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ワルシャワ軍事博物館に展示されてる航空機

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このブログ記事では、ポーランドの「ワルシャワ軍事博物館」に展示されてるポーランド空軍の飛行機を紹介する。ポーランド空軍といってもソ連の傀儡だったポーランド共産党軍が使用した航空機だから、ソ連空軍の飛行機ばかりになる。

 

見出しに書いたように、第二次世界大戦からその後の東西冷戦の間、ポーランド共産党軍で使用された飛行機を紹介する。ポーランド共産党軍はソ連軍の飛行機を貸与されて使用していた。写真上はツプレフ2型爆撃機。

 

 

イリューシュン2型は36000機も生産されたソ連空軍の襲撃機であり、軍用機の生産数では世界史上1位である。ドイツ軍からは「空飛ぶ黒死病」として恐れられた。

 

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ドイツ軍から「空飛ぶ黒死病」と呼ばれて恐れられた、イリューシュン2型爆撃機。「シュトルモビーク」と呼ばれることが多いが、これはロシア語で「襲撃機」の意味。ドイツ空軍のユンカースJU87型が「シュツーカ」(急降下爆撃機)と呼ばれてるように、イリューシュン2型が襲撃機として最も有名なのでそう呼ばれてるらしい。軍用機の中では世界史上で最も多く生産された航空機であり、36000機が生産されてる。ドイツ空軍のハルトマンが352機もソ連軍機を撃墜して、東部戦線のドイツ空軍には200機以上の撃墜王がたくさにいるのに、ドイツが勝てなかった理由がわかると思う。

 

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第二次世界大戦後期のソ連空軍主力戦闘機だったヤコブレフ9型(Yak-9)戦闘機。ヤコブレフ9型戦闘機は第二次大戦後期から使用されたが、展示されているYak-9p型戦闘機は戦後からソ連空軍と同盟国の空軍に配備されて、朝鮮戦争などでアメリカ軍戦闘機と対戦した。ソ連の同盟国だった東ヨーロッパでは1960年代まで使用された。

 

 

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イリューシュン10型攻撃機。このYak9-p型機と同じように、第二次世界大戦期よりも戦後にソ連と同盟国で使用されて、朝鮮戦争では北朝鮮軍と中国軍に配備された。第二次世界大戦よりも朝鮮戦争で活躍した攻撃機である。

 

ワルシャワ軍事博物館に展示されてるソ連製兵器は、あまりポーランド人には好かれてない。ナチスドイツによる支配は6年で終わったが、ソ連共産党の傀儡だったポーランド共産党支配はもっと長くて苦しいものだったから。

 

このようにワルシャワ軍事博物館に展示されてるソ連製の兵器を見てくると、ポーランド人の家族連れも訪れていたけど、実は言うとナチスドイツ軍の兵器よりもソ連製兵器の方がポーランド人には嫌われている。僕の他のブログ記事にも書いたが、ナチスドイツによる支配は1939年9月から1945年5月までで終わったが、ソ連共産党の傀儡だったポーランド共産党政府による支配は、戦後の1991年末のソ連崩壊まで続いたからである。

 

ただし、ポーランドは日本とドイツとは全く逆の歴史を歩み、兵隊と市民が勇敢にナチスドイツと共産党による恐怖の支配と戦って、ようやく1990年代に自由を手に入れた国なので、国民の愛国心が非常に強い。だから、軍事博物館に展示されている今では骨董品となった昔の兵器を、家族で見学して写真を撮ったりしているのである。