- イスラム教の国カタールではLGBTに厳しくて特に同性愛は違法なので、FIFAは「ワールドカップ期間中はLGBTを表す腕章などはつけないように」と通達を出した。それに対してドイツ代表は抗議をするポーズを試合前にした。
- しかしドイツ国内では、「試合前に政治パフォーマンスなんかして油断してるから格下の日本に負けた」という反論が出てる。僕も大事な試合直前に政治パフォーマンスをするのはおかしいと思う。
- 23日のドイツ代表は、明らかに戦術の失敗があってあまり怖くなかった。昔の日本シリーズの近鉄の投手流に言うと「今日のドイツは怖くなかったですよ。アジア予選の時の方が怖かったです」という感じだった。
- 今のドイツ代表には、クローゼのような決定力のあるFWが不足してる。原因はブンデスリーガのチームは、外国人FWがゴールを決めてばかりいるからである。
昨日に続いて今日も日本が強豪ドイツに勝った歴史的な勝利について記事を書こうと思います。
イスラム教の国カタールではLGBTに厳しくて特に同性愛は違法なので、FIFAは「ワールドカップ期間中はLGBTを表す腕章などはつけないように」と通達を出した。それに対してドイツ代表は抗議をするポーズを試合前にした。
まず、上の写真だけどサッカードイツ代表は、試合の前の集合写真でみんなで手を覆って抗議をした。これは何に抗議をしたのかというとLGBT(同性愛など)の議論はカタールではしないようにとFIFAが通達を出して圧力をかけたので、それに対する抗議をしたのである。
今回のワールドカップではLGBTの議論が出来ない、LGBTの人はサッカースタジアムに入れないという規則があり、理由は同性愛はイスラム教の国のカタールでは違法だからである。だから、LGBTの人たちの解放を目指すシンボルマークである虹色の腕章をつけていると、スタジアムの入り口でカタールの警官に止められて入場禁止になってしまう。FIFAも開催国のカタール政府とはもめごとを起こしたくないということで、カタールワールドカップ期間中はカタール国内ではLGBTの話は出さないようにと通達を出した。それに対して、サッカードイツ代表は集合写真を撮る際に口を手で覆って、「カタールワールドカップでは言論の自由がない」と抗議のポーズをした。
しかしドイツ国内では、「試合前に政治パフォーマンスなんかして油断してるから格下の日本に負けた」という反論が出てる。僕も大事な試合直前に政治パフォーマンスをするのはおかしいと思う。
しかし、これが日本とのサッカーの試合に負けたことによってドイツ国内では議論になってる。「日本はそんな政治的なパフォーマンスはせずに試合に集中していたのに、ドイツは『日本には簡単に勝てるだろうから、政治パフォーマンスをしても大丈夫』という心の油断があったから、日本に試合で負けた」と言ってドイツの試合前の政治的パフォーマンスに異論を唱える人が出てきた。僕も試合前にサッカー強豪国という心の余裕を見せてしまったドイツの政治パフォーマンスには、違和感を覚える。LGBTの自由とかの議論をしたければ、記者会見の時などにすればよかった。試合前で両チームの選手たちの心が緊張してピリピリしている時に、そんなパフォーマンスをするべきではなかった。対戦する日本代表からすると「ドイツは強くて余裕があるからといって、あんなパフォーマンスをしている」と思って、むかついたし闘争心に火がついただろう。
23日のドイツ代表は、明らかに戦術の失敗があってあまり怖くなかった。昔の日本シリーズの近鉄の投手流に言うと「今日のドイツは怖くなかったですよ。アジア予選の時の方が怖かったです」という感じだった。
日本対ドイツの試合の戦術などに目をむければ、23日のドイツはあまり怖くなかった。1989年日本シリーズの近鉄投手の加藤哲みたいに言えば、「今日のドイツはあまり怖くなかったですよ。アジア予選の時のアジアのチームの方が、よっぽど怖かったですよ」ということになる。ドイツが怖くなかったというのは、ドイツは日本よりも平均身長が6センチも高いのだから、ゴール前にハイボールかセンタリングを高く上げてヘディングされるのがドイツの一番怖い攻撃だった。あるいはドイツは足が長くてフィジカルが強い選手が多いのだから、ペナルティエリア付近のバイタルエリアからミドルシュートをどんどんと打たれるのも怖かった。しかし、23日のドイツはこういう攻撃をほとんどせずに、日本にお付き合いをするようにグラウンダーのパスをつないで、ペナルティエリア内に入ってからシュートを打つ攻撃が多かった。こういうドイツの攻撃はあまり怖くない。だから、23日のドイツはそんなに怖くなかった。ドイツらしいフィジカルの強さを活かす攻撃があまり出なかった。
今のドイツ代表には、クローゼのような決定力のあるFWが不足してる。原因はブンデスリーガのチームは、外国人FWがゴールを決めてばかりいるからである。
ドイツ代表が2014年のブラジルワールドカップで優勝して以来、低迷しつつある一つの原因に、ブンデスリーガはバイエルン1強時代が続いていてバイエルンが11年間連続で優勝しており、バイエルンにいるGKノイアー、代表の司令塔である背番号10番のニャブリ、ミュラーという選手たちはけっこう楽勝の試合ばかりをブンデスリーガで戦っていることが挙げられる。また、かつてのクローゼ、ポドルスキーのような決定力のあるFWがいないこともドイツ低迷の原因である。バイエルンでは長年、ポーランド人のレヴァンドフスキ、ドルトムントではハーラン、オバメヤンといった外国人FWがエースストライカーなので、ドイツ人FWが育たないのである。これは、ブラジル人などの外国人FWの決定力に頼っている日本のJリーグチームと全く同じ状況である。
とにかく、今のFWが不足している状況のドイツ代表はあまり強くない。日本に負けたのも仕方がないとしかいえない。もう一度、ワールドカップブラジル大会で優勝した時のような、圧倒的に強いドイツ代表を見たいものである。