Deutschland-Lab

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ドイツサッカー博物館の紹介(2)

 

 

 

 

ドルトムントにあるドイツサッカー博物館には、ヨーロッパクラブチームの王者に贈られるチャンピオンズリーグ優勝カップのレプリカが展示されている。これは、1997年にボルシア・ドルトムントチャンピオンズリーグで優勝したから展示されているのだろう。僕はこの頃からドルトムントを応援している。

 

 

今日も前回の記事に続いて、ドイツ北西部のルール地方に位置するドルトムント市にあるドイツサッカー博物館を2016年5月に訪れた時の記事について書こうと思います。

 

上の写真はUEFAチャンピオンズリーグ優勝チームに贈られるトロフィーであって、通称「ビッグイヤー」と呼ばれている。これは、ヨーロッパの全てのクラブチームの王者に贈られるビッグイヤーのレプリカであり、1997年5月にボルシア・ドルトムントユベントスとの決勝戦に勝って、クラブ史上初めてヨーロッパ王者になったのでビッグイヤーを手にした。ビッグイヤーのレプリカがドルトムントにあるドイツサッカー博物館に飾られてるのは、恐らくドルトムントが1997年王者になったからだろう。因みに、僕はそのころからドルトムントのファンであり、ブンデスリーガ王者で10年連続優勝しているバイエルンは嫌いである。というか、ドイツ人でバイエルン・ミュンヘンファンというのはミュンヘン市民とその周辺の人たちだけであり、各クラブは地域密着しているのでドルトムントなどのルール地方バイエルンのレプリカユニフォーム、ウェアなどを着てると、他のチームのファンから「お前はバイエルンファンなのか?」などと文句を言われる危険性がある。(苦笑)

 

 

他のブログ記事でも詳しく書いたが、1954年スイスW杯で西ドイツが初優勝をした「ベルンの奇跡」の展示も当然ながらある。この出来事はドイツ人みんながよく知っていて、戦後ドイツの復興はこの時から始まったと言われている。

 

 

 

この写真はドイツ人なら誰でも知っている「ベルンの奇跡」という1954年のスイスワールドカップで西ドイツ代表が初めて優勝した時の展示であり、第二次大戦で敗戦国となったドイツと日本はその前の1950年ブラジル大会では予選から参加できなかった。それで、戦後初めて参加を許された1954年スイス大会で、西ドイツ代表は見事に優勝したのである。「ベルンの奇跡」についてはかつてこのブログに書いたことがある。

 

deutschland-lab.hatenablog.com

 

第二次大戦でナチスドイツとしてヨーロッパ各地で破壊行為を行い、ドイツ全体も焼野原になったドイツ人にとっては、サッカーワールドカップ優勝という「ベルンの奇跡」はすごい勇気をドイツ人に与えた。「ドイツ人はまたやり直せる。国を復興することができる」と思って国民は感動した。戦後ドイツの復興はこの時から始まったと言われている。

 

 

ナチスドイツ時代にもドイツ代表チームはサッカーをプレイした。1936年ベルリンオリンピックの展示もあって、ナチス首脳が観戦する中で選手たちはサッカーをプレイした。このようにこの博物館にはドイツサッカーの光と影が展示されいてる。

 

 

上の写真はナチスドイツ時代のドイツのサッカーに関する展示である。1936年にベルリンオリンピックヒトラー総統が治めるナチスドイツで行われた。この頃、国際オリンピック委員会ファシズム国家でオリンピックを開くことを躊躇しておらず、ベルリンオリンピックの次は1940年に大日本帝国の首都の東京で開かれる予定であった。しかし、日中戦争と第二次大戦が起こったので東京オリンピックは中止となった。ファシズム国家で五輪を2回続けて開くことに決めたのは、少なくともスターリンが率いる共産主義ソ連よりはマシだという考えが背景にあったようである。展示の写真はベルリン五輪を宣伝するポスターである。ベルリン五輪のサッカー競技ではイタリアが金メダルを獲得した。

 

 

このように、ドルトムントにあるドイツサッカー博物館にはドイツサッカーの歴史の光と影が展示されてるので、ドイツサッカー、あるいはドイツ史が好きな人にとってはぜひ訪れる場所だと思う。別にドイツサッカーに興味がなくても、サッカー、ドイツの現代史が好きな人にとっては色々と興味深い展示がある。もちろん、説明はドイツ語と英語だけだからある程度は英語ができないと理解できない。