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高校野球は慶応高校の優勝で終わったけど、やはり真夏の炎天下での高校野球は疑問だ

慶応ブランド上等! 全国の野球学校は「高校野球の常識」を覆されて黙っちゃいない(日刊ゲンダイDIGITAL) - Yahoo!ニュース

 

 

 

日本の高校野球のようなアマチュア育成時代に全国民が注目するアマチュアスポーツ大会は、ドイツなどのヨーロッパ諸国には存在しない。ヨーロッパ人が注目するのはプロスポーツだけである。

 

 

2023年の全国高校野球は慶応高校の優勝で終わったけど、やはり選手、応援団、甲子園球場の観客の熱中症対策という課題の具体的な解決はできておらず、本当に真夏の兵庫県西宮市の甲子園球場だけで試合を行う必要があるのかという疑問は残った。

 

もう一度、僕が過去に書いた高校野球を批判する記事をよく読んでもらいたい。

 

deutschland-lab.hatenablog.com

 

ヨーロッパ、南米などのサッカーの場合、学校の部活というのはないので学校が終ったら将来サッカー選手になりたい学生たちは名門クラブチームのユースチームか、将来プロ選手になるかどうか迷っているような学生たちは、とりあえず地域密着のクラブチームでプロのコーチから指導を受けて、プロの選手になるためにプロチームのユースチームに入るか、それともプロサッカー選手はあきらめて勉強をして大学、就職を目指すかをよく家族コーチと話し合う。もちろん、ヨーロッパの若者選手たちが試合をするU15、U17という国別対抗のヨーロッパ選手権もあるが、まだアマチュアの育成段階だから、仮にU17のドイツ代表が負けたとしてもあまり厳しい批判はしない。

 

日本の場合はまだ高校野球はアマチュアの育成段階なのに、異常なほどに報道が過熱して全国民注目の大会になるのはかなり異常だ。甲子園のスターだった江川、荒木などはプロ野球を引退した後にトーク番組で、「まだプロになってないアマチュアの高校生に、いつもマスコミが密着して報道していたのが不思議だった。僕も他の普通の高校生みたいに友達と遊んで彼女とデートとかしたかったのに、いつもマスコミが張り付いていたからちょっとした悪ふざけすらできなくてつまらなかった」と言っていた。

 

まあ今は9回が終わったらすぐにタイブレーク制度になったから、松坂、ハンカチ王子の斎藤がいた時のように延長18回か15回まで延々と試合をやって、休養日もなくてすぐに再試合という残酷な制度はなくなって改善されたけど、まだ強行日程による選手、特に連投をする投手の疲労の蓄積は問題だと思う。

 

 

「真夏の甲子園はいらない」という高校野球を厳しく批判し本もある。実際、真夏の高校野球で活躍した選手が必ずプロ野球でも活躍できるとは限らない。高校時代はほぼ無名だったのにプロではスター選手になった選手はたくさんいる。

 

 

それに、「真夏の甲子園はいらない」という有名なスポーツライターと新聞記者が書いた、酷暑の中で行われる高校野球を痛烈に批判した本もある。

 

 

最近は真夏の甲子園で大活躍をして、その時に特に投手は肩を壊してその後の選手生活に悪影響が出た投手もかなりいる。2010年に春夏連覇を沖縄勢として初めて果たした興南高校の島袋はその後中央大学に進んで、それからソフトバンクに入ったが、去年で引退している。2006年に「ハンカチ王子」として大ブレークをした斎藤祐樹も2年前に日ハムから引退して、主にアマチュア時代の成功の講演活動を行ってるらしい。

 

しかし、一方で横浜高校のエースとして1980年の夏の大会で優勝をした愛甲は、ロッテにドラフトで1位指名をされて入団をしたが、投手として通用しなかったので野手に転向をしたが野手としてもあまりパッとしなくて、「これでも甲子園の優勝投手ですよ」と言っていたら当時三冠王だった落合に、「そんなアマチュア時代のプライドは捨ててしまえ」と言われて、愛甲は著書の中で「あの落合さんの一言で楽になれた」と書いている。つまり、高校野球時代の栄光はプロ野球に入ったら全く関係ないのである。プロ野球のスター選手の中には高校時代はほぼ無名だった選手、甲子園に出場してない選手がけっこういる。

 

つまり、これからは高校野球での活躍がプロ野球での活躍に繋がっていくような、高校野球とプロ野球との良い関係を築いていかないといけない。