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過去にもあったテレビ局の不祥事・TBSオウムビデオ問題

フジテレビ会見 フジテレビ記者から港社長に情報隠蔽の意図がなかったか質問  港氏「守りたいとか隠したいという気持ちはなかった」(2025年1月27日掲載)|日テレNEWS NNN

今回のフジテレビの不祥事よりも1996年3月に起こったTBSビデオ問題の方が坂本弁護士一家が殺害されるなど悪質な事件だったが、当時はまだネットがないテレビ全盛期の時代だったので、TBSに対する非難はそれほど厳しいものではなかったと記憶している。

 

 

今はフジテレビの社員がセットした飲み会(バーべキューパーティ?)で、引退したタレントの中居正広が元フジの女子アナに性的暴行を行った事件でフジテレビが厳しく非難されているが、約30年前にもテレビ局がとんでもない不祥事をやらかしている。40歳以上の人たちなら覚えているだろうが、TBSによるオウム真理教ビデオ事件である。こちらの事件では、オウム真理教を調査していた坂本弁護士一家が殺害されるという死人まで出ているので、今のフジのケースよりも悪質だったと記憶している。


ja.wikipedia.org

 

TBSビデオ問題(TBSビデオもんだい)は、1989年平成元年)10月26日、東京放送(現在のTBS)のワイドショー番組3時にあいましょう』の制作スタッフがオウム真理教の幹部に対して弁護士坂本堤がオウム真理教を批判するインタビュー映像を放送前に見せたことで、9日後の11月4日に起きた坂本弁護士一家殺害事件の発端となったマスコミ不祥事報道被害である。

 

事件はオウム真理教への強制捜査(1995年3月22日)が行われたのちの一連のオウム真理教事件の捜査の途上で浮上し、当初は否定していたTBSが1996年3月になってから認めたもので、TBSビデオ問題などとも呼ばれる。問題を事件に置き換えた表記もある。

 

概要

TBSは、1989年(平成元年)10月に当時すでにサンデー毎日『オウム真理教の狂気』特集などで批判されていたオウム真理教の取材映像を放送予定であったが、反オウムの弁護士坂本堤のインタビュー映像が合わせて放送されることを知ったオウム真理教は、坂本のインタビュービデオ(以下ビデオ)を見せるようTBSに要求し、オウム真理教幹部の早川紀代秀(坂本弁護士事件実行犯の1人)らがTBS内でこのビデオを視聴した。その後、麻原彰晃坂本堤の殺害を指示、11月4日坂本弁護士一家殺害事件が発生。

 

 

このように、1996年3月にTBSがテレビ放送前にオウム真理教幹部に取材したビデオを見せたことを認めたTBSビデオ問題は、今回のフジテレビの事件よりもTBSの対応はお粗末でひどいものだった。初めはビデオを見せていないとTBSは否定していたのに、警察の捜査などで詳しく調査をされて、3月末に一転してビデオを見せたと認めたので、TBSの「ニュース23」のキャスターだった筑紫哲也は「TBSは死んだ」と番組内でコメントをして、この番組のキャスターを降板することを考えたとも述べた。

 

TBSビデオ事件の方が明らかに悪質だったが、当時、TBSからスポンサーが降りてACジャパンのCMに差し替えられることはなかったと記憶していて、TBSは今のフジのように厳しく非難されなかったと記憶している。

 

 

TBSビデオ問題が明らかになった1996年3月当時はまだインターネットが普及する前だったので、テレビに広告を出さないと企業は困るのでTBSに広告を出すのを止める企業はなかった。今はネットが普及してからかなり時間が経ってテレビの地上波放送局は衰退しているので、フジテレビには容赦のない批判が浴びせらてるようだ。

 

 

理由としては、当時はまだ今のようにインターネットが普及していなかったので、ネットで多数の人がTBSを批判することはなかったし、まだネットがなかったからTBSのスポンサーもテレビに広告を出せないとなると広告を出す所がなくなってしまうので、TBSに広告を出すのを止めることはなかった。

 

今のスキャンダルでフジテレビに広告を出すのを止めた企業が70社以上という理由は、今はテレビに広告を出さなくてもYOUTUBE、有料のネット放送サイトなどのネットサイトに広告を出せば、別にテレビに広告を出さなくても十分に企業の広告はできるので、地上波のフジテレビは公共広告のCMばかりという異常な状態になっている。

 

さらに今は企業の危機管理、コンプライアンスがかなり厳しい時代だから、フジはTBSよりも厳しく非難されているのだろう。TBSビデオ事件があった1996年はまだコンプライアンス、パワハラ、セクハラなどという言葉はほとんど使われておらず、大手企業の重役はかなり威張っていた時代だった。それに当時は不祥事を起こしてもTBSは4大民放のうちの一つでTBSが潰れると困る人が多かったから、TBSへの批判はあまり厳しくなかったと記憶している。でも、今はテレビを見ないでネットしか見ていないという人もかなり増えているから、フジテレビにはかなり厳しい批判が浴びせられている。今はテレビ業界が衰退しているから、フジへの批判が厳しいのは当然だろう。

 

でも、TBSビデオ問題も、その後、4月からプロ野球が始まり、7月にはアトランタオリンピックが開催されたりして、人の注目がそちらに向くと段々と忘れられていった。その後、1997年に山一証券、北海道拓銀が倒産して大手企業も倒産する時代が始まると、そういうニュースばかりになってTBSビデオ事件は忘れられていった。やはり、今回のフジの不祥事も「人の噂も75日」という感じで、3か月後くらいにはあまりニュースにならなくなるだろう。