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ウクライナ戦争は何で特別扱いなのか?

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ウクライナで戦争が起こって3週間ほどが経つけど、明らかにウクライナでの戦争は最近30年に起こった戦争、湾岸戦争ユーゴスラビア内戦、2001年9月11日の同時多発テロ以降のアフガニスタンでの戦争、イラク戦争、シリア紛争、ミャンマー紛争とは扱いが違っていて、ほぼ毎日ウクライナでの戦争が報道されている。明らかに異常なほどにウクライナ戦争の報道は多い。

 


ウクライナ戦争は他の地域での紛争よりも扱いが違うが、これは交戦国のロシアが核兵器を持っていて核兵器の使用に言及しているからである。それに、ロシア対NATOの第3次世界大戦になる恐れもある。

 

 

これの理由はなぜかというと、他の戦争と紛争は地域紛争かアメリカを中心とした国連軍が介入した「正義のための戦争」であり、一応、アメリカを中心として国連軍が攻める側だが、今回の戦争はロシアの大軍がウクライナという隣国を攻めているので国連による同意を得ておらず、ロシアの事情だけで勝手にプーチン大統領が大軍を動員して戦争をしていて、しかもNATO側が少しでも介入すればNATO軍対ロシア軍の第3次世界大戦、さらには最悪のケースでは核戦争に発展する恐れがあるからである。



アメリカのジョージ・W・ブッシュ大統領による戦争もひどかったが、アメリカには言論の自由があって政府を批判することができた。それに国連でもアメリカ国会でも問題になっていた。

 

 

もちろん、僕も湾岸戦争アフガニスタン戦争、イラク戦争のようなアメリカ軍を中心とした国連軍の「正義のための戦争」が正しい戦争だとは思わないが、一応、アメリカ政府は軍事行動を起こす前に国連の安保理事会に軍を動かす許可を求めており、しかも、アメリカとNATO諸国には言論の自由がある。2003年3月に起こったイラク戦争の時には、「イラク国内には大量兵器はなかった。ジョージ・W・ブッシュ大統領の率いるアメリカ軍と同盟軍は単にイラクを侵略して国内を破壊しただけだった」というような非難の声が、アメリカと一緒に軍隊を派遣したNATO諸国でも起こった。そして、今でもイラクではテロリストとNATO軍の地域紛争がイラク国内で続いており、アメリカ国内でもまだ当時のジョージ・W・ブッシュ大統領と共和党政権を非難する声があり、「ハートロッカー」のような映画とドキュメントが制作されている。



しかし、今回のウクライナ戦争を見ればわかるように、ロシア国内ではプーチン大統領とロシアの保守派は戦争に反対するロシア国民を徹底的に弾圧しており、「戦争反対」というデモ行進をロシア国内で行ったロシア国民は、片っ端から警察に捕まって監獄行きか多額の罰金を支払わされている。そして、日本国内に滞在するロシア人は「もうロシアには帰れないので日本に帰化したい。できれば、日本に永住したい」と言い出している。アメリカ政府がイラク戦争を始めた時は、そんなアメリカ人は誰もいなかった。日本に住んでいるアメリカ人は誰も「日本に帰化したい」とは言わなかった。アメリカには言論の自由があるので、「イラク戦争反対」ということを他の国民と一緒にアメリカ人も抗議することができたのである。



それに、アメリカ政府と軍もイラク戦争が長引いているといって、テロリストが多い地域とイスラム国が支配する地域に核爆弾を使用するということは、流石に言い出さなかった。イラクのテロリストが多いからといって核爆弾で彼らを始末すれば国際的非難がアメリカ政府に集まって、誰もアメリカの「正義の戦争」についてこなくなることをアメリカ政府は知っている。しかし、ロシアのプーチン政権はウクライナ戦争にNATO軍が軍事介入をするか、ウクライナ軍の抵抗が長引けば核兵器を使用するようなことを発言している。ここが他の戦争とウクライナ戦争の大きな違いである。



 

プーチン大統領はロシア国民の戦争反対運動を認めておらず、徹底的に取り締まっていてロシア国内では嘘の報道を行っている。ロシアには言論の自由がないのがアメリカとの大きな違いである。

 

 

 

つまり、攻撃を行っているロシア政府と軍は国民に言論の自由を認めておらず、反対する国民を厳しく取り締まっている。それにロシアは核兵器の使用を本気で検討しているという脅迫までしている。この点が今回のウクライナ戦争と他のアメリカ軍が中心の戦争の違いである。それ以外にも、もしロシアが戦争に勝てばウクライナという国が地図から消えてしまい、ウクライナ難民は永遠に帰国できないかもしれないという恐れもある。