2010年に香川真司がドルトムンドで、内田篤人がシャルケで成功して以来、ドイツのブンデスリーガでは多くの日本人選手がプレイしている。今はブレーメンの大迫とフランクフルトの長谷部、鎌田の3人だけになってしまったが、ブンデスリーガ2部の選手も合わせると、依然としてブンデスリーガでプレイている日本人は多い。
それに、日本とドイツの間のサッカーのパイプはブッフバルト、リトバルスキーの様なドイツ人OB、奥寺の様な日本人OBの存在もあってけっこう太いので、将来、またブンデスリーガでプレイする日本人が増えるかもしれない。それで、ここでは、サッカーのブンデスリーガを現地で観戦するためには何が必要なのかを、既にブンデスリーガの試合を現地で10試合観戦した私が教えようと思う。
ドイツのブンデスリーガ観戦チケットの入手方法について解説!
実はいうと事前にチケットを入手するのがとても難しい。多くのサッカーファンはバイエルン・ミュンヘン、ボルシア・ドルトムンドのようなスター選手がたくさんいるチームの試合を現地で観戦したいだろうが、世界中のサッカーファンがそう思っているのでバイエルン、ドルトムンドのような人気チームのチケットは当日券はまずないので、遅くても1週間前までには入手する必要がある。
でも、ブンデスリーガのチケットはネット販売でほとんどが売り切れてしまうので、ドイツ語検定2級か英語検定準1級くらいの語学力がないと公式ネット販売サイトの言葉がわからないから、チケットの前売り券を入手することはできない。
日本人の需要は少ないから、当然ながら日本語で販売しているサイトはない。そこで、日本に存在するのがブンデスリーガを含むヨーロッパの人気リーグの試合を代行で入手する業者であり、ここでは手数料として1万円以上が取られるが、このような業者に試合の1か月ほど前にチケット入手を頼むのが確実な方法だろう。
それ以外のブンデスリーガの観戦方法としては、「ブンデスリーガ観戦ツアー」というパッケージツアーが旅行会社から販売されているので、ドイツのライン川下り、ロマンチック街道観光と一緒にブンデスリーガの試合を観戦することが出来る。
その他のチケット入手方法としては、ドイツに留学、仕事などで知人が現地にいる場合はその人に前売りチケットの入手を頼むことが出来るし、ドイツ人の友達がいる場合も同じように前売りチケットの入手を頼むことが出来る。2012年9月に私がシュツットガルト対デュッセルドルフの試合を見た時は、私のドイツ人友達がシュツットガルトのスタジアムで行われたこの試合のチケットを事前に入手してくれていたので、無事に試合を観戦することが出来た。いずれにせよ、ドイツ語がある程度しゃべれるか、ドイツに知り合いがいる人がやはりチケット入手ではすごく有利である。
ドイツでブンデスリーガを見る際に気を付けるポイント①
これはけっこう日本のJリーグとは違う注意点が多い。
一つ目はやはり本場のヨーロッパサッカーであるブンデスリーガでは、ある程度高いチケットを買って安心できる席で観戦する必要がある。[Steheplatz](立ち見席)という試合中は立って応援するサポーター用の一番安いチケットがあるが、ここは絶対に勧められない。この安い席だとバイエルン戦でも2千円くらいで買えるが、試合前からビールを飲んでいるようなかなり危険なサポーターが多い席なので、ドイツ語がある程度喋れる私でもこの席では観戦したくない。
シャルケの試合をホームスタジアムで見た時に、日本円で4千円くらいの中級の席に座ったが、そこでも隣には肩と首筋に入れ墨をした大柄のおじさんが4人ほど座っていて、そのおじさんたちは試合中はビールをがぶ飲みして、タバコも吸っていた。
シャルケのホームスタジアムはドームだけど喫煙がOKだった。それで、ビールの補給は女性の売り子から買うのではなくて、売店から1ケース単位で買っていた。
日本ではあまり見れないような豪快な風景だった。でも、私が座っていた席の近くには若い女性も何人か座っていたので、そこがドイツでは普通レベルの席だったと思う。
