Deutschland-Lab

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ドイツに関する記事まとめ(5)ドイツには学校の部活がない

 

 

 

 

今日も1年以上前に書いた僕の[Deutschland-Lab](ドイツ研究所みたいな意味)ブログから、1年以上前に書いたブログ記事を再びアップして紹介します。何度も書いてますが、最近に僕のブログの読者になった方々の中には1年以上前のブログ記事を読んだことのない人がいると思いますので。

 

ドイツには学校の部活がないから、当然、高校大学のスポーツ大会も存在しない。ドイツではサッカーが人気があるが、サッカー選手の育成はプロチーム傘下のユースチームで行われていて、アマチュアであるユースチームの活動はあまり報道されていない。

 

下の過去のまとめ記事である「まとめ(11)ドイツには学校の部活がない」という記事に、ドイツには部活がなくて学校の勉強が終わるか会社での仕事が終わると、地域密着のクラブに行ってドイツ人はスポーツと文化活動をすることを、できるだけ簡単にまとめ書いてある。

 

僕がH家というシュツットガルト近郊に住むドイツ人家庭に1999年春にホームステイをした時に、「日本人は学校と企業の部活でスポーツと文化活動をします。日本では学校と企業中心の社会なんです」とH家の中年夫妻に説明すると夫妻は、「それはアメリカ型のスポーツ文化活動だね。ドイツを始めとしてヨーロッパでは地域密着のクラブが各地にあって、学校と仕事が終わった後に多くの人はクラブ活動をするんだ。うちの家族も金曜日夜には近所のサッカーチームのクラブハウスで、近所の人たちと少額のお金をかけてカードゲームのクラブ活動をしている」と教えてくれた。

 

deutschland-lab.hatenablog.com

この「ドイツには学校の部活がない」というまとめ記事の中から、重要な部分を抜粋して紹介する。

 

日本では高校生になると高校野球があり、高校野球連盟という組織が支配している。そしてご存知のように、高校野球には春の選抜大会と夏の全国大会があり、この試合の様子は全国放送でテレビで中継される。そして、それを「美しい青春のドラマ」としてマスコミは競って報道する。プロ野球を目指す若者は一度はこの高校野球に参加して、頭を丸刈りにして、軍隊みたいな入場行進を行わないといけない。そして、高校野球は「美しい青春のドラマ」なので、野球部内での暴力指導、いじめなどはあまり報道されない。高野連の決定は絶対なので、これに逆らうことは許されない。高校野球の大会形式は「勝利至上主義」だから、有名な野球が強い高校が地区大会で負けたりすると、選手も監督もマスコミに叩かれる。だから、選手は強い緊張感の中でプレイしている。

 

一方でドイツのサッカー選手育成の場合は、学校の部活ではなくてプロチーム傘下のユースチームで行うのだが、育成段階では結果よりも自由にプレイすることを重視しているので、結果を恐れずにのびのびとプレイする。ドイツのマスコミも、日本でいうと高校卒業後の年齢の選手たちの大会であるU19(19歳以下)のドイツ国内大会とヨーロッパ大会は報道して、負けた場合は厳しく批判するが、それより若い世代の試合はほとんど報道しないし、負けても厳しく批判などはしない。「まだプロ契約をする前の若者の大会だから、結果はどうでもいい」という感じで、サッカーファンはほとんど興味がない。これはドイツだけでなくてヨーロッパ全土で、このような制度になってる。

 

つまり、ドイツではプロのスポーツ選手には厳しい視線が向けられるが、まだアマチュア選手の高校生、大学生などの試合はほとんど注目されてない。アマチュア選手の試合の結果がどうだろうが、アマチュア選手には大した賞金も支払われないからスポーツファンは興味がないのである。

 

日本も高校スポーツ、大学スポーツ、社会人野球などのような学校と企業のアマチュアスポーツをマスコミで大々的に報道をするのは止めた方がいいと思う。だいたい、今年の夏の大会でやっと東北地方の仙台育英高校が東北地方の高校で初優勝をしたが、仙台育英の野球選手にも学校にも賞金は全く入らないのだから大した利益にはならない。