Deutschland-Lab

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なぜ僕はナチスドイツに詳しいのにナチスを批判する記事を書かないのか?

ナチ党の起源 — German in Tokyo

僕がナチスドイツに詳しいのに批判する記事を書かないのは、日本はナチスドイツ軍の勝利を頼りにして第二次大戦に参戦したのに、ドイツを批判する記事を書いたのではブーメランになって日本に返ってくるから。ドイツ人と話す時もナチスドイツの悪口は言わない。

 

 

僕はドイツ語が一般会話+αくらい喋れてドイツに1年ほどいたことがあって、ムンスター戦車博物館、キールにある海軍記念館、ベルヒテスガーデンにあるヒトラーの山荘跡地などのナチスドイツ軍関連の場所をたくさん訪れたが、最近はナチスドイツ関連の記事はあまり書いていない。

 

僕はナチスドイツがホロコーストなどの犯罪行為を行ったことをよく知っているが、それらを批判する記事をたくさん書けば、ひょっとしたら多くの読者を得ることができるかもしれない。でも、僕がそういう記事を書かない理由は一言で言えば、第二次大戦の時に日本政府はナチスドイツ軍の快進撃に刺激されて、「ヨーロッパでナチスドイツ軍が勝つのはほぼ間違いないから、アメリカイギリスと開戦しても、ドイツと同盟していれば日露戦争の時のように辛勝を収めることができる」という結論が近衛内閣の時の閣議で出たから、米英と開戦したのである。ナチスドイツの勝利を信じて第二次大戦に参戦したのに、ナチスドイツの批判をすれば、全部日本にブーメランになって返ってきてしまう。

 

僕はドイツ語学習のためにシュツットガルト近郊に住むH家にホームステイした時も、「僕はドイツ人の悲劇に大いに同情しています。ナチス政権についてドイツの悪口は絶対に言いません。というか、日本人はドイツの悪口は言えないのです。同じ歴史を歩みましたから」と言って、H家の人たちから歓迎されたし、近所に住むドイツ人たち、特に元ドイツ兵のおじいさんたちと仲良く付き合うことができた。逆にナチスドイツを讃えることを書けるかというと、それを書くとどこのブログからもネオナチと見なされてBANになるだろうから、書かないのである。

 

このブログを書き始めた頃に僕はこんな記事を書いた。

 

deutschland-lab.hatenablog.com

「ナチスドイツはヨーロッパを破壊したが、大日本帝国はアジア解放のために戦った」という記事も絶対に書かない。これは事実と違うからで、こういうことを書いてもネトウヨの読者がブログをフォローするだけだ

 

 

「日本はすごくいい国で、一方でドイツを始めとするヨーロッパは全くダメな国」ということを書けば、ネトウヨなどの人々は喜んで僕のブログを読むだろうが、それは事実とは違うので書きたくない。これは逆も全く同じこと。

 

「負けるはずがなかった大東亜戦争」のようなドンデモ本は売れるが、第二次大戦の歴史を正しく詳しく描いた戦記本はあまり売れない。

 

このブログ記事の中で、僕は上に書いてるようなことを見出しに書いた。だから、ナチスドイツはヨーロッパを破壊して悪いことをしたが、大日本帝国は欧米に支配されていたアジアを解放するために戦ったなどという事実と違うことは僕は絶対に書かないのである。そんなことを書いても変なネトウヨの読者のフォロワーが増えるだけで、歴史を冷静に研究している僕としてはありがたくも何ともない。

 

僕はドイツ軍の戦記を書いてる方々と実際にオフ会などで会って交流もしたことがあるが、そういう人たちはネトウヨが好むようなトンデモ本を嫌っていて、コツコツと地道に歴史の事実を書いている。僕はそういう方々と同じようなスタンスだから、ナチスドイツを厳しく批判したり、讃えたりするような記事は書かないのである。