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プロ野球のクライマックスシリーズは3位のチームでