Deutschland-Lab

Deutschland-Lab

歴史や文化、スポーツなどドイツに関する情報まとめサイト

日本は在来宗教が弱いので山上家は統一教会に献金した

 

 

 

安倍元首相を暗殺した山上容疑者の母が統一教会に大金を献金して家族崩壊して、山上は統一教会安倍氏が深い繋がりがあると誤解して暗殺をしたと報道されてる。

 

 

最近は、安倍元首相を殺害した山上容疑者の家族関係のニュースが多く流れている。山上徹也容疑者の父が自死して以来、母は統一教会に心の拠りどころを求めて、山上家の資産のほぼ全部を教会に献金してしまい山上家はお金に困って家族崩壊したと報道されている。オウム真理教が1995年3月に地下鉄にサリンを撒いた時にもよく報道番組のテーマになったが、戦後の日本では日本の古来からある在来の宗教である仏教と神道の力と活動が弱いから、山上徹也の母のように新興宗教統一教会に大金を献金すれば、心の救いを得られるなどと勘違いする人がたくさん出ている。だが、冷静に考えればいくら大金を献金しても心が救われることはないに決まってる。

 

 

日本では戦後は仏教神道という在来宗教の力が弱くなった。理由はこのブログ記事にも書いたが、大日本帝国時代は天皇を現人神として崇めるように国が強制しており、大日本帝国が滅亡した後は日本人は宗教から離れてしまったから。

 

 

このように、日本では在来宗教である仏教と神道の力が弱すぎるということは、過去にブログ記事に書いたことがある。僕は1999年春にドイツ人家庭にホームステイをしてドイツ語を勉強した時に、「多くの日本人は宗教に興味がなくて神様を信じてない。日本で宗教活動をしているというと、大量殺人で問題になったオウム真理教統一教会のような変な新興宗教で活動をしていることを指すことが多い。ドイツはコール元首相(当時は社会民主党シュレーダー首相政権だった)がキリスト教民主同盟の党首、バイエルンで支持者が多いのがキリスト教民主同盟というふうに、キリスト教の名前が入った政党があるくらいだから、宗教活動というとキリスト教徒として週に1回教会に行って神父さんの説教を聞いたり、神父さんと悩み事を話すことを指すんですよね?」と僕が家族に言うと、「ドイツではどこの学校でも、小学校中学校時代にキリスト教について必修で習う授業があるからね。もちろん我が家もキリスト教徒だから、最低でも復活祭とクリスマスの時くらいは教会に近所の人たちと一緒に集まって神父さんと話をしているよ」と、家族の人は答えた。その後、僕が日本では昭和20年8月までの大日本帝国の時代には国家神道というのがあって、天皇陛下のことを現人神として信じて崇めないと国家の公安から厳しく処罰されたという話をしたら、家族はとても驚いていた。

 

deutschland-lab.hatenablog.com

 

仙台の東北大学に勤務していたドイツ人友達のSは「日本には素晴らしい仏教と神道文化があるから、在来宗教を強くするべきだ」と言っていたが、「戦前育ちの老人は天皇陛下を敬っている人が多い」と僕が言うと、困った顔をしていた。

 

 

上のブログ記事を読めば、僕がドイツ人に日本人は在来宗教のことをよくわかってないという話をしたことがわかると思うが、日本に6年間住んで東北大学で勤務していた弁護士のSは、「日本には素晴らしい仏教と神道という伝統的な宗教があるのだから、これらの歴史文化をもっとよく活用するべきだ。日本ほど素晴らしい宗教文化がある国は世界でも稀だと思う」と言って、仏教と神道をもっと積極的に活用するべきだと言っていた。でも僕が「俺の父方のおじいさんと母方のおばあさんも、晩年に認知症になって自分の今の状態がよくわからなくても、『日本人はみんなで天皇陛下と皇室を敬って立派な国を作らないといけない』と言っていた」と言うと、Sは困った顔をしていた。

 

 

それでも、キリスト教国家の欧米では弱い人、困っている人の救済は教会の神父の仕事なのだから、日本でもお寺のお坊さんが困ってる人の救済活動をするべき。日本で在来宗教の活動を活発にしないと、また山上容疑者のように大事件を起こすおかしな人が現れるだろう。

 

 

それでも、やはり、山上容疑者の母のように夫が自死で亡くなって心理的に追い詰められて困ってる人に救いの手を差し伸べるのは、日本の伝統宗教のするべき仕事だと思う。欧米ではキリスト教の教会がちゃんと活動をしているので、日本のように変な新興宗教が困ってる人の弱みにつけこむようなことは少ないようだ。もちろん、全くないわけではないだろうけど。先に書いた僕のドイツ人友達のSと妻のMは、2人共家族ぐるみでけっこう熱心なカトリックキリスト教徒だったので、忙しい時でも1月に2回は地元のキリスト教の教会に行って日曜朝の礼拝に家族で参加していたという。そして、子供の頃から悩み事があれば神父さんに相談をしたと言っていた。彼ら以外にもドイツにいた時にかなり熱心なカトリックキリスト教信者の家族に会ったことがある。夕飯を食べる前に必ず、「主よ、今日の糧に感謝します・・・」というお祈りを捧げる家族もいた。

 

だから、このようなドイツを始めとする欧米のキリスト教国家のキリスト教活動の強さを見れば、日本でも弱ってる人、弱い人たちの魂の救済という仕事をするのは仏教か神道という在来宗教だと思う。いや別に仏教神道が気に入らないならキリスト教であってもいい。ホームステイしたいた時に50代のドイツ人夫婦は、「宗教というのは老人、重病の人、障害のある人、何かで困ってる人たちにとっては慰みと心の拠りどころとなる。私たち家族は今は何も困ってないから宗教の助けは必要がないけど、私たちも老人になるとキリスト教の助けが必要になると思う」と言っていた。だから、日本人である山上容疑者の母もどこかのお寺の檀家になって、お寺の住職さんに悩みを聞いてもらえばよかった。これなら統一教会への献金よりも安いお布施ですむ。とにかく、日本には伝統的な仏教があるのだから、仏教の僧侶がもっと困ってる人たちを助ける仕事をするべきだと思う。これは、オウム真理教が無差別テロを行った時にもテーマになったことだ。