルリン中心部防衛を指揮するモーンケ親衛隊少将が、宣伝大臣のゲッベルスのいる通信室にやってくる)。
ゲッベルス「モーンケ少将、話はなんだね?」
モーンケ「大臣閣下、民族の嵐(ドイツ本土防衛のために急遽40代~60代の男性を徴兵して組織された部隊)はロクに訓練されておらず、ロクな武器も与えられていないので、ソ連軍の攻撃で次々と戦死してます。彼らはほとんど無駄死にです。最前線から撤退させる許可をください」
ゲッベルス「私は彼らが戦死しても同情しないね。繰り返すが、彼らが死んでも同情しない!国民が我々(ナチス党の政府)を選んだのだ。驚くかもしれないが、ナチス政府は国民に強制したことは一度もない。国民が戦いで死んでも自業自得だよ」
ナチス党政権について説明しておくが、ヒトラーを首相としたナチス党政府は1933年1月に選挙で国民に合法的に選ばれたのである。決してロシア革命の時のように革命、クーデターといった非合法的な乱暴なやり方でナチス党政権は誕生したのではない。第一次大戦に負けて多額の賠償金の支払いと、1929年にニューヨーク株式市場の暴落から始まった世界恐慌で経済的に大混乱して行き詰っていたドイツでは、国民は強気の政策を掲げるヒトラーのナチス党を選挙で選んだのである。そして、選挙でヒトラーを選んだ結果が第二次大戦の勃発と敗戦だったのである。
現在でもアメリカで共和党のトランプがヒトラーと同じように、強気な発言とポピュリズムの宣伝で2回も大統領選挙に当選した。そして、大統領に就任するとすぐに強気の政策を次々と打ち出して世界を混乱させているので、アメリカの民主主義がどうなっているのか疑わざるをえない。
話を今に戻すと、2016年11月のアメリカ大統領選挙でトランプが大統領に選ばれた時に多くのドイツ人は、「アメリカ人はヒトラーを選挙で選んだ」という感想を抱いたという。トランプは大会社の社長で経済的には大成功していたが、ヒトラーと同じように政治を大学で専門的に学んだことがなくて政治の素人だった。だが、共和党内でヒトラーと同じように「アメリカ・ファースト」など強気の発言を繰り返して、巧みな宣伝とポピュリズムで大統領選挙に勝った。ヒトラーが選挙に勝って首相になった時とよく似ているから、ドイツ国民がトランプをヒトラーに似ていると思ったのは当然だろう。
去年の選挙でまたトランプが大統領に選ばれたが、経済と移民政策で行き詰っているアメリカ国民はまた強気の発言とポピュリズムの宣伝が上手なトランプに投票をして、選挙はトランプの圧勝だった。
そしてトランプが大統領になった今は、「カナダとパナマに関税を課す」「紛争が続いてるガザ地区をアメリカが所有する」などという、とんでもない政策の発表に日本も含めて世界中が振り回されている。恐らくアメリカ人は最近は中国の進出が脅威だから、強気な政策を掲げていたトランプを選挙で大統領に選んだのだろうが、まるでヒトラーのようにとんでもない政策ばかりを打ち出すトランプがこれから4年近くも大統領を務めると思うと、アメリカの民主主義はどうなっているのだろうかと疑わざるをえない。