
- ドイツのメルツ首相はトランプ大統領と会談した時に、「ナチスドイツが戦争に負けてドイツはナチスから解放された」と発言したが、これはドイツ国内で物議を醸す可能性が高い。当時のドイツ人たちはナチスドイツの勝利を信じて戦っていたからである。
- 5月8日はナチスドイツが降伏した日だが、2010年5月の休日に仙台在住のドイツ人夫妻に会って喫茶店で会話をした時に僕はこの日ついて言及した。すると夫妻は、「5月8日はドイツがナチス支配から解放された日なんだ。ドイツ人はナチスが負けた翌日には連合国を解放者として歓迎した節操がない国民なんだ」とニヤニヤ笑って言った。当然、僕は2人の反応に驚いた。
ドイツのメルツ首相はトランプ大統領と会談した時に、「ナチスドイツが戦争に負けてドイツはナチスから解放された」と発言したが、これはドイツ国内で物議を醸す可能性が高い。当時のドイツ人たちはナチスドイツの勝利を信じて戦っていたからである。
今はトランプ大統領が米軍にイランの核施設を攻撃して、それに対してイランが報復を示唆しているとか色んなニュースがあるけど、少し前のドイツのメルツ首相が訪米してトランプ大統領と会談した時に興味深いことがあったので、それについてブログに書こうと思う。
会談翌日の6日は、第2次世界大戦下でナチス・ドイツに占領されたフランスなどを奪還するため、連合軍が実施したノルマンディー上陸作戦の開始日「D-Day」にあたる。 メルツ氏がこのことに言及すると、トランプ氏はそれはドイツ人にとって「楽しくない日」だろうと述べた。 ナチスと現在のドイツを同列視するかのようなトランプ氏の発言に、メルツ氏は即座に、ドイツが「ナチスの独裁から解放された日」だと指摘した。
このドイツのメルツ首相とアメリカのトランプ大統領の何気ない会話は、実はいうとドイツではかなり激論を巻き起こす懸念がある。第二次大戦でノルマンディ上陸作戦が起こった頃のドイツ軍は既にソ連軍が東部戦線で勝利を収めつつあったので、西側の米英を中心とする連合軍のフランス海岸への上陸を阻止しようと必死に防衛のための戦闘を行っていて、多くの戦死者を出したというのに、その当時のドイツ兵とドイツ人たちの努力を見捨てる発言だ。
当時ドイツと同じように米英連合軍と戦っていた日本軍に例えると、サイパン島も硫黄島も陥落したことによって日本は大日本帝国の軍国主義から解放されたと、石破首相がトランプ大統領と会談した時に発言するようなものである。
5月8日はナチスドイツが降伏した日だが、2010年5月の休日に仙台在住のドイツ人夫妻に会って喫茶店で会話をした時に僕はこの日ついて言及した。すると夫妻は、「5月8日はドイツがナチス支配から解放された日なんだ。ドイツ人はナチスが負けた翌日には連合国を解放者として歓迎した節操がない国民なんだ」とニヤニヤ笑って言った。当然、僕は2人の反応に驚いた。
それで、このメルツ首相の発言を聞いて思い出したのが、僕が2010年5月のゴールデンウィークの時に、当時仙台に住んでいて東北大学に勤務していたドイツ人友達のSとその妻のMと一緒に喫茶店で話をした時の会話だ。連休中の5月8日はドイツが第二次大戦で降伏した日で、(Stunde Null)「ドイツ零時」と呼ばれている。
だから僕が、
「5月8日はドイツ零時で、ドイツ人にとっては悲しい日だね」
と言うと2人はニヤリと笑って友達のSが、
「違うよ。ドイツ零時はドイツ人がナチスの支配から解放された日で祝うべき日だよ」
と言って、おとなしくて優しい妻のMも、
「そうよね、ドイツ人は5月8日まではナチス政府に忠誠を誓っていたのに、その翌日には連合軍を解放軍として受け入れてナチス政府を犯罪者扱いしたのよね。全く節操も何もない国民なのよね」
と言って、2人でゲラゲラ笑い出したのだった。
僕はこの2人の会話を聞いて当然ながら驚いたのだった。夫のSは弁護士であり、妻のMも大学で介護士の資格を取得しているいて、2人共にけっこう高学歴でモラルも高い人物なのだが、そんなドイツ人がナチスドイツ降伏についてこの様なこのようなブラックユーモアを言って笑っていたことは驚きだった。
最初のメルツ首相とトランプ大統領の会話からもわかると思うが、ドイツの第二次大戦に関する歴史教育というのは、ナチス党とヒトラーの私兵と位置付けられている親衛隊を犯罪組織として厳しく批判するという立場をとっているのは明らかだ。しかしながら、ドイツ国民の中には第二次大戦時にナチス党の党員だった人、親衛隊員だった人の子孫が何万人もいるので、そういう人たちにとってはこの歴史教育を受け入れるのは難しいだろう。
このドイツの歴史教育と歴史認識の問題点について書き始めるとすごい長文になるから割愛するが、日本と同じようにドイツでも歴史教育について国民の間で多くの対立がある。しかも、ドイツは第二次大戦では敵国として戦ったヨーロッパ諸国と一緒にEUの一員になっているから、本当に大変である。