Deutschland-Lab

Deutschland-Lab

歴史や文化、スポーツなどドイツに関する情報まとめサイト

ドイツ記事まとめ(7)映画「遠すぎた橋」の舞台を訪問

 

今日も1年以上前に書いた僕の[Deutschland-Lab](ドイツ研究所みたいな意味)ブログから、1年以上前に書いたブログ記事を再びアップして紹介します。何度も書いてますが、最近に僕のブログの読者になった方々の中には1年以上前のブログ記事を読んだことのない人がいると思いますので。

 

 

この記事では有名な戦争映画「遠すぎた橋」の舞台となった、オランダのアルンヘムとナイメーヘンを訪問した時の様子をまとめて紹介する。

 

 

この下のブログに、映画「遠すぎた橋」で有名なマーケットガーデン作戦が1944年9月に行われたオランダのアルンヘムとナイメーヘンを訪れた時の様子を、まとめて一つの記事に書いた。第二次大戦に興味のある人、それから映画が好きで「遠すぎた橋」を見たことのある人は是非このブログ記事を読んでほしい。

 

写真上は映画「遠すぎた橋」の題名にもなってる、連合軍の最後の目標だったオランダのアルンヘム橋。この映画で描かれてるマーケットガーデン作戦の最後の目標は、このライン川にかかるアルンヘム橋を渡河して、その先にあるドイツ工業の心臓部であるルール工業地帯へと進撃することだった。しかし、ドイツ軍は精鋭の親衛隊機甲師団までをこの戦いに投入して、アルンヘム橋を守り切った。明らかにドイツ軍の勝利だった。

 

しかし、作戦を立案したイギリス軍司令官のモントゴメリー大将はアルンヘム橋から3マイルの地点まで進撃したので、「作戦は90%成功だった」と強気な発言をした。映画にモントゴメリー大将は出てこないが、モントゴメリー大将と共に作戦を立案して強引に実行させたブラウニング中将(ダーク・ボガード)がラストに近いシーンで現れる。そして、アルンヘムで1週間孤軍奮闘して脱出してきたイギリス第1空挺師団長のアーカート少将に、[We've just tried to go a bridge too far)「我々は遠すぎた橋に行こうとしたようだ」と語る。このセリフからコーネリアス・ライアンが書いた原作は、[A Bridge Too Far]「遠すぎた橋」と名付けられた。

 

deutschland-lab.hatenablog.com

 

実は言うと少女時代のオードリー・ヘップバーンが連合軍とドイツ軍の激戦があって破壊されたアルンヘム市に住んでいて、レジスタンス活動をしていたことは洋画マニアではけっこう有名な話である。

 

 

映画ファンにとってはとても興味深いことは、このブログにはイギリス第1空挺師団が司令部にした当時のハルテンシュタインホテルが、今では空挺部隊博物館となって一般に公開されてることを書いた。下の写真は空挺博物館の中の蝋人形の展示を写したもので、真ん中に10歳くらいの少女の人形があるが、実は言うと有名な女優のオードリー・ヘプバーンが、この作戦が行われた当時アルンヘムに住んでおり、彼女は年齢は14歳でオランダのレジスタンス組織に所属していた。だから、そのオードリーを意識した少女の人形かもしれない。オードリーは英第1空挺師団によって一時的にアルンヘムがナチスドイツの支配から解放された時に、兵士からもらった煙草を一服吸い、その時の快感が忘れられずにチェインスモーカーになったという。

 

 

 

もう一つ過去のブログ記事を紹介するが、僕が戦争映画とドイツ軍が好きになったのは映画「史上最大の作戦」を見たから。この映画は連合軍を善玉、ドイツ軍を悪役という描き方をしていないのが良い。

 

 

それから、おまけのような感じでもう1つ過去の記事を紹介するが、僕が戦争映画とドイツ軍が好きになった理由は、小学校4年生の時に映画「史上最大の作戦」を見たからだった。

 

deutschland-lab.hatenablog.com

有名な映画評論家の増淵健氏も、
「今までにこの映画を越える戦争映画は作られたことはないし、これからも永遠に作られることはないだろう」
と映画雑誌に評論を書いて絶賛している。

 

この「史上最大の作戦」の良い所はハリウッド映画によくありがちな連合軍を善玉として描き、ドイツ軍を悪役として描いていない点である。この映画以外には善玉悪役として描いてないハリウッドが製作した戦争映画は、「トラトラトラ!」「空軍大戦略」「戦争のはらわた」などごく少数の作品しかない。「プラベート・ライアン」のようにアメリカ兵が英雄で武装SSの兵士が悪役という映画は見ていても、「またか」ぐらいにしか思えないので全く感情移入ができない。

 

だいたいこの映画には明らかに大きな戦史の間違いがあり、アメリカ軍はノルマンディ戦線では武装SSの機甲部隊とは戦っていないのである。武装SS機甲部隊はイギリス連邦軍とノルマンディでは戦っている。だから、ラストのミラー大尉の米軍とドイツ武装SS機甲部隊が戦うシーンは明らかに間違いなのだ。「プラベート・ライアン」を監督したスピルバーグ監督には、「史上最大の作戦」を監督した4人の映画監督の爪の垢を飲ませたいと思う。まあ、スピルバーグはドイツ系ユダヤアメリカ人だから、どうしても武装SSを悪役として登場させたかったのだろう。(苦笑)