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ドイツという国にはどういうイメージがあるか?

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ドイツにあまり興味がない知り合いにドイツのイメージを質問したら、「日本とドイツは似ている」と答える人がけっこういた。それは、両国とも第二次世界大戦の敗戦国で焼け野原になったが、早く復興を遂げることが出来たという歴史を指すのだろう。

 

 

上の写真はベルリンにある観光地でも最も有名であろうブランデンブルク門である。ドイツの観光地というと、ここを思い浮かべる人は多いだろう。

 

かつて僕の勤務先で「ドイツというとどういうイメージがあるか?」という質問をしたことがある。ドイツに旅行に行ったことがないし、近い将来にも行く予定がないようなドイツに無関心の数人の人たちが回答したのは、

「日本とドイツは似ている国という感じがする。両国とも勤勉な国民性で経済大国で、第二次世界大戦で敗戦国になったのに、そこから両国ともに短期間に『奇跡の経済復興』を遂げて、戦後30年くらいの時にはもう世界トップクラスの先進国だった。あとは、ハリウッドの戦争映画でいつも日本軍とドイツ軍が悪役で、その点でも似ていると思うし、日本もドイツも戦争犯罪国として他の国に謝罪している点も似ている」

ということだった。それ以外には僕よりも年上の人の回答だと、

「戦後に多くのナチスドイツ時代の恐怖政治、ホロコーストなどを描いた映画、ドイツ軍が悪役という映画が多いせいで、ドイツはロマンチックではなくて怖い国というイメージがある。でも、今のドイツはとても平和だから、ナチスドイツの時のように怖いとは思わないけど」

ということを言った人もいた。

 

下の写真は昭和15年(1940年)9月に日独伊三国同盟が結ばれて、それを祝う日本政府の首脳とドイツの外交官。この時から日本とドイツは、「似た国」として歩むことになったようだ。これは別に日本とドイツの軍事同盟を賛美しているのではなくて、実際にこの後に戦争に負けて両国ともに戦争犯罪国家となって、そこから奇跡の経済復興を遂げるという同じ歴史を歩んでいるという事実を述べてるのである。

 

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ドイツに語学留学した時に、最後の授業の日に『ドイツはロマンチックではない』と言ってる日本人が多くいる」と先生に言ったら、「ドイツは風景が美しい国ですが、ドイツ人のメンタルは経済的な成功を求める人が多いので、確かにロマンチックではない」と先生は言った。

 

 

それ以外のドイツのイメージというと、ロマンチック街道、ライン川下りなどの美しい街並みというイメージがあるだろうが、僕はシュツットガルトの語学学校にで1999年春にドイツ語を学んだことがあった。それで、僕の最後の授業の時に、

「数人の日本人はドイツはロマンチックではないと思ってます。それは日本とドイツは第二次大戦で同盟していたので、そのイメージが強くてあまりロマンチックだとは思えないのです」

ということを、中年女性のL先生に言った。するとL先生は、

「確かに、ドイツはロマンチックではないです。あなたの知り合いが言ったことは間違ってません。ドイツは確かに街並みと景色は打美しいですが、ドイツ人のメンタルはそんなにロマンチックではないです。ドイツ人のメンタルはあまりにも経済的で工業的で、経済的な成功を求めてる人が多すぎます。だからそんなにロマンチックではないです。他のヨーロッパ人、フランス人、イタリア人に比べるとそんなにロマンチックではないです」

と言った。

 

下の写真は世界遺産にも登録されてるニュルンベルクの街並み。ニュルンベルクは連合軍の空襲で破壊されたが、市民の努力で空襲前の旧市街が甦った。

 

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確かに漫画にも「ドイツの技術は世界一イイイイイ」というセリフがあるように、ドイツというとベンツ、BMWのような高度な技術を持ったドイツ車をイメージする人も多いだろう。

 

 

L先生の「ドイツ人はメンタルはあまりにも経済的で工業的で」という言葉を聞くと、確かに、漫画でも「ドイツの技術は世界一イイイイイ!」というセリフがありように、ドイツというと世界トップレベルの科学技術力の国と思う人もいるだろう。僕のような子供の頃からの軍事マニアだとティガー戦車、メッサーシュミット戦闘機などを想像するが、車好きな人はベンツ、BMW、ポルシェ、アウディ、フォルクスヴァーゲンなどのドイツの自動車メーカーを想像する人も多いだろう。写真下はシュツットガルトのベンツ博物館に展示されてるベンツのスポーツカー。車マニアではないから、どういうスポーツカーかはわからないが、こういう車は1台数千万円はするのだろう。

 

日本人でドイツ車が欲しい人は多いだろうが、ただし、僕がドイツで学んだのは日本の高速道路はカーブが多く、さらに最高速度の制限が高速道路でも時速120キロなので、200キロ以上のスピードが出ないとドイツ車の本当の高度な性能が引き出せないのだという。ドイツのアウトバーンのような時速200キロ~300キロで走れる道路でないと、ドイツ車を持っていても「宝の持ち腐れ」状態になるという。

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それ以外にもドイツはサッカーが強くて、料理とビールが上手いというイメージもあるだろうが、豊かな文化を持つためには高度な経済力が必要なので、ドイツ人は日本人と同じように勤勉で経済的な成功を求める国民性なのは間違いない。

 

 

それ以外のドイツのイメージというと、スポーツが好きな人にはサッカーがすごく強い国で、お酒が好きな人にはビール職人がおいしいビールを醸造するビールの国で、グルメの人にはアイスバイン、ザウアークラウトなどのドイツ料理の国だろう。

 

でも、そういう豊かな産業を維持するためには、まず、経済力と工業力が高くないといけないので、日本人と同じように勤勉で経済的な成功を求める人が多い国なのだろう。だから、ドイツも日本と同じように第二次世界大戦の敗戦から立ち直るのが、すごく早かったという似た歴史を歩んだのだろう。