今日も1年以上前に書いた僕の[Deutschland-Lab](ドイツ研究所みたいな意味)ブログから、1年以上前に書いたブログ記事を再びアップして紹介します。何度も書いてますが、最近に僕のブログの読者になった方々の中には1年以上前のブログ記事を読んだことのない人がいると思いますので。
下の3つのブログ記事に、ドイツ人家庭にホームステイをした時のことをまとめてみた。この3つの記事に僕がドイツ人家庭にホームステイをした時の体験、問題点などが書いてある。
deutschland-lab.hatenablog.com
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ホームステイ先のホスト家族での滞在では家族を怒らせたりして、家族と問題を起こさないことが重要である。また、ホスト家族がみんなが仲が良いということはなくて家族がケンカをすることもあるが、そういう家族問題も上手くかわすことが必要である。
それで、H家で起こったことを色々と思い出して書いてみる。僕はシュツットガルト西部の田舎町に住むH家にホームステイをしたのだが、主人はベンツ社の部長だけど、大学を出ていないノンキャリアで出世した人だった。奥さんも25歳の長男のJも、長女のWも大学には行ってなかった。もっとも2人ともドイツの大学入学資格(アビチュアーという)は持っていたから、いつでも大学には入学できたのだが。それで、僕の父は日本の国立大学を卒業して銀行員だったので、テレビを見て「このアナウンサーは〇〇大学卒業らしいがコメントが全くなってない」ということを言っていたのだが、H家では大学を出ている人も通っている人もいなかったので、奥さんが「私たちの家で大学での勉強がどうのとか仕事かどうのとか、そういうつまらない話はしてほしくないです。うちの家庭はみんなで楽しい話をして、ゆっくりくつろぐ場所にしたいですから」と言われて注意されたことがあった。
また、僕は第二次大戦の日独伊軍事同盟に興味があったからドイツ語の勉強を始めたとH家の人たちに伝えてあったので、H家の人たちとよく第二次大戦の話、ナチスドイツと大日本帝国の違い、日本とドイツの戦争犯罪の話をよくしたが、こういう話をする時はかなり注意をする必要がある。ネトウヨみたいに、「ドイツはヨーロッパを破壊してユダヤ人をたくさん殺したけど、日本はアジアの解放のために戦った。靖国神社にいる日本人先祖の英霊に感謝している」などと、ドイツを下げて日本を持ち上げる事実と違うことを言ってしまうと、当然ながらドイツ人は激怒する。基本的には「日本とドイツは対等の同盟を結んでいて、軍事同盟締結以来、同じ歴史を歩んでますね」ということを強調する必要がある。第二次大戦の話でドイツ人を怒らせるようなことを言うのは、絶対にダメなのである。
最後に、これはH家でのホームステイについて今までに書かなかったことだが、ホームステイ先の家族がみんな仲が良いと思い込むのは大きな間違いである。H家の場合では長男のJ(25歳)と長女のW(21歳)が全く会話をしなかった。JにはCという22歳の恋人がいて、Wはすでに結婚をしていてSという30歳の夫がいたのだが、この4人が仲良く会話をするということは一度もなかった。H家は長男Jの友達グループ、長女Wの友達グループに分裂していて対立してるようだった。
長女のWはすでに結婚をしていて別の町に住んでいたからあまり実家に帰ってこなかったので、僕は自動的に実家に住んでいる長男Jのグループに入ることになって、Jの友達とはよく話をしたが、Wと彼女の夫とはあまり会話をしなかった。H家の主人も奥さんも息子と娘の冷戦状態に頭を痛めていたが、「親としては子供を信じて、やりたいようにやらせているんだよ」と困った顔をして言っていた。数年後に東北大学に勤務するために仙台に住むようになった弁護士のSと、仙台市内のレストランで初めて会った時に彼は、「ドイツにはもう家族なんてものは存在しない。みんなが自分勝手に生きていて、クリスマスとイースターの休暇の時に形式的に集まるくらいだ。政府の家族省というのもお役所仕事をしてるだけだよ」と言って嘆いていた。
僕がドイツ人家庭にホームステイをした時の問題を書いてみたけど、このホームステイの教訓はドイツ人家庭だけでなくて、他の外国人家庭にホームステイをする時にも参考になると思う。とにかくホームステイ先では、習慣も考え方も違う外国人のホスト家族で問題を起こさないことが重要である。