
- ドイツではキリスト教民主同盟と社会民主党が連立したメルツ政権が誕生したが、極右政党のドイツのための選択肢が力を伸ばしていて、ウクライナ戦争、移民難民問題という課題も山積みなので厳しい政権運営になりそうだ。
- 極右ポピュリズム政党の「ドイツのための選択肢」AfDは、経済状態が悪い東ドイツ地区で国民に支持されている。ドイツ連邦憲法擁護庁はAfDを右翼過激派に指定したが、アメリカのトランプ政権はAfDを支持している。
ドイツではキリスト教民主同盟と社会民主党が連立したメルツ政権が誕生したが、極右政党のドイツのための選択肢が力を伸ばしていて、ウクライナ戦争、移民難民問題という課題も山積みなので厳しい政権運営になりそうだ。
ドイツでは連邦議会で議員たちによる首相指名の選挙が行われて、CDU(キリスト教民主同盟)のメルツ氏が新しい首相に選ばれたが就任時からウクライナ戦争、増加する移民難民問題など課題が山積みで、厳しい政権運営になりそうだ。
ドイツの連邦議会では6日、中道右派の「キリスト教民主・社会同盟」のメルツ氏を新たな首相に選出する投票が行われました。
「キリスト教民主・社会同盟」(CDU・CSU)は連立を組む中道左派の「社会民主党」(SPD)と過半数の議席を確保していますが、1回目の投票では賛成が過半数にわずかに足らず、選ばれませんでした。
ドイツでは歴代の首相が1回目の投票で選出されなかったことはなく、異例の事態となりました。
投票は無記名で行われましたがドイツのメディアはメルツ氏がことし1月、移民政策の厳格化のため極右団体「ドイツのための選択肢」と議会で協力したことに反発した与党議員が造反した可能性があるという見方を伝えています。
このあと各党は対応を協議して再び投票を行った結果、メルツ氏は首相に選ばれました。
メルツ氏はその後、議会で宣誓して就任し、新政権を発足させました。
それで、今のドイツ議会では「ドイツのための選択肢」という極右政党が躍進しており、ヒトラーの率いるナチス党という極右政党にドイツを乗っ取られたという過去の反省から、戦後のドイツ議会では極右政党は議席を獲得しにくい状況にあったのだが、そのタブーが破られようとしている。
だが、ドイツ連邦憲法擁護庁は5月2日に「ドイツのための選択肢」(AfD)を右翼過激派に指定して、党の政治活動を監視することに決めた。
極右ポピュリズム政党の「ドイツのための選択肢」AfDは、経済状態が悪い東ドイツ地区で国民に支持されている。ドイツ連邦憲法擁護庁はAfDを右翼過激派に指定したが、アメリカのトランプ政権はAfDを支持している。
ドイツで誰がAfDを支持しているのかというと、下の地図を見ればわかるように、経済的に貧しくて治安も悪い旧東ドイツ地区の国民が圧倒的に支持している。一方で旧西ドイツ地区ではAfDを支持する国民はあまりいないようだ。

ドイツの連邦憲法擁護庁は2日、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」を右翼過激派に指定した。この決定については、トランプ米政権の幹部から「偽装された専制」だなどの批判が出ている。
ドイツ連邦憲法擁護庁は声明で、「同党内の主流派による、民族性や祖先に基づく理解は、自由民主主義の秩序と相容れない」と述べた。
一方でアメリカのポピュリズム右翼政権であるトランプ政権は、AfDを強く支持している。
大統領顧問を務める富豪のイーロン・マスク氏も、所有するソーシャルメディア「X」の配信機能を使ってヴァイデル氏(AfDの党首)と対談し、ドイツ国民にAfDへの投票を呼びかけた。その後、選挙に向けて繰り返し、AfDへの支持を投稿した。
マスク氏は2日にXで、「中道のAfD」を禁止することは「民主主義に対する極端な攻撃」だと主張し、同党をドイツで最も人気のある政党と呼んだ。
ヴァンス米副大統領も同日、連邦憲法擁護庁の決定を受け、「AfDはドイツで最も人気のある政党で、どの党よりもはるかに東ドイツをよく代表している。しかし、官僚たちはそれを今、破壊しようとしている」とソーシャルメディアに投稿した。
また、「西側諸国はかつて一緒になって、ベルリンの壁を取り壊した。その壁が今や再建された。ソヴィエトやロシア人によってではなく、ドイツ主流派によって」と批判した。
極右主義のポピュリズム政党である「ドイツのための選択肢」を政権から外すために、「キリスト教民主・社会同盟」と「社会民主党」が手を組んだ大連立のメルツ政権がドイツで誕生したが、特に旧東ドイツ地区では「ドイツのための選択肢」を支持する国民が多いので、かなり厳しい政権運営になるだろう。