- 2005年7月にドイツのシュツットガルト近郊に住むドイツ人友達の家に滞在した時に、日本のスポーツである柔道はドイツではどのように行われているのかと思って、当地にある柔道クラブを訪れて練習にもちょっと参加をした。
- 僕は10代20代の若者で構成されたユースチームの乱取りに参加したのだが、柔道をするのは高校生以来であり、しかも当時36歳だった僕は日頃スポーツをしていなかったから体力が低下していて、乱取りでも上手く相手を投げることが出来なかった。(苦笑)
- コーチは「日本での柔道の人気はどうなんだ?」と質問してきたが、「柔道はアマチュアスポーツでお金が稼げないから、日本の子供はサッカー、野球のプロ選手になって大金を稼ぐことを夢見ている」と僕が答えると、「柔道であまりお金が稼げないのは、ドイツでも同じだよ」とコーチは肩をすくめて言った。
2005年7月にドイツのシュツットガルト近郊に住むドイツ人友達の家に滞在した時に、日本のスポーツである柔道はドイツではどのように行われているのかと思って、当地にある柔道クラブを訪れて練習にもちょっと参加をした。
今はパリオリンピックの柔道競技で日本人選手の快進撃が続いていて日本国内も大いに盛り上がっているが、柔道の競技人口はフランスは日本の約4倍と、なぜかヨーロッパの方が柔道は人気があるようだ。
僕は2005年7月に、1999年春にかつてドイツ語勉強のためにホームステイをしたH家を再び訪問をして約1か月滞在をした時に、H家が住むシュツットガルト西北にあるファイヒンゲン市内にある柔道教室を訪れて、ドイツでは柔道はどのように行われているのかを確かめてみようと思った。
ドイツでは学校企業の部活というのはなくて、スポーツは地域密着のスポーツクラブで行われるので、ファイヒンゲンの柔道教室も柔道コーチのライセンスを持つドイツ人の会社員が、仕事が終わった後に指導していた。上の写真は東京五輪に出場したドイツ人選手だが、ファイヒンゲンの柔道教室でコーチをしていたのはこんなに強そうな人ではなくて、どこにもいそうな30代の男性だった。彼に挨拶をすると、「君はユースチームの乱取りに参加してもらうから、まず始めはジュニアチームから始めるからちょっと待っていてくれ」と言われた。
そこでジュニアチームの子供たちの練習を見ていた面白かったのは、肌が真っ白な双子の金髪のかわいい女の子がいたのだが、その日は午後6時でも気温が30度近くあったから、柔道教室の畳の上のランニングなどのウォームアップ練習を始めて20分くらい経つと、2人とも白い肌の顔がまるでゆでだこみたいに見事に真っ赤に変わったのだった。僕はそれを見て笑いをこらえるのに必死だった。周りの人は「いつもみたいに真っ赤になったね。今日は暑いからね」ということ2人に言っていた。(笑)
その後、中学生、高校生が所属するユースチームの乱取りも始まったのだが、男子は5人以上いたが、女子は1人しかいなかったのでコーチは「誰かあの女の子と乱取り稽古をしてやれよ」と指示したが、男子は「ダンスじゃなくて柔道をしにきたんだ」と言って笑って言って、女の子は「なによ、あんた女が怖いの?女に負けるのが怖いの?」などと笑って言い返していた。でも、結局、男子は女子と乱取りの稽古をしたのだった。向こうの女性は男子と柔道のような体が接触する稽古もあまり気にしないようだった。
僕は10代20代の若者で構成されたユースチームの乱取りに参加したのだが、柔道をするのは高校生以来であり、しかも当時36歳だった僕は日頃スポーツをしていなかったから体力が低下していて、乱取りでも上手く相手を投げることが出来なかった。(苦笑)
それで、僕も主に高校生で構成されたユースチームの乱取り稽古に参加をしたのだが、実はいうと柔道は日本の男子高校生は必須でやらないといけないから、高校1年2年の時に柔道の技のかけ方とかルールとかは習ったのだが、18年以上のブランクがあっって、当時は36歳で体力も下り坂だったから、全く上手くいかなかった。僕が背負い投げなどの技をかけると、相手のドイツ人の若者は親切にもあまり抵抗せずに投げられてくれたのだが、体力が低下していたので腰に乗せて投げるつもりが僕が腰砕けになってしまったのだった。「おかしいな、うまくいかないな」ということをドイツ語で言うと、[Trotzdem macht es Spass, no?](でも、楽しいだろ?」と若者は言ってくれた。僕は頷いた。
それで、乱取り稽古が終わった後にコーチが僕の横に座に座って、「どうした?全然だったじゃないか?」と言われてダメ出しをされたが、柔道をするのは高校生以来でもう36歳で最近あまり運動をしてないと答えたらコーチは納得した。
コーチは「日本での柔道の人気はどうなんだ?」と質問してきたが、「柔道はアマチュアスポーツでお金が稼げないから、日本の子供はサッカー、野球のプロ選手になって大金を稼ぐことを夢見ている」と僕が答えると、「柔道であまりお金が稼げないのは、ドイツでも同じだよ」とコーチは肩をすくめて言った。
彼はさらに、「日本での柔道はどうなんだ?ドイツ、フランスとかヨーロッパでは柔道はまあまあ人気があるけれど」と彼が質問すると、「日本では柔道はあまり人気がない。来年にドイツでサッカーワールドカップがあるけれど、日本の子供たち若者たちもサッカー、野球、バスケットボールのようなプロリーグがあるスポーツをやって、プロ選手スポーツ選手になって、イングランドのベッカム、ドイツのカーンみたいなプロ選手になって大金を稼ぎたいと思っている。サッカー、野球に比べると柔道は基本的にアマチュア競技だから、大金が稼げないんだよ。だから、柔道はあまり人気がない」と言って、僕は日本柔道の現状を説明した。「大金が稼げないから柔道をやりたい人が少ないというのは、ここドイツでも同じだね」と、コーチは両手を広げて肩をすくめて言った。
最後に僕は「一本、技あり、有効、効果、指導、注意」などの柔道用語を漢字でメモ帳に書いて、彼らに渡したのだった。彼らは初めて見たようで珍しがって感心していた。