しかし、私の席の隣に入れ墨をしたおじさんが数人いたのを見て、私は「ここに試合が終わるまで座るのか?まるで何かの罰ゲームじゃないか」と思った。でも、おじさんたちは見た目はワイルドだったけど、話してみると優しい人たちだった。それで、近くに金髪の可愛い10代の女性が父と一緒に座っていて、シャルケがゴールを決める度に父に抱きついて頬にキスをしていた。これも日本ではまず見られない風景(笑)
ドイツでブンデスリーガを見る際に気を付けるポイント②
アウェイのスタジアムでひいきのチームの試合を見ないように。
これは、ドイツのブンデスリーガに限らずに他のヨーロッパのリーグ戦でも言えることだが、例えば、バイエルンファンなのにバイエルンのユニフォームを着てドルトムントのスタジアムで試合を見るとか、つまり、アウェイ戦で試合を見るのはかなり危険なことである。
サッカーの試合だけに限らずに、アンチバイエルンのサッカーファンが多いルール地方、ハンブルクなどの北ドイツの都市などでバイエルンのユニフォーム、ジャンバーなどを着るのは気を付けた方がよい。
現地の不良男子学生数人に、治安の悪い駅前広場などで「間違ったユニを着てるんじゃねえぞ」などと言われて、絡まれることがある。
これは、日本で言えば巨人阪神戦がある日にJR大阪駅で1人で巨人のユニを着て歩くのが危険なことを考えれば、よく分かると思う。私は1999年にドイツのシュツットガルト近くに住む家にホームステイをしてドイツ語を勉強していて、その時にバイエルンのジャンバーを着ていたが、サッカーの試合がある土曜日はバイエルンのジャンバーは着て出歩かなかった。
やはり、不良サポに絡まれる危険性があったから。ドイツ人は普段は大人しい人でも、サッカーとなると性格が変わる人が多い。
まあ、これは、ドイツ人に限らずにヨーロッパ人全部に言えることだけど(苦笑)
ブンデスリーガの観戦はどれほど安全なのか?!
実際に私がアウェイで試合を見たので危険な目にあったことについて話す。
2012年9月にシュツットガルト対ホッフェンハイムの試合を、シュツットガルトのホームスタジアムで観戦した。試合はアウェイのホッヘンハイムが勝った。当然ながら、シュツットガルトのサポたちは試合後はイライラしていたようだった。
それで、スタジアムから電車の最寄り駅までは警察、警備員がガードしていたので問題はなかったが、最寄り駅からシュツットガルト中央駅までの電車の中では全く警備がないので、電車の中で不良学生数人が絡んできた。
でも、私はドイツ語が喋れたから、当時はシュツットガルトで岡崎と酒井高徳がプレイしていて、ホッヘンハイムでは宇佐美がプレイしていたので、「俺は日本人選手を見に来たんだよ。岡崎、酒井、宇佐美を見に来たんだ。別にホッヘンハイムの特別なサポではないんだ」と言ったら、彼らは笑っていた。
さらにシャルケの試合を見た時も、中央駅の近くでやはり不良高校生と思われる大柄な連中がドイツ語で話しかけてきて、「一緒に酒を飲みに行かないか?」と言われた。
ここでも、ドイツ語が喋れたから「俺はケルンのホテルに泊っているから、ケルンに帰るんだ」と言ったら、ハイタッチを求めてきて[Tschuess!](じゃあな!)と言って別れていった。
このように、特にアウェイ戦を見に行くと地元の不良に絡まれることが多い。ドイツの男の若者は15歳でも身長が180以上ある大柄な若者が多く、しかも集団で行動しているのでこういう若者には近づかない方がよい。ドイツのサッカーサポは比較的大人しいとは言われているが、それでもJリーグの浦和レッズのサポよりは断然怖い。
まとめ
- バイエルン、ドルトムンドのような人気チームのチケットは当日券はまずないので、遅くても1週間前までには入手したほうが良い
- ブンデスリーガを含むヨーロッパの人気リーグの試合を代行で入手する業者があり、手数料として1万円以上が取られるが、このような業者に試合の1か月ほど前にチケット入手を頼むのが確実
- [Steheplatz](立ち見席)という試合中は立って応援するサポーター用の一番安いチケットは危険なサポーターが多いので注意
- アウェイのスタジアムで試合を見る際は、ホームのサポーターから絡まれることがあるので注意