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お葬式の多くが近親者のみで行われる理由

称念寺赤門寺・大願寺・龍雲院 ― 国指定史跡も…宮城県仙台市の庭園。 | 庭園情報メディア【おにわさん】

父は1999年12月29日に亡くなり、家族としては小さなお葬式にする予定だったが、勤務先の社長と重役が葬式に出席したいと言い、また、6人いる父の兄妹が父の実家の周りの人に告げまわったりしたので、結局は100人近くが参列する葬式になった。

 

 

この記事は僕の父の命日が12月29日なので、本当は去年の年末に書こうと思った記事だったけど、色んな事情があって年が明けた今日に書くことになってしまった。

 

有名人を含む多くの人の葬式は近親者のみで小さな葬式が行われることが多いが、僕も1999年12月29日に父が亡くなった時にその理由がよくわかった。ちょっと辛い思いでではあるが父の葬式とお通夜が行われた時に多くの人が集まった時のことを書こうと思う。上の写真はうちの菩提寺である仙台市北山にある称念寺。ここで父の葬式が行われた。

 

父は1999年12月29日午後3時頃に仙台厚生病院で胃がんのためにまだ61歳で亡くなったが、父の最期を看取って家に帰宅してみると誰が言ったのか知らないが、すでに3人くらいの仕事関係の人が家に来ていた。家族の要望としては近親者だけで小さなお葬式にする予定だったが、父の勤務先の建設会社の社長さんは建設会社の重役たちを葬式に出席させてほしいと言い、また、父は7人兄妹の長男で宮城県北部の田舎町出身だったので、6人の兄妹が父の地元などで父が危篤状態であることを周囲に告げたようなので、父が亡くなってから数人間後には、家族が見たこともないような父の実家の近くに住む人たちが集まり始めた。

 

集まってきた人の中で僕を含む家族が知っていたのは父の兄妹6人、つまりおじさんとおばさんと父の今の勤務先の建設会社の社長と重役と、父の前の勤務先の銀行の同僚の人たちだけだった。それ以外の父の実家の近所に住む父の学生時代の同窓生の人たちなどは家族は全く知らなかった。

 

 

当時、僕は仕事はしていたが精神科に通院していたので、そのことで2人のおじさんと初めて会った田舎者のおじさんから説教をされてすごく腹が立った。また、母は参列した人たちの香典の計算をずっとしていて、その一方で葬式に参列した人の中には笑みを浮かべて雑談をしている人たちがいた。父の葬式を体験して多くの葬式は家族と近親者のみでひっそりと行われる理由がわかった。

 

 

通夜は翌日の12月30日の夜に行われたのだが、当時、僕は31歳で契約社員として働いていたけど、精神科に通院していたので、そのことで2つ年下の叔父さんから「君は根性がないから精神を病んだりするんだ。兄貴(父のこと)は君のことをあの世で心配しているぞ」などと怖い顔で説教をされた。父は長男なのだが2歳年上のお姉さん(僕にとっては伯母さん)がいたので、伯母さんの夫は半笑いを浮かべて説教をした。でも、2人とも僕とは5年に1度くらいしか会ってないから、僕が精神を病んだ状況とか詳しいことは何も知らなかった。

 

父はちょっと厳しくて冷たい性格の人だったが、胃がんでもう助からないとわかってからは「お父さんも他人に看護されるようになって、弱い人たちのことがわかるようになった」と言って、胃がんの療養生活に入ってからは優しい性格になっていた。それで亡くなる数日前に、「お父さんが死んだら必ず葬式の時に説教をする奴がいるだろうけど、そんな連中の言う事は聞かなくてもいい。生活が上手くいってないから八つ当たりをしているだけだからな」と父は言っていた。でも、やはりおじさん2人から説教をされたし、12月31日の称念寺での葬式から家に帰ってきた後も、初めて会った父の実家の近くに住むモラルの低そうなおじさんんから、「お前は精神科にかかっているんだってな。情けない奴だ」ということを言われた。すごく悔しかったし頭にきた。半笑いを浮かべて説教をした伯母さんの夫は父が亡くなってから10か月後に癌にかかって亡くなった。元々糖尿病を患っていたがそれが癌になったのだった。父の呪いだったのかもしれない。

 

それ以外にも我々家族は父がまだ働き盛りの61歳で亡くなって悲しんでいるというのに、夫を失ったばかりの母は誰からいくら香典をもらったのでお返しはどれくらい払わないといけないというお金の計算で、葬式から帰った後は必死に計算機で計算をしていた。僕、兄、妹の兄妹は葬式に来てくれた人たちに気丈な態度でお礼を言うなど接待に大変で、父を亡くした悲しみで泣いている時間すらなかった。

 

それで、お通夜で家に泊まった人たちと葬式に参列した人たちは、笑みを浮かべて名刺交換をして弔問外交みたいに仕事の話とビジネスの話を始めたりしていた。僕は「お前らは本当に亡くなった父を弔うために集まったのか?!」と怒鳴りたい衝動にかられた。まあ、父の葬式だというのに笑みを浮かべて世間話などをされると家族が怒るのは当たり前だろう。特に父は田舎町の出身だから、田舎のおじさんおばさんというのはモラルが低くてマナーが悪い人が多いとこの葬式で実感した。

 

僕もこの父の葬式を体験して、テレビに出ていた有名人ですら亡くなった時にお通夜と葬式を近親者のみで静かに行い、亡くなってからある程度落ち着いた後に「故人を偲ぶ会」というのを多くの人が集まって行う理由がよくわかった。数十人が集まって規模の大きな葬式を行うと本当に故人と親しかった家族、親戚、友達にとっては迷惑なだけだからだ。やはり、人が亡くなって家族が悲しんでいるお葬式の時に、笑いながら世間話をする人たちなど、葬式には来てもらいたくない。