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ドイツで日本とは違う習慣で気をつけること

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シュツットガルト近郊に住むH家にホームステイをした時に、「あなたは、なんで人と会話をする時に目を見ないのか?私たちのことを受け入れてないから、会話の時に目を見ないのではないか?」と注意をされた。

 

日本とドイツでは、当然ながら習慣が違うことがたくさんある。よくわかりやすいのは、ドイツ人を含む西洋には日本のような頭を下げる「お辞儀」というマナーはなくて、初めて人に会った時の挨拶は握手をするかハグをして頬にキスをするのであり、別れる時も同じである。僕も1999年春に3か月間ドイツ人家庭にホームステイをした時に、多くの習慣の違いを知って驚いたものだった。写真上は僕がホームステイをしていたH家が住んでいた、シュツットガルトの西北にあるファイヒンゲン・アン・デア・エンツ(エンツ河畔のファイヒンゲン町という意味)の中央広場の様子。ここは人口10万人ほどの市だが、ICE(日本の新幹線のような高速特急)も止まる駅がある。

 

まず、日本人は「恥の文化」でありシャイな人が多いので、会話をする時に相手の目を見て話すことは少ないが、西洋の白人社会では会話をしている時には、相手の目をずーっと見て会話をするのが礼儀正しいことである。1対1で会話をしている時には必ず相手の目をずーっと見て会話をしないといけない。

 

具体的な例として、H家で夕食を食べている時に日本の歴史について僕がH家の家族に教えていたことがあった。すると、50歳のH夫人が身を乗り出して、「それは、とても興味深いですね。それで、それについて質問がありますが、」と微笑んで話しかけてきたけど、僕はちょっと視線を外してフォークで食べ物を口に運んで、それからH夫人をまた見るとH夫人は鬼のように怒った顔をしていた。「何か気に障ることをしたのかな?」と不思議に思ったけど、そのまま会話を続けた。

 

その後、ホームステイをしてから約1か月後にHさんと夫人から、「Gさん(僕のこと)、あなたはとても素晴らしいホームステイのゲストだが、まだ私たちの家族に溶け込んでいない。それは、日本人がシャイな人たちということは聞いたことはあるが、我々と会話をしている時に視線をよく外すから、まだ私たちのことを受け入れていないと思うんだ」と、ちょっと残念そうな顔をして言われたのだった。そこで僕は、日本人が会話をしてる時に視線をよく外すのは日本人同士では当然なこと。日本人同士が会話をしていて、相手の目をずーっと見るというのは、相手がとても好きか嫌いかという特別な感情を抱いてる時だけ、というふうに教えた。するとH夫妻は[Ach, so!](「ああ、そうなのか!」という意味。このドイツ語は偶然にも日本語と全く同じ意味である)と言って、びっくりしたのだった。

 

 

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シュツットガルトにあるドイツ語学校の最後の授業の日に、アメリカ人とロシア人の若い女性は僕にハグをして、頬にキスをして別れを惜しんだ。2人の目には涙も浮かんでいて、「あなたのようなインテリ紳士の日本人と別れるのはつらい」と言った。

 

 

次は、日本人が恐らく苦手であろうハグについてだが、ドイツ人のような西洋人は長く別れることが予想される人にはハグをして別れを惜しむのがマナーである。僕がH家にホームステイをしながらドイツ語を勉強した時には、ホームステイをしただけではなくて、シュツットガルト市内にあるアングロ・ジャーマン・インスティチュートという語学学校にも昼間は通っていた。それで、そこの学校には10週間通ったのだが、最後の授業の日には、当然ながら中年女性のR先生とクラスメイトとの別れがあった。R先生とは握手をして別れたのだが、30代のアメリカ人女性と20代のロシア人女性は僕の腰に片手を回してハグをして、そして僕の頬にキスをした。2人とも目には涙が浮かんでいた。そして、「月曜日(最後の授業の日は週末の金曜日だった)にここに来ても、T(僕のこと)はもういないのね。Tのようなインテリ紳士の日本人にもう会えないのは、とても残念だわ」ということを2人とも言って別れを惜しんだ。ロシア人女性は白人ではなくて韓国の血をひいていたので、東洋人の顔立ちだった。これは、別に2人が特別に僕に気があったわけではなくて、モラルのある西洋人なら誰でもすることだ。一方で、20代の中国人女性と30代の日本人女性は寂しい笑みを浮かべていた。これは、別に中国人と日本人が冷たいわけではなくて、東洋人には別れにハグをするという習慣がないのだから、仕方がないだろう。

 

ドイツ人のハグについては、僕はドイツでも多くの思い出がある。2015年にドイツのシュツットガルト駅付近の小さなホテルに泊まった時のことだった。ホテルの小さなレストランで食事をしていると、老夫婦と30代の若い夫婦が近くで会話をしながら食事をしていた。それで、4人は食事が終わるとお互いにハグをして頬にキスをして別れを惜しんだ。その様子を僕は見ていたのだが、30代の美人妻は東洋人の僕の顔をちょっと不思議そうな顔をして見ていた。恐らく、「東洋人はハグとキスなどのスキンシップを嫌がるけど、どうしてなんだろう?」とちょっと疑問に思っていたのだろう。(苦笑)

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デュッセルドルフで5月末に行われる日本祭では、「フリーハグ」のシールドを掲げてる若い女性がたくさんいたので、ここでたくさんのドイツ人女性とハグをしてスキンシップに慣れるようにした。

 

 

それでは、僕はドイツで全くハグもせずにドイツ人に溶け込まずに生活をしていたのかというと、そういうわけではない。上の写真は毎年5月末にデュッセルドルフで行われる[Japan Tag](日本祭)の様子だが、2015年と2016年に僕は2度ここに行ったことがある。それで、この日には[Free Hugs](フリー ハグ)というシールドを掲げている特に若者が多くいるので、ここで50人ほどの若いドイツ人女性とハグをした。みんな全く嫌な顔などはせずに、「日本祭で日本人の男とハグができた!チョー嬉しい!」ということを言って喜んでいた。とても信じられなかった光景は、3歳ほどの幼児が「フリーハグ」というシールドを掲げて1人でいたことだった。両親は近くに見当たらなかった。周りのドイツ人は「なんて、かわいい!」と言って、その幼児とハグをしていたが、「両親はどこにいるのだろうか?子供が心配ではないのか?」と、僕はとても不思議に思った。

 

ここに書いたように、話す時に目を見ることと、スキンシップがあるということは、白人が多い西洋国家では日本人が必ず経験する習慣の違いであろう。