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かつては上野駅のメインだった13番線~17番線ホーム

 

若い人たちは知らないだろうが、今はほとんど使われていない上野駅の13番線~17番線ホームというのが、上野駅が建てられた本当の目的だった。これらのホームは東北、上信越方面への長距離列車のターミナルホームだった。

 

 

上野2枚の写真を見てもらいたい。まだJRが国鉄だった昭和時代に上野駅の13番線~17番線に停まる、青森行きの寝台特急「ゆうづる」と特急「はつかり」。恐らく40歳以上の人で平成初期までに上野駅に行ったことのある人なら覚えているだろうが、上野駅は元はというと東北、北陸、信越地方への長距離列車のターミナル駅として建設されており、今は廃墟状態になっている13番線~17番線の頭端式(行き止まり式)ホームが上野駅のメインだった。

 

僕の両親は2人とも東北の宮城県出身で、父は東北大学を卒業して全国に支店がある大手銀行に勤務していたので、僕が小学校を卒業するまでに家族は東京、名古屋、大阪という大都市に住んだ。家族で東京に住んでいた時に、僕はまだ小学校2年生だったが兄と2人だけで盛岡行きの長距離急行電車に乗って、頭端式ホームから宮城県にある父の実家まで旅行したことがある。

 

初めて両親の実家がある宮城県に行った時は家族は名古屋に住んでおり、名古屋から新幹線で東京に着いたら、その時は地震があったので上野発の電車が全て止まっており、やっと午前0時頃に仙台行きの特急「ひばり」が上野駅から発車して、母の実家がある仙台に着いたのは午前5時頃だったという思いでもある。

 

ところが、今は上野駅の13~17番線ホームはほとんど使われておらず、僕が撮影してきた下の動画のようになってしまっている。

 

youtu.be

今は新幹線があり上野東京ラインの電車も走っていて上野発着の長距離列車はなくなってしまったが、両親が東北の宮城県出身の僕の家族は上野駅には多くの思い出があり、上野駅の13番線~17番線が廃れてしまったのは本当に寂しいと思う。これは、他の東北人も同じだろう。

 

 

どうやら、朝と夕方のラッシュ時だけ宇都宮線と高崎線のホームが混雑するので、上野発着の通勤電車の始発終着ホームとして使われてるようだ。しかし、今は上野東京ラインが走っていて、常磐線なども品川駅が始発駅に変わったので、頭端式で行き止まりの上野駅の13~17番線ホームは使い道が少なくて、上野発の特急急行列車が廃止となってしまった今では、上手な活用方法がないようである。石川さゆりの「津軽海峡冬景色」にも「上野発の夜行列車降りた時から」という歌詞があるが、そんな歌詞もピントこない時代になってしまった。(苦笑)

 

しかも、決定的なのは今は東北、上越、北陸新幹線があるから上野発の長距離特急急行列車は、年に数回にイベント列車か臨時列車としてしか走る機会がない。新幹線が北海道から九州まで走るようになったことで、日本の鉄道は大きく変わってしまった。

 

とにかく、両親が宮城県出身である僕の家族にとっては、そんな思い出のある13番線~17番線ホームが今ではほとんど使用されてないというのは、本当に寂しい限りだ。