Deutschland-Lab

Deutschland-Lab

歴史や文化、スポーツなどドイツに関する情報まとめサイト

色んなタイプの新幹線、特急電車があるのは日本独特なこと?

はやぶさ・こまち」の連結作業、ホームの下から見学 7,000円で3組限定 - TRAICY(トライシー)

 

 

前のブログを補完する記事だが、ヨーロッパでは日本のように色んなタイプの新幹線、高速鉄道は走っていない。ドイツでは3タイプ、フランスでも3タイプだけである。

 

 

前のブログでドイツの私鉄事情について書いて、「ドイツではドイツの私鉄はDB(旧ドイツ国鉄)と同じ路線を走っているから、日本の近鉄、東武のように私鉄が長距離特急を運行することはしていない」と書いた。だから、ドイツだけに限らず、多くのヨーロッパ人は日本の色んなタイプ、変わった外観の私鉄特急などを見ると驚くらしい。

 

上に掲載した2枚の写真は日本のE5系新幹線「はやぶさ」E6系新幹線「こまち」の連結を連結した東北新幹線の列車と、E2系新幹線の恐らく「やまびこ」。それで、下がフランスの日本でいうと新幹線のTGV「Duplex」(デュプレックス)だが、日本の場合は東北新幹線、上越北陸新幹線、東海道新幹線などで多くのタイプの新幹線があるが、ドイツの場合は今だとICE3系、ICE4系、ICET系の3種類くらいしか走ってない。フランスでもこのTGV写真のデュプレックス以外には超高速特急は2種類しか走ってない。

 

 

ヨーロッパの中長距離列車は、今の日本では完全に消えてしまった電気機関車が客車を牽引しているタイプが多い。この理由は、ヨーロッパは国境を越えて走る国際中長距離列車が多いので、電気機関車を変えるだけで国の違いを乗り越えることが出来るから。

 

 

そして、普通電車、通勤電車などを見ると、こちらは基本的に20世紀からの伝統的なスタイル、電気機関車が客車を牽引する列車が多くて、日本の東京、大阪のような大都市圏のように、山手線、中央線、総武線と色んな派手な色をした電車が走っていて通勤客にわかりやすくしているという都市はない。この理由は前のブログにも書いたように、ドイツには東京、大阪のような人口1千万人以上の大都市圏はどこにもないから。一番人口が多いベルリンでも、日本でいうと名古屋くらいの人口しかない。ただし、ベルリン市交通局という、日本でいうと東京都交通局というベルリン都市交通専門の市営の交通局があるから、こちらは地下鉄、通勤電車など色んな電車を走らせてる。でも、日本ほどは種類が多くはない。

 

なんで、ヨーロッパの鉄道は列車の種類が少なくて、特に電車の種類が日本のようには多くなくて、未だに電気機関車と客車で編成された中長距離の列車が多いのかというと、その理由はヨーロッパ鉄道の複雑さかもしれない。ヨーロッパの中長距離列車というのは、国境を越えて隣国まで走る列車が多いので、例えば、ドイツの駅を発車してフランスの駅が終点だとすると、ドイツ鉄道独自の電車だと色々と面倒な事が多いらしい。でも、電気機関車と客車の編成だと、ドイツの電気機関車をフランスの電気機関車に変えるだけで、フランスとドイツの国の違いを克服することができる。実に簡単にドイツ鉄道とフランス国鉄の違いを越えることができる。

 

 

また、日本のJRのように山手線カラーの車両は山手線だけ、横須賀線カラーの車両は横須賀線だけを走るという車両の色、型式の決まりもない。これは単に鉄道員にとっては面倒な作業だからだろう。労働組合が強いヨーロッパ諸国では、日本のように色んな型式の電車を路線によって使い分けるというサービスはない。

 

 

また、ヨーロッパは鉄道が時間通りに運行されることが少ないといわれるくらい鉄道が止まることが多くて、また労働組合もとても強いので、日本のように多くの種類の電車があって、「●●系電車は××線でしか運行しない」などという決まりを作ると、鉄道員による労働組合が「そんな面倒な決まりは守るのが無理。複雑すぎる」などと言って、拒否するようである。2005年に尼崎で福知山線の電車が5分の遅れを取り戻すために猛スピードで走って、その結果カーブを曲がり切れずに脱線して多くの乗客がなくなった「福知山線事故」などは、外国人にとってはとても驚くべき事故だったという。

 

ということで、今日は前のブログを補うような記事で、ヨーロッパには日本のように色んな新幹線、特急電車、通勤電車は走ってないというブログを書きました。