Deutschland-Lab

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ドイツに関する記事まとめ(4)ドイツ語の勉強方法

 

 

 

 

今日はまた過去に書いたドイツ関連の記事の中から1年以上前に書いた記事で、おそらく僕のブログの読者に最近なった人たちは読んでないような記事を紹介しようと思います。過去に読んだことのある人ももう一度読んでみてください。ドイツ語検定2級に一回目の挑戦で合格した僕が、ドイツ語の勉強方法について説明をします。ドイツ語検定試験は僕が受験をした2005年秋の後に級の見直しがあって、2級が難しすぎて3級が簡単すぎるというので、2級が準1級に名称が変わって、2級と3級の間に新しく2級が設けられました。

 

 

過去にブログ記事に書いたドイツ語学習方法を再びアップして紹介する。でも、これはあくまでもドイツ軍マニアである僕がやった勉強方法だから、他人にもあてはまるかはわからない。

 

 

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僕は小学校高学年の頃からナチスドイツ軍にすごく興味があって、「将来はドイツ語をしゃべれるようになって、戦争映画でドイツ軍人がしゃべってるドイツ語を理解できるようになりたい」と漠然に思っていた。子供の頃から「史上最大の作戦」「遠すぎた橋」「Uボート」「戦争のはらわた」などの戦争映画に出てくるドイツ軍人を見てカッコいいと思ったので、そういう思いが強かった。こういうドイツ軍が悪役の戦争映画を見てもドイツ軍人がカッコいいと思ったのは、やはり日本人だから同盟国だったドイツ人に対して同情する気持ちが強かったからだろう。僕以外にも同級生にはタイガー戦車、メッサーシュミット戦闘機などの模型を作っていて、僕と同じように第二次世界大戦のドイツ軍が好きな友達がけっこう多かった。ただし、もちろん、ヒトラー総統とナチスドイツが行った戦争犯罪は許せないけれど。

 

ここに実際にドイツ映画史上最も大ヒットをした映画「Uボート」の中での会話を例としてあげる。この会話は実際にNHK教育テレビの「ドイツ語会話」のテキストで、解説されていたものである。

 

 

Uボートがフランスの基地には帰らずに、イギリス艦隊が待ち受けるジブラルタル海峡を突破して、イタリアへと向かうことになったシーンでの会話。

 

艦長の放送:「新たな回航地が決まった。ラ・スペツィアだ。地中海にある。その前にスペインのヴィゴで燃料と物資を補給する。以上。」

水兵1: Die haben wohl den Arsch offen. Verdammte Scheisse!
「連中は頭がどうかしているぜ、畜生!」

水兵2:イタリアでのクリスマスもいいじゃないか。

1:ああ、だが、そこまで行くのがな。

2:なんでだ?

1:なんでだと?ジブラルタルだぞ!
Kannsu du dir am Arsch abfingern, wer da ist. Das ist irgendwie eine Jungfrau. Wenn wir da durchkommen wollen, koennen wir unsern Kahn mit Vaseline einschmieren.
どういうことか、察しがつくだろう。あそこはな、処女みたいなもんだ。あそこを通り抜けるつもりなら、艦にクリームを塗らないとな。

Der Arsch 「尻」を使った言い回しが2つ登場している。 Den Arsch offen haben 「頭がおかしい、どうかしている」、 (直訳は「尻が開いている」)。sich(3格) etwas(4格). am Arsch abfingern koennen 「想像ができる、察しがつく」(直訳は「尻に指が届く」)。

それ以外に、上の会話で注意するべき表現は、[verdammt][Scheisse]の2語。verdammtは英語のdamnedにあたり、「畜生」という意味で、Scheisseは英語のShitにあたり、「クソったれ」という意味。この2語はドイツの映画でよく使われている。

 

あくまでも僕の体験談からの話だが、僕のようなドイツ軍マニア、それにサッカーマニア、ドイツカーマニアなどで将来はドイツに旅行にも行ってドイツ軍関係の博物館、ドイツのサッカー場でサッカー観戦をしたい、ドイツのベンツ、BMWなどの車をドイツのアウトバーンで乗り回したいというモチベーションのある人たちは、ドイツ語習得が早いようである。こういう人たちは将来は実際にドイツに行って、現地人とドイツ語で交流をして具体的にドイツで何かをしたいという目的がはっきりとしているからである。

 

次に、僕がドイツ語検定2級の面接試験を受けた時の記事をアップする。ドイツ語検定2級の筆記試験は仙台の会場で受験できたが、面接試験は最寄りの会場が東京だった。僕はこの面接試験を受けるまでにドイツには5回行ったことがあって、合計して半年以上は滞在したいたから合格する自信があった。

 

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ドイツ語検定準1級に合格した僕の体験談としては、ドイツでは意外なことにクラシック音楽ゲーテ文学はあまり人気がないので、こういう話題でドイツ人と盛り上がったことはあまりないからドイツ語が上達しない。ドイツサッカー、ドイツでビジネスをする、ドイツ軍研究という人たちはドイツ語の上達が早い。

 

 

どういう動機でドイツ語を勉強している人たちがドイツ語学習が進むかについてだが、18世紀、19世紀のゲーテなどのドイツ文学が好き、ベートーベンを始めとするクラシック音楽が好きという人たちはあまりドイツ語の勉強は進まない人が多いようだ。一つの理由はゲーテの文学、ベートーベンの音楽の中で歌われてる歌詞は18世紀か19世紀の過去のドイツ語であり、既に今のドイツ人は使ってない古語か文語体のドイツ語が多いからである。また、実はいうとゲーテ文学、クラシック音楽というのはドイツ人の間でも一部のインテリ層か年寄りのドイツ人にしか人気がなくて、あまりこういう話題で盛り上がることがないから。僕もドイツ人の家にホームステイをしたことがあるし、仙台在住なので東北大学勤務のドイツ人弁護士夫婦と交流があったが、ゲーテクラシック音楽の話をしたことは一度もない。多かったのはドイツサッカーの話と、ドイツと日本の政治経済情勢の話、つまり今起こっていることについてのトークだった。これは、日本でも黒澤明監督の映画、伝統的な歌舞伎、演歌などがあまり日本では人気がないのと同じことだろう。

 

今の生きたドイツ語を勉強したいのなら、過去のドイツ文学、クラシック音楽よりも「Uボート」「ブリキの太鼓」「ヒトラー最期の12日間」「帰ってきたヒトラー」などの1970年代以後のドイツ映画をリスニング教材として使うことを勧める。僕はこれらの映画は全部10回以上見ている。「Uボート」はハイライトだけなら50回以上は見ている。

 

ただし、ここに書いたのはあくまでもドイツ軍マニアから入った僕の勉強方法だから、全ての人にあてはまる勉強方法かどうかはわからない。一番良いのは自分に合ったドイツ語勉強方法を早く見つけることである。