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金メダリストの条件は「茶髪、眉そり、片親なし」

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このブログ記事タイトルと同じ見出しの週刊誌記事が、本当に1998年長野冬季オリンピックの時にあった。あまりにも低俗すぎて呆れた。

 

今日は日本のマスコミの低俗ぶりについて記事を書こうと思う。まあ、マスコミなんて日本以外の国でも低俗だけど。

 

上のタイトルは1998年の長野冬季オリンピックで日本選手が5個の金メダルを獲得して、日本人が感動していた時に本当にある週刊誌が書いた記事のタイトルである。新聞の広告欄にその週刊誌の広告が出ていたが、当然ながらあまりの低俗ぶりに僕は呆れたのだった。まあ誰でも呆れるだろう。(苦笑)

 

「茶髪」というのは1998年当時はまだ茶髪の人があまりいなかったので、茶髪に染めてると不良というイメージがあった。金メダルを取った選手のうち数人は茶髪だった。「眉そり」というのは、スキージャンプのラージヒルと団体で金メダルを取った船木和喜選手のことで、確かに眉をそって形を整えていた。上の写真が長野五輪の時の船木選手。「片親なし」というのは、モーグルで日本人女性として初めて冬季五輪で金メダルを取った里谷多英選手のことである。こんな低俗なタイトルの記事以外にも、「清水宏保選手、金メダリストを支えた風俗通い」という週刊誌のタイトルもあった。本当に日本人選手が金メダルを取って感動していた時に、マスコミの低俗ぶりに呆れたものだった。

 

 

「2流マスコミで働いてる記者たちが、才能のあるスポーツ選手を妬んで書いてる」と父は言っていた。わざと低俗な見出しで注目を集める炎上商法である。

 

 

「こんな低俗なタイトルの記事を誰が読むんだ?こんな低俗な記事を書いたら、普通の感覚ならその週刊誌を読まない人が増えるだろ?なんで、こんな意地悪な記事を書くのだろうか?」

と当時は20代後半だった僕が言うと、大手銀行に30年近く勤務した後に当時は仙台にある建設会社に勤務していた父は、

「そういう低俗な記事を書く記者は2流マスコミに勤務してるから、金メダルを取った選手が羨ましいから、そんな金メダリストの個人情報を暴露する記事を書いて留飲を下げてるんだ。そういう記事を読んで喜ぶ連中もどうせ低俗な連中だろう。世の中にはそんな人もいるんだ」

と言って笑っていた。

 

こういうのを今なら「炎上商法」というのだろう。長野冬季オリンピックがあった1998年2月当時は、インターネットはあることはあったが、まだユーザーの数が少なくて1か月の使用料金も高かった。だから、今のように低俗な記事が週刊誌に書かれるとネットで叩かれるということはなくて、まだ今よりもコンプライアンスがかなり緩かったからこんな記事を書くことが出来て、それを読んで喜ぶ低俗な人たちもいたのだろう。それにしても、長野五輪で多くの国民が感動していた時にそれに水を差すような低俗な内容だ。立派な金メダリストたちにも、こんな汚れた一面があるんだということを書いて注目を集めようという記事であり、雑誌が売るためには合法的なことは何でもするというマスコミのいやらしさが表れている。

 

 

炎上商法で売ろうとするマスコミは、日本だけでなくてドイツの大衆紙ビルドなど世界中にある。低俗なマスコミのニュースに群がる人は世界中にいる。

 

 

日本では東京スポーツ、夕刊フジなどが低俗なマスコミの代名詞みたいなものだが、ドイツにも「BILD」(ビルド)のような低俗な大衆紙がある。それで、発行部数はドイツのメディアの中で一番多い。僕のドイツ人の知り合いは弁護士、大学教授、企業の重役、大学生などけっこうモラルの高い人が多いから、「ビルド」のような低俗な大衆紙は嫌っているがドイツ人の中には読む人もけっこういるんだろう。弁護士の友達は、「『ビルド』はパリス・ヒルトン(アメリカ人企業家の娘というセレブで、行動が問題が多いことで有名)がどんな豪華な衣装を着てるかとか、ドイツとアメリカの芸能人、スポーツ選手などのセレブの恋愛事情を書いて発行部数を伸ばしている。俺はそんなどうでもいいことには興味がないから読まないし、妻もすごく嫌ってる」

と言っていた。日本にもドイツにも世界中のどこにも、有名人、セレブについての低俗な記事を読んで喜ぶ人はいるようだ。(苦笑)