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日本、ドイツという旧枢軸国と旧連合国では今はどちらが平和だろうか?

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 2008年秋にリーマンショックがあった頃に、僕は東北大学法学部准教授をしているドイツ人弁護士のSとその妻のMとまだ乳飲み子のKと、仙台市繁華街の喫茶店で会って談笑をしていた。談笑をした時間は彼らが買い物をしていた合間だったので、2時間ほどだったと思う。

2008年秋に仙台で働いていたドイツ人夫妻と会話をした時にとても優しい妻が、「T(僕のこと)のような第二次大戦とナチスドイツに詳しい日本人に会えて勉強になった。第二次大戦後の歴史は、主に戦勝国が作ったのだと気づいた」と言っていた。

 

それで、アメリカでオバマ大統領の当選が確実になりつつあったので、これからのドイツのメルケル首相とアメリカとの国関係などについても話をしていた。とても優しくて温厚な人柄の妻のMがこういうことを言った。

「初めてT(僕のこと)に会った時に、あなたが第二次世界大戦のドイツ軍の模型を作ってドイツ軍の戦記を読んでると聞いた時に、『なんで、そんなドイツの暗くて乱暴な歴史のナチスドイツなんかに興味を持つんだろう?ドイツについてなら、もっとロマンチックで美しいことがたくさんあるのに』などと、とても不思議に思った。

でもあなたと2年以上話をしてると、私はTのように第二次世界大戦の時のドイツと日本に興味を持つのは、ドイツ人と日本人としてごく当たり前のことだと思った。なぜなら今のドイツ人と日本人の平和的で自分の国を嫌う考えは、第二次世界大戦後から始まっているんだから。私はバカな女子生徒だったから歴史の教科書に書いてあることを素直に信じたけど、あなたは歴史を見る目が優秀だから教科書がおかしいと思ったのよね。よく考えると戦後のドイツと日本の祖国を嫌う自虐的な考えって、戦勝国である連合国が押し付けた考えだとわかった。

 

「第二次大戦後は戦勝国と敗戦国の日本とドイツでは、どちらが平和な国になったのか?日本とドイツは戦争から反省をして平和な国になったけど、アメリカはいつも戦争ばかりしている」と妻は言っていた。


第二次世界大戦後、勝った連合国と負けた枢軸国で、どちらの方が今では平和で幸せな国になったのかしら?ドイツも日本も軍隊を持っているけど、それは抑止力で絶対に攻撃的な戦争はしてないし核爆弾も持ってない。でも、戦勝国の連合国は核爆弾を持っていて、戦争と核実験を何度もしている。アメリカなんてベトナム戦争、イラク戦争とかいつも世界中で戦争ばかりしている。でも、アメリカ政府は過去の戦争の失敗について謝罪なんてしない。ロシア(旧ソ連)はアフガニスタン、チェチェンなど、中国はチベット、ウイグルなどで戦争をしたけど謝罪をしていない。今、本当に平和教育が必要な国はアメリカ、ロシア、中国のような巨大な軍事力を持つ国々だと思う」

 

「ドイツがナチス時代に戦争犯罪をしたことを子供に教えるけど、戦後のドイツはとても平和な国になった。これはすごく誇らしいことだということも教える」と夫妻は言った。

 

この会話をしてから数年後にTとMと息子のKに再び仙台市内で会った時に、「タミヤ模型のカタログだけど、もう2004年のものでいらないから息子のKにあげるよ」と言って、僕は戦車、軍艦、戦闘機の模型などの写真が載っているカタログを彼らにあげたのだった。それで、Mと子供のKがドイツ海軍戦艦の「ビスマルク」、「シャルンホルスト」などの写真が載っているページを見ていた時に、「それはドイツの軍艦だよ」と僕が教えるとMは息子のKに、[Guck mal, deutsches Schiff, unser Schiff]「みなさい、ドイツの船よ。私たちの船よ」と言って教えていた。

 

それで、2011年3月に東日本大震災があった時に、妻のMと息子のTは仙台の状況が最悪なのでドイツに帰ってしまったけど、東北大学准教授のSは一度はドイツに帰ったけど、まだ契約が残っていたので仙台に帰ってきて仕事をして、翌年の3月にドイツに帰った。彼らがドイツに帰った後に、2012年9月にドイツ南部のウルム市に住む彼らの家を訪ねたが、息子のKは大の鉄道マニアになっていて、僕が新幹線のおもちゃをあげるととても喜んでいた。でも、流石に僕のようなドイツ軍マニアにはなっていなかった。父であるSには、「息子が現代史に興味を持つのはいことだけど、お前のような軍事マニアにはなってもらいたくない。ナチスドイツ軍の戦車、戦闘機の模型を作るのはあまり好ましくない」と言われた。でも、僕もナチスドイツ軍の戦車、戦闘機などの模型を骨董品のように興味を持っているだけで、別にナチスドイツのイデオロギーまでには興味はないのだけど。(苦笑)

 

写真上は仙台の「光のページェント」の時に撮影した、当時は東北大学准教授だったSと妻のMと息子のK。写真撮影をした当時は209年だったけど、数日前にSから送られてきた写真を見ると、息子のTは身長が160くらいの少年になっていた。さらに、2011年夏に生まれた娘のLも写っていた。写真下はTSとMの故郷のデュセルドルフの街並み。デュセルドルフにあるタワーの展望台から眺めた風景。流れてる川はライン川。

 

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