Deutschland-Lab

Deutschland-Lab

歴史や文化、スポーツなどドイツに関する情報まとめサイト

サッカーチームの選手が仲が良いのはいいことなのか?

フランス代表追放状態で落選続くベンゼマ……レアル・マドリードで新エースとなれるか | SPREAD

レアル・マドリーでプレイするスター選手のカリム・ベンゼマがいないロシアワールドカップのフランス代表。それでも優勝した

 

 

 

月曜日早朝に行われるW杯決勝戦では、メッシがアルバレスとのコンビでゴールを決めてアルゼンチンに優勝してもらいたい。まだW杯優勝がないメッシに最後に華やかな花道を。

 

 

カタールワールドカップの決勝がフランス対アルゼンチンの対決となった。モロッコクロアチアだったら、どちらが勝っても初優勝になるから面白かっただろうが、まあやはり強豪国は大会が進むとチームが仕上がってくるから、中堅国が強豪国に準々決勝以後に勝つのは難しいのだろう。僕としてはフランスの2大会連続優勝よりも、アルゼンチン代表であまり輝かなかったメッシが優勝して、華やかに代表引退をする方がいいと思う。

 

 

元フランス代表選手にはベンゼマという同じ代表選手を恐喝した疑いのあるスター選手がいる。ベンゼマはこのスキャンダルのせいであまり代表に呼ばれてないが、本人もあまり代表には興味がないらしい。

 

 

ところで、フランス人サッカー選手にはベンゼマというレアル・マドリーで大活躍をしているスター選手がいるが、彼は前回のワールドカップでも出場してないし、今回のワールドカップでも出場してない。ユーロ2020(大会が行われたのは2021年)ではベンゼマはフランス代表に呼ばれたが、今回のワールドカップではケガで呼ばれなかったようである。

 

しかし、その前のロシアワールドカップに呼ばれなかった理由は、なんと、同じフランス代表のヴァルブエナ選手を恐喝して金銭を巻き上げようとしたのであwる。ベンゼマは警察に逮捕されたがフランス代表のデシャン監督は事態を重く見て、ベンゼマを2021年に行われたユーロまでフランス代表に呼ばなかった。ベンゼマは最後には無罪が証明されたが自分を疑った監督とチームメイトを嫌って、代表ではプレイしたくないと言った。でも、ベンゼマ抜きでも2018年W杯で優勝できたフランスはすごいと思う。

 

 

1990年に東西ドイツが統一された時も、「西ドイツ代表だけでもW杯で優勝できる強さだったから、これに東ドイツ人が加わるから、しばらくはドイツが世界王者だろう」と言われたが、資本主義教育を受けた選手と共産主義教育を受けた選手が同じチームでプレイしたので、チームは空中分解してしまった。

 

 

ベンゼマのケースは恐らく稀な事件だろうが、「強いスポーツチームではあまり選手同士が仲が良くない」というのは、よく言われてることだ。1990年に東西ドイツが統一された後、西ドイツ代表の選手と東ドイツ代表の選手が合流して統一ドイツ代表チームが編成された。「西ドイツ代表だけでも1990年のイタリアワールドカップで優勝したのだから、これに東ドイツのザマー、キルステンなどのスター選手が加わるから、しばらくは統一ドイツ代表チームが世界サッカーをリードするだろう」というふうに、誰もが思った。

 

しかし、1992年のユーロは準優勝だったものの、1994年のW杯アメリカ大会では準々決勝で敗退、1996年のユーロは優勝したけど、1998年のW杯フランス大会はまた準々決勝で敗退、2000年ユーロでは初めてのグループステージで敗退と、むしろ西ドイツ代表時代よりも弱くなってしまった。

 

なんでこんなことになったのかというと、その原因はドイツ人はよくわかっていた。西ドイツ代表選手は資本主義国で資本主義教育を受けたが、東ドイツ代表選手は高校を卒業するまで共産主義の教育を受けて、「レーニンマルクスの理想を現実にしよう」という教育を受けたのだから、こんな違う教育を受けた人間同士が同じチームに入っても人間関係が上手くいくわけがなかった。

 

先に書いたザマー、キルステンなども東ドイツ王者のチームだったディナモ・ドレスデンから西ドイツの金持ちチームのボルシア・ドルトムントバイヤー・レバークーゼンなどに引き抜かれた。2000年代にドイツ代表のエース選手だったバラックも、東ドイツの貧乏チームから西ドイツの金持ちチームに引き抜かれた選手である。2010年頃までは東ドイツのクラブチームも2チームくらいがブンデス1部に残っていたが、今では旧東ドイツのチームでブンデス1部にいるのはウニオン・ベルリンだけである。

 

 

東西ドイツ統一チームが出来た頃について西ドイツ人だったトーンは「試合では一緒にプレイしたが、プライバートの付き合いはあまりなかったし会話も少なかった」と述べている。実は言うと日本代表の中にもたくさんの他人には言えない争いがあるだろうが、そういう暴露話はあまり聞きたくない。

 

 

東西ドイツ代表の選手が一緒にプレイを始めた頃の様子を西ドイツ人のトーンは、「ピッチ上ではサッカーの戦術についてよく話し合ったけど、プライベートではほとんど付き合いがなかった。ザマー、キルステンのように東ドイツ人でも実績のある選手は西ドイツ人の中に溶け込むのが早かったけど、そうはない東ドイツ人選手もけっこういて、練習と試合が終わって取材が終わるとすぐに帰ってしまう選手が多かった」と述べている。やはり、急に資本主義国の人と共産主義国の人が一緒にプレイするようになったので、試合では一緒にプレイをして勝っていたけど、プライベートではなかなか付き合いが上手くいかなかったのである。そして、2000年になる頃にはドイツ代表チームは空中分解状態になってしまった。

 

それで、今、日本代表にとってはワールドカップが終わった後で、色々とマスコミは取材をしていて「日本代表の全てを明らかにします」などというテレビ番組の企画もあるけど、やはり、日本代表で話してはいけないこともあると思う。それに、比較的によくTV番組に出てマスコミの取材に応じる選手とそうでない選手がいる。鎌田、久保、南野などはあまり取材に応じない。これは、やはり、ヨーロッパのクラブに所属する選手はクラブが保有権を持ってるので、クラブの許可がないと取材ができないのだろう。でも、あまり日本代表の醜い話までは聞きたくない気持ちはある。(苦笑)