Deutschland-Lab

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日本人全員の中にあった「勝利病」・サッカーワールドカップ

 

 

 

ドイツに勝ったことで多くの日本人が「勝利病」にかかっていたようだ。これは第二次大戦のミッドウェー海戦前の日本軍と同じようなもので、「死のグループ」での厳しい戦いということを忘れていたようだ。

 

 

サッカーカタールW杯で日本がコスタリカに負けましたが、これは他の日本人の方々もわかってると思いますが、ドイツに勝ったことで日本人全員が「勝利病」にかかっていたのが原因でしょうね。「優勝4回のドイツに勝ったのだから、スペインに0-7で負けて戦意がガタ落ちのコスタリカにはまさか負けるわけはないだろう」という気持ちの緩みが日本の代表選手にはあったし、日本国民の中にもあったと思います。

 

これは、わかりやすく第二次大戦で例えるならば、ミッドウェー海戦ガダルカナル島の戦いの前の日本陸海軍と同じであり、昭和17年8月ころまでは、昭和16年12月8日の真珠湾攻撃が大成功して以来、連戦連勝だから米英軍は大して強くないと敵を侮っていたのと全く同じである。ところが、米英軍は初めから日本軍の補給線が伸びたところを叩くつもりであり、第二次大戦についていえば日本が勝てる可能性は全くなかったのである。

 

サッカーワールドカップカタール大会の組み合わせ抽選で、日本がドイツ、コスタリカ、スペインと試合をするということが決まった時も、「コスタリカに1勝くらいはするかもしれないが、ドイツとスペインには勝てないだろう。いずれにせよ、3試合とも気を抜かないで全力で戦わないとグループリーグ突破はないだろう」ということは、日本代表の選手も、日本国民もよくわかっていたはずである。それが、ドイツにまさかの奇跡の勝利を収めたことで、コスタリカ戦では選手も日本国民もかなり気が緩んでしまった。これが恐ろしい「勝利病」である。

 

 

ワールドカップロシア大会でもベルギー相手に途中まで勝っていたが、ロスタイムに逆転負けをしてしまった。これも「勝利病」の一つだった。

 

 

思い起こせば、日本がベルギーに負けたワールドカップロシア大会でも、後半20分までは2-0で世界トップ5に入るベルギーに勝っていた。それが、ロスタイムで3-2と逆転負けをしてしまった。日本代表の西野監督も「格上のベルギーに2-0でリードするという展開は予想してなかったので、なんとなくそのままプレイしてしまった」と証言している。これもやはり「勝利病」からくる油断であって、要するに恐らくサッカー日本代表はまだ国際舞台での重要な経験が足りないのだろう。

 

日本代表が国際舞台での経験が少ないということについては、2006年ドイツワールドカップで日本がクロアチアと0-0で引き分けた時に、絶好のシュートチャンスを外した柳沢が「急にボールが来たのでアウトに打ってしまった」と、ちょっとプロ選手としてはありえないような言い訳をしていた。これについては僕のドイツ人友達が、「日本代表はまだ国際舞台での経験が少ないからそんなことになるんだ。もっと日本選手は外国の代表チームと対戦をして、外国のリーグでプレイをして貴重な経験を積まないといけない」とアドバイスしていた。

 

 

ドイツ人の友達は「日本は国際舞台でもっと重要な試合をプレイして、多くの貴重な体験を積まないといけない」とアドバイスしてくれたが、日本人がいつも優勝争いをしているようなヨーロッパのビッグクラブに入るのはかなり難しいこと。

 

 

でも、今回はワールドカップだったからドイツとスペインという世界屈指の強豪チームが日本と対戦したけど、親善試合で世界の強豪チームはなかなか日本とは対戦してくれないし、日本人の選手がドイツ、イングランド、スペイン、イタリア、フランスなどのトップリーグで優勝争いをするビッグクラブでプレイをするのはかなり難しい。何人かの日本人はまあまあ強いクラブでプレイしているが、ドルトムントで主力としてプレイして優勝に貢献した香川、レスターで主力の1人として優勝に貢献した岡崎以来、あまり日本人がヨーロッパのリーグで優勝争いに絡んだことはない。多くの日本人選手はヨーロッパのリーグでも下位に沈むクラブでプレイをしている。

 

とにかく、日本代表が本当に強いと海外からも評価されるようになるには、日本代表選手がバイエルン・ミュンヘンレアル・マドリーパリ・サンジェルマンなどのビッグクラブでプレイするようにならないといけないので、そうなるまでにはまだけっこう時間がかかるだろう。