Deutschland-Lab

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ドイツでは全ての原発が停止になるが、国民の中には反対の声もある

 

 

ドイツでは4月15日に全ての原子力発電所が停止になって原発廃炉にする方針だが、ドイツの世論調査では国民の中には反対意見も多い。

 

 

ドイツでは原子力発電所の稼働停止を4月15日としており、今、稼働している2か所の原発が供給している電力は全体のたったの6%にしかならないという。しかしながら、先月末のドイツの世論調査では「全ての原発稼働停止に反対」という国民の意見が52%に達しており、実際は国民の半分以上が原発停止に反対していることが明らかになった。しかしながら、廃炉工事をしている原発をまた稼働できる状態に戻してほしいというような意見は、あまり多くないらしい。

 

gendainoriron.jp

 

 

ドイツで脱原発政策が実現できるのは、ロシアから天然ガスパイプラインを引くなどの原発の代わる代替エネルギーがあるからである。しかし、ウクライナ戦争以後、ロシアが天然ガスパイプラインを止めるなどの嫌がらせをしていて、ドイツはロシアに騙され続けたのだった。

 

 

そもそも、ドイツが原発依存からの脱出を目指すことができたのは、ロシアからの天然ガスパイプラインが稼働しているので、別に原子力発電に頼らなくても電力を供給することはできるという原発に代わる代替案があるからである。そのロシアから直接天然ガスを引くノルドストリーム2というパイプラインも、今ではウクライナ戦争のせいでたまにロシア政府が供給を停止するという嫌がらせをしたりなどと、かなりの危機に面している。これが、国民が「まだ原子力発電所が必要なのではないか」と思っている理由である。僕は、このドイツとロシアの危機について過去に書いたことがある。

 

deutschland-lab.hatenablog.com

 

この過去のブログ記事には上に書いたように、ドイツにとってはロシアと東欧諸国は日本にとっての中国、韓国のような存在なので、1991年にソ連が崩壊してドイツとロシアの間に国交が樹立されると、それからずーっとドイツはロシアの経済発展に貢献をしたり、ノルドストリームという天然ガスのパイプラインをロシアからドイツに引いて、ロシアの資源を大金を払って買ってロシアに多額のお金を払って親ロシア政策を行ってきた。それが全て無駄になったのがウクライナ戦争である。ドイツはロシアに大金を払って経済貢献をしたつもりだったが、ドイツが払った大金は国民には渡らずに、プーチンの命令で武器などを買って、ロシア政府が経済発展以外の目的に使用していたのだ。ドイツは特にプーチンが大統領に就任した後、約20年もロシア政府に騙されていた。

 

 

ヨーロッパの中には石油産出国もあるし、ドイツには石炭を露天掘りで取れる炭鉱もあるから原発に代わる代替エネルギーがあるが、日本はドイツの状況とは随分と違うので、まだしばらくは原発に頼らざるを得ないだろう。

 

 

さて、脱原発という話に戻ると、ドイツの場合はルーマニア、オランダ、ノルウェーなど近くに石油産出国があるから原発に代わって火力発電所を利用したり、ドイツ国内には石炭の露天掘りで石炭がいくらでも採掘できる場所がある。今は無煙炭発電という方法があるから、豊富にある石炭を無煙炭で燃やして発電に使うこともできる。

 

だが、一方、日本には脱原発を決めた場合に代替燃料となり得る発電方法があまりない。日本の地下深くにはメタンガスが大量に埋まっているというが、コストがかかりすぎるのでまだ政府は地下のメタンガスを掘り起こすことは真剣には論議してない。でも、科学技術が進歩すれば、ひょっとしたら将来は大量のメタンガスが安いコストで発掘できるかもしれない。とにかく、日本ではドイツと違って原発に代わる代替エネルギーがないのだから、まだしばらく原子力発電に頼るしかないだろう。