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日本の原水協のノーベル平和賞受賞は遅すぎる

日本被団協にノーベル平和賞|埼玉新聞|埼玉の最新ニュース・スポーツ・地域の話題

原水協が核兵器廃絶を訴えて戦後80年近く経ってやっとノーベル平和賞を受賞したが、核兵器使用の危険度は今よりも東西冷戦時代の方が高かった。この時代に原水協が受賞できなかったのは、アメリカ政府の圧力があったのだろう。

 

 

10月12日に日本の原水協が今年のノーベル平和賞を受賞することが決まったが、戦後約80年も経ってやっとノーベル平和賞を受賞とはあまりにも遅すぎる。これには、当然ながらノーベル賞にも強い影響力を持つアメリカ政府からの圧力が背景にあったのだろう。だいたい核戦争の恐怖というのは今よりも1991年のソ連崩壊までの東西冷戦時代の方が今よりも強かったし、その頃はまだ多くの被爆者の方々も生きていたが、なぜか東西冷戦時代には原水協はノーベル平和賞を受賞できなかった。やはり、アメリカ政府がノーベル平和賞選考に圧力をかけていたのだろう。

 

今、原水協がノーベル平和賞をやっと受賞できた理由は、北朝鮮、イランなども核兵器開発を進めているし、ウクライナ戦争、ガザ紛争、台湾問題などで核兵器を持っている世界の軍事大国、特にロシア中国などが核兵器の使用をちらつかせているから、核兵器は絶対に使用しないようにということで、唯一の被爆国である日本の原水協がノーベル平和賞を受賞ということになったのだろう。

 

 

今はウクライナ戦争、台湾問題などで中国とロシアの軍事力が台頭しているから、この2国への警告の意味もあって原水協のノーベル平和賞受賞が決まったのだろうが、2国にとってはほとんど意味がないだろう。それに、日本はアメリカの核兵器の傘の下に入っているから平和であるのが現実である。

 

 

しかしながら、中国ロシアにとっては日本の原水協のノーベル平和賞受賞というのは、焼け石に水にすらなってない。それどころか、彼らにとっては都合のいいことですらある。日本の原水協がノーベル平和賞を受賞したことで、日本では左翼が勢いづいて核武装などは絶対にだめだという運動が広がるだろうし、アメリカ軍が日本に核兵器を持ち込むことも難しくなった。それに、日本はアメリカの核兵器の傘に守ってもらっているのに、上の写真のように核兵器禁止条約に参加するように主張する日本の左翼が政府に強く主張するだろう。日本周辺の平和は軍事力の均衡、バランス・オブ・パワーで保たれているというのに、実現不可能な理想的平和主義を掲げる日本の左翼が勢いづけば、中国とロシアの政府と軍部が喜ぶだけだ。

 

思い出してもらいたいのは、ウクライナはアメリカの核兵器の傘の下に入っていないから入ろうとしたら、ロシア軍の侵略を受けて今のような泥沼の戦争状態に陥ってしまった。日本も理想的平和主義を掲げていたら、国内への北朝鮮工作員の侵入と暗躍を許して、結果としては1000人近い日本人が北朝鮮の工作員に拉致されてしまった。そして、2002年の平壌宣言以後は北朝鮮労働党と友党関係にあった日本の社民党はすさまじいバッシングを受けて、弱小政党に落ちてしまった。

 

僕は以前このブログにも書いたが、父が転勤が多い銀行員なので広島にも小学生時代に2年半ほど住んだことがある。それで広島では核兵器反対運動がいつも盛り上がっているのかと思えば、僕も驚いたことに広島はけっこう右翼思想で軍事マニアの同級生が多かった。その理由は広島に原爆が落とされた理由を考えればわかることだが、広島は戦前までは日本で最大の海軍と陸軍の基地があったので、広島人は旧陸海軍関係者がすごく多いのである。だから、「俺のおじいさんは戦艦長門の水兵だったので、山本五十六大将に会ったこともある」という同級生もいて、戦前は軍都広島だったから右翼思想でおじいさんが軍人だったことを誇りにしている同級生もいた。

 

また、今でも広島の近くの呉には海上自衛隊の大きな基地があり、大和ミュージアムもあり、岩国には米海兵隊の大きな基地もある。だから、こういう軍事マニアが喜ぶような施設も広島付近には多いから広島にはけっこう右翼思想の軍事マニアが多いのだ。

 

日本の原水協がノーベル平和賞を受賞したけどあまりも遅かったこと、核兵器使用をちらつかせている中国ロシアという軍事大国にとっては、あまり効果がないことを今日のブログのテーマとして書いてみた。