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まとめ(16)日本とドイツの第二次世界大戦について

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今日は8月10日なので日本の終戦記念日の8月15日に近くて、特にNHKでは終戦記念の特集番組をよくやってます。このブログ記事では僕が今までに[Deutschland-Lab]ブログに書いた日本とドイツの第二次世界大戦に関する記事について、まとめて紹介しようと思います。

 

「ドイツの方が戦争責任の反省をよくしている」という日本人がいるが、本当にそうなのだろうか?日本でもドイツでも戦争責任の反省でネックになるのは、先祖が戦争を生き残らなければ、子孫はこの世に生まれることは出来なかったという点である。

 

deutschland-lab.hatenablog.com

 

日本の左翼思想の人はよく、「戦後、ドイツは日本よりも戦争犯罪をよく反省している。日本はドイツの反省の仕方を見習うべきだ」などと言ってるが、本当にそうなのだろうか?この記事では戦後のドイツの戦争犯罪の反省について検証をしてみた。

 

日本でもドイツの場合でも、どうしても戦争の反省でネックとなるのは、「ご先祖様(特におじいさんとおばあさん)が戦争を生き残らなければ、自分を含める子孫bはこの世の中に生まれることはなかったということである。先祖を「戦争犯罪人」と決めてしまうと自分たちも犯罪人の子孫となってしまうので、そこに日本人もドイツ人も限界がある。

 

事実、僕がドイツ人とフェイスブックで交流している人の中にも、あるドイツ人女性が、「私のおじいさんは親衛隊将校であり、フォン・ブラウン博士のV1V2ロケット開発に従事していた。教科書ではその事業は悪いことだと書いてるけど、おじいさんは優しい人で悪い人だとは思わない。私は第二次大戦のドイツに同情してくれる日本人(僕のこと)と交流できて嬉しい」というメッセージを送ってきた。彼女のように、ドイツの教科書ではナチスドイツのしたことは悪と書いていても、それに同意できないドイツ人はけっこうたくさんいるのである。

 

 

第二次大戦の戦勝国と敗戦国の日本とドイツでは、今はどちらの方が平和で幸せな国なのだろうか?ドイツ人友達の妻Mは、軍事と政治に詳しい僕と会って話を聞いてるうちに、戦後は日本とドイツはとても平和な国になって、戦争をしているのは戦勝国ばかりと気づいたと言っていた。

 

deutschland-lab.hatenablog.com

 

この記事では、2012年まで仙台に滞在して仙台で仕事をしていたドイツ人弁護士Sと妻のMと会話した時のエピソードから、第二次大戦の敗戦国の日本ドイツと戦勝国の国々では、今はどちらの方が幸せなんだろうかということを検証している。

 

2008年11月に仙台市中心部の喫茶店で、生後半年ほどの赤ん坊を連れたドイツ人夫婦と会話をした時に、あまり政治的な話はしない大人しい妻のMがこういうことを言った。

 

「第二次世界大戦後、勝った連合国と負けた枢軸国で、どちらの方が今では平和で幸せな国になったのかしら?ドイツも日本も軍隊を持っているけど、それは抑止力で攻撃的な戦争はしてないし核爆弾も持ってない。でも、戦勝国の連合国は核爆弾を持っていて、戦争と核実験を何度もしている。アメリカなんてベトナム戦争、イラク戦争とかいつも世界中で戦争ばかりしている。でも、アメリカ政府は過去の戦争の失敗について謝罪なんてしない。ロシア(旧ソ連)はアフガニスタン、チェチェンなど、中国はチベット、ウイグルなどで戦争をしたけど謝罪をしていない。今、本当に平和教育が必要な国はアメリカ、ロシア、中国のような巨大な軍事力を持つ国々だと思う」

 

つまり、彼女は僕のような第二次大戦後に世界で戦争をしているのは戦勝国ばかりであることを、僕のような軍事に詳しい日本人と会うことで理解することができた、ということを言ったのである。

 

 

日本では今でも終戦記念日である8月15日には政府主催の終戦記念式典をやり、靖国神社に国会議員が公式参拝などをしている。一方、ドイツでは終戦記念日の5月8日には、1999年の時点で既に政府主催の行事などは全くしてなかった。

 

deutschland-lab.hatenablog.com

 

このブログ記事では、ドイツの第二次世界大戦の終戦記念日は5月8日だが、ドイツでは既に5月8日には大した終戦記念式典はしてないこをについて書いている。僕は1999年5月初めから5月9日までドイツのベルリンに滞在したが、日本のような政府主催の特別な記念式典は何もしてなかった。日本では毎年8月15日になると靖国神社に国会議員が訪れて、「公人として公式に参拝しに来た」「私人として訪れただけ」などと立場を表明するが、ドイツには靖国神社のような場所はないので、そのような騒動は全くない。

 

敗戦直後のドイツではヒトラーとその側近たちは、無宗教の共産主義者と戦った敬虔なキリスト教徒として死んだことになっていた。だから、今でもドイツの政治家が5月8日に特別に参拝する宗教施設というのはない。あえて挙げるとするならば、「ノイエ・ヴァッフェ」(新衛兵所)が国立の追悼記念所となっている。
 
だが、僕は5月8日にここに行ったが、ドイツ政府の閣僚が来るので警察官が警備に当っているとか、そういうことは一切なかった。代わりに、ロシア人の老人がたくさんいて、「ノイエ・ヴァッフェ」の前で集団で記念写真を撮ったりしていた。もちろん、ベルリン攻防戦を戦ったソ連兵とその家族、遺族だったのだろう。

 

 

以上、今日は日本とドイツの第二次世界大戦後の対応の違いなどについて、記事に書いまとめて書いてみました。日本もドイツも世界でたった2つの第二次大戦の敗戦国であり、その後、敗戦国でありながらとても平和な国を作ったという点では同じですが、細かい点で違うようです。