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日本代表のサッカーW杯初戦の相手はドイツ

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このような死のグループに入った以上は、ドイツ、スペインというサッカー大国とワールドカップで真剣勝負が出来るのは幸運だと考えるべきである。

 

 

4月1日の深夜に行われたサッカーワールドカップの抽選で、サッカー日本代表はドイツ、スペイン、コスタリカニュージーランドの勝者とカタールサッカーワールドカップのグループリーグEで試合をすることが決まった。サッカーワールドカップは今回は

暑いカタールで行われるので、6月ではなくて11月と12月に行われる。まだ半年以上時間があるから何とか調整はできるだろうが、しかし、本当に厳しいグループに入ってしまった。グループリーグ突破はかなり難しくなってしまった。そう思ってる日本人のサッカーファンは多いだろう。でも、見方を変えれば強豪チームとワールドカップで真剣勝負ができて多くの経験をできるのでラッキーとも思える。

 

それで、僕は今までに何度もサッカードイツ代表について過去にこのはてなブログに書いたが、ドイツはかなり強い。それは日本人でサッカーにあまり詳しくない人たちも知ってるだろう。ヨーロッパのサッカー大国の中でも、ワールドカップで4回優勝、ユーロ(ヨーロッパ選手権)で3回優勝しているのはドイツ(1990年までは西ドイツ)だけである。ヨーロッパ最強のサッカー大国と言っていいだろう。1990年イタリア大会の時にドイツ(当時は西ドイツ)に準決勝で負けたイングランド代表キャプテンのリネカーは、「サッカーとは単純なスポーツだ。90分間22人の男がボールを追い、そして最後にはドイツが勝つ」という言葉を残してる。「将軍」と呼ばれたプラチニの率いるフランスも、1982年と1986年に2回西ドイツとワールドカップ準決勝で戦ったが、2回とも負けている。ドイツがグループリーグで敗退したのは前回のロシア大会の時だけである。

 

 

ドイツは1954年のW杯スイス大会で「ベルンの奇跡」があって優勝して以後、ワールドカップ4回ユーロ3回の優勝を誇るヨーロッパ最強のサッカー大国。これほど強い国に勝つのは簡単ではない。

 

しかも、ドイツが西ドイツ時代も含めて優勝をしたというのがとても感動的なのである。1回目の優勝は1954年のスイス大会で、この時の優勝は決勝戦が行われた場所の地名から「ベルンの奇跡」と呼ばれている。第二次大戦でヒトラーの下、多くの戦争犯罪を行って敗戦国になったドイツは1950年のW杯には、予選から参加できなかった。日本も同じく敗戦国なので参加できなかった。しかし、1954年のスイス大会に参加が許されるといきなり優勝した。ドイツ国民も「今回はドイツは参加するだけで十分だろう」と思っていたようなので、この優勝は「ベルンの奇跡」と呼ばれている。戦後、西ドイツの復興はこの時から始まったと言われており、ドイツ人なら誰でも知ってる出来事である。「ベルンの奇跡」については過去に記事に書いたことがある。

 

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その後のドイツのワールドカップでの優勝は、1974年の西ドイツ大会の時に自国大会を祝うかのようにベッケンバウアー、ゲルト・ミューラーなどの選手を中心に優勝した。この時は、「トータルフットボール」戦術のヨハン・クライフが率いるオランダに決勝で勝った。この時も西ドイツのベッケンバウアーは「強いチームが勝つのではなくて、勝ったチームが強いのだ」という言葉を残している。3回目の西ドイツの優勝は1990年のイタリア大会の時で、1989年11月にベルリンの壁が崩れて1990年の10月にドイツが再統一されることが決まっていたが、それを祝うかのように決勝でマラドーナの率いるアルゼンチンに勝った。4回目は記憶してる人も多いだろうが、2014年のブラジル大会の時で、準決勝では開催国ブラジルのプライドをズタズタに破壊するように7-1で大勝している。

 

 

ドイツ代表選手は平均身長が10センチ近く日本代表選手よりも高いので、当然、空中戦でヘディングゴールを狙ってくるだろう。日本代表は高さ対策をしないといけない。

 

 

西ドイツ時代も含めてこれほど歴史的に強いドイツなので、ドイツに勝つのはかなり難しい。それに、ドイツのような選手の平均身長が180センチ以上という大柄なチームと戦う時には日本には致命的な弱点がある。空中戦に弱いことである。日本はドイツに対して平均身長で5センチ以上低いので、コーナーキックフリーキックのセットプレイの時にハイボールを上げられてヘディングで合わされたら日本には止める手段がない。日本のディフェンダーでドイツの大柄な選手と競ることが出来るのは吉田くらいしかいないから、空中戦では圧倒的に不利である。ドイツは当然ながら、日本との試合ではゴール前でハイボールを多用してくるだろう。2006年5月にワールドカップドイツ大会の直前に日本がドイツと親善試合をした時も、高原の2ゴールでリードしながら、最後はやはりセットプレイからクローゼとシュヴァインシュタイガーにヘディングで決められて引き分けに終わった。ドイツとの試合では空中戦が大きな課題であるが、ドイツが絶対的な自信を持ってるヘディング攻撃を止めるのは簡単ではないだろう。

 

 

しかし、2011年にドイツで開かれた女子ワールドカップなでしこジャパンはドイツ女子代表に1-0で勝っているので、日本男子代表にもチャンスはあると思う。

 

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しかしながら、日本にはちょっと希望もある。それは、サッカー日本代表の男子ではないが女子の「なでしこジャパン」は、2011年6月にドイツで開催された女子ワールドカップで、ドイツ女子代表に延長戦で1-0で勝っている。この時も試合前には、「ドイツ女子代表は世界ランク1位をアメリカ女子代表と争っているレベルなので、日本が勝つのはまず無理だろう」と言われていた。日本の報道でもドイツ女子の方が有利という記事が多かった。でも、結果は澤から丸山へのパスが通って丸山が延長後半に決勝ゴールを決めて、なでしこジャパンが勝った。

 

上の写真は僕が2016年5月に、ドルトムントにあるドイツサッカー博物館で撮影したもの。ドイツサッカー博物館に展示されている日本人選手の写真は、この丸山の決勝ゴールの写真だけである。中田ヒデ、中村俊輔、香川、本田、内田といった他の日本人スター選手の写真は誰も展示されてない。

 

だから、2011年の女子ワールドカップドイツ大会で日本女子代表がドイツ女子代表に勝った時のように、まさかの奇跡がカタールワールドカップでも起こるかもしれない。試合はやってみなければわからない。