Deutschland-Lab

Deutschland-Lab

歴史や文化、スポーツなどドイツに関する情報まとめサイト

ウクライナ戦争はなぜ膠着状態なのか?

 

 

 

 

ウクライナ戦争が開戦から100日以上経って膠着状態なので、最近は日本のニュース番組ではあまり取り上げられていない。NATO中心国であるアメリカの国民も、バイデン政権の景気対策、11月の中間選挙に興味が移っている。

 

 

ウクライナ戦争が泥沼、膠着状態になって、もう1か月以上が経って、最近はこの戦争に関する報道もかなり少なくなってきた。午後4時頃からやってるニュースでも、僕が在宅勤務の時に見ていても、午後4時から午後7時までのニュースの時間帯で、ウクライナ戦争を取り上げる時間がすごく短くなってきた。2か月ほど前までは午後4時から7時までの3時間のニュースの時間帯で、1時間ほどはウクライナ戦争のニュースを詳しく報道していたが、今では20分ほどしか報道しないことが多い。また、現地に報道員を派遣する日本のテレビ局も今では皆無である。ウクライナ戦争に関する詳しいニュースを見たいなら、BS日テレかBSフジの夜の報道番組を見るか、地上波なら午後11時40分からやっているNHK「国際報道」を見るしかない。たまに、テレ朝の「報道ステーション」でウクライナ戦争について詳しく報道することもあるが、他のニュース番組ではあまり詳しく伝えていない。

 

どうやら最近はウクライナ戦争の報道は戦局が膠着してマンネリ化しつつあるので、ウクライナ戦争を長時間報道してもあまり視聴率が取れないから、地上波のニュース番組ではあまり報道されなくなったようである。海外目を向けてアメリカ国民の興味関心でも、多くのアメリカ人は急速に進むドル高と円安、ユーロ安、それに伴うアメリカ国内の景気にすごく興味があり、さらに、あと5か月後に行われる中間選挙でバイデン大統領の民主党に対して共和党がどう反撃をして、今の政権がどう変わるかということに最も関心があるようである。

 

アメリカ人は事実上NATOの盟主国であり、ゼレンスキー大統領のウクライナ政府も特にアメリカ軍の核兵器と正規軍をウクライナ領内に配置してほしいと頼んでいるのだが、肝心のアメリカ国民がウクライナ戦争にあまり興味がないのでは、本当に困ったものである。一部の知識があまりないアメリカ人の中には、なんでロシアとウクライナが戦争をしているのかという理由を理解してない人もいて、「ヨーロッパでの旧ソ連人同士の戦争よりも、自分たちの生活に直接関係があるアメリカ政府の景気対策の方が重要だ」と思ってる人もかなりいるようなので、本当に困ったものである。

 

 

ウクライナ戦争が膠着状態の理由はプーチンが常に「核兵器を使用する」と脅迫しているので、ウクライナ軍がロシア領内の都市、軍事基地、工場を攻撃出来ないから。NATO加盟国の正規軍がウクライナ戦争に介入するのも危険すぎる。

 

 

それでは、どうしてウクライナ戦争は今のように膠着状態で長期化しているのかというと、理由はかなりシンプルであり、ウクライナ軍がロシア軍の基地を攻撃できないことと、NATOに参加するアメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリアなどの大国が正規軍をウクライナに派遣してロシア軍と直接に戦うことが出来ないからである。その理由はウクライナ戦争が始まった頃からロシアのプーチン大統領が、「NATO加盟国の正規軍がウクライナ軍と共に共同作戦を行うか、あるいはウクライナ軍がロシア領内のロシア軍基地、都市、軍需工場を攻撃するなら、戦術核をウクライナポーランドに落として徹底的に叩き潰す」と恐ろしい警告をしているから、ロシアの反撃が怖いのである。

 

ウクライナ軍は100日間以上もよく防戦していると思うがロシア領内を攻撃して、ロシアの首都を占領する、あるいはロシアの軍需工場を破壊することが出来ないので、ロシア国内の軍需工場ではどんどんと新兵器が生産されて輸送されて、ウクライナ領内へと運ばれている。そして、それらの兵器でロシア軍はずーっと攻撃を続けている。ロシア軍の死傷者は既に約100日間で1万5千人を超えており、これは1979年からソ連崩壊まで続いたアフガニスタン紛争の死傷者数を既に超えるという、かなり大きな数字である。しかし、少なくともロシア領内にあるロシア軍の軍需工場を攻撃してロシア軍の兵器生産力を落とすようなことをしないと、ロシア政府はどんどんと武器を生産して、その武器でウクライナを攻撃することができる。ロシアの工場を攻撃してロシアの生産力を落とさないことには、戦争の終わりは見えてこない。ウクライナ軍はロシア領内に攻め込むことが出来なくて防戦一方だから、今のような膠着状態なのである。

 

 

ウクライナ戦争の最善の終わり方は、ロシア国内でクーデターなどが起こってプーチン政権が崩壊すること。最悪の終わり方は考えたくもないが、大規模な核戦争に発展すること。

 

 

それではウクライナ戦争はどういう終わりが考えられるのかというと、一つ期待できるのは既にロシア国民の間でも長引くウクライナ戦争に嫌気が差して厭戦気分が広がっているので、特に兵役に就くべきロシアの若者たちが中心となってプーチン政権に対して反乱を起こして、恐怖のプーチン政権が倒されることである。これは、第一次世界大戦

の時にも1917年2月に2月革命が起こって、その後、10月にロシア革命が起こってドイツ、オーストリアなどの中央同盟国という敵との戦争を終戦にしたことがある。最も希望の持てるウクライナ戦争の終戦はこれだろう。もともと、旧ソ連時代の東西冷戦時代を知らないロシアの30代以下の若い世代は、初めからウクライナとの戦争には反対なので、やはり戦争が長期化して戦場で戦う世代の若者たちが反乱を起こすことが、最善のウクライナ戦争の終わり方だと思う。

 

最悪のシナリオはロシア軍の攻撃が上手くいかないことに業を煮やしたプーチンウクライナポーランド核兵器で攻撃して、その反撃としてNATO側もモスクワに報復の核兵器を撃ち込んで、それでプーチンとロシア政府首脳が死んで戦争が終わること。この場合にはロシアの核ミサイルが日本の東京、沖縄の米軍基地などにも飛んでくる危険性があるので、一番考えたくもないシナリオである。