Deutschland-Lab

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ドイツだけの脱原発はあまり意味がない

 

 

ドイツは4月15日に完全に全ての原子力発電所を止めたが、隣国のフランス、オランダなどが原発の操業をまだ続けてるから、ドイツだけが原発を止めるのはあまり意味がない。

 

 

ドイツが4月15日にドイツ国内全ての原発の稼働を停止したが、実は言うとドイツ狭いヨーロッパの中でドイツだけが原発を停止しても、あまり意味がない。ドイツはフランス、オランダなどの国家と国境を接しているが、これらの国がドイツ国境近くに原発を持っていて停止させるつもりは全くないから、ドイツ国境沿いにあるフランスの原発が事故を起こせばドイツ国民も何らかの被害を被るのである。だから、狭いヨーロッパの中でドイツだけが原発の操業を停止するのはほとんど意味がない。さらに、ポーランドも豊かになってきたので、国内に原子力発電所を作ろうとしている。このポーランド原発建設というのは、完全にドイツ政府の意思をバカにしている。

 

「ドイツが脱原発をしたというが、なぜ、日本は脱原発ができないのか?」という疑問があるようだが、ドイツには上の写真のように石炭の露天掘りをしている箇所が何か所もあり、今は煙を出さない石炭、石炭液化などの方法もあるので、石炭が大量に取れるドイツは別に原子力発電に頼らなくても十分に電力の自給自足が出来るのである。

 

しかし、ドイツにとって大の誤算だったのはロシアがウクライナと戦争を開始したので、ドイツとロシアは断交状態になったこと。ロシアからノルドストリームというパイプラインで大量の天然ガスを供給してもらっていたが、ウクライナ戦争でロシアと断交状態なので、いつこのノルドストリームが止められるかわからない。もし、ノルドストリームが完全に止められるようなことがあれば、また原子力発電に頼らざるを得ないかもしれないと、ドイツ国民は不安である。だから、4月15日に原発を止めた時に、ドイツの世論調査では国民の半分くらいが原発の完全停止に反対していた。

 

 

ドイツの場合は原発を止めても石炭、風力発電のように原発に代わる代替エネルギーがあるが、日本は何も資源が取れない国なので、海外からの資源の輸入に頼らざるを得ないから、代替エネルギーが確保できるまでは原発は止められない。

 

 

日本はというと日本は昭和50年代までは炭鉱で石炭をたくさん取っていたが、石炭から排出される煙が環境に悪いということなどで、今はどこの炭鉱でも石炭を取っていない。だから、何も資源がない日本は海外からの資源の輸入に頼るしかないので、まだ原発はしばらくは必要である。日本が原発廃炉にするなら、代替のエネルギーを見つけないといけない。

 

でも、仮に日本政府が原発廃止の政策を始めても、隣の中国は原発を止めるつもりはないようなので、やはりドイツと同じようにあまり意味がないかもしれない。(苦笑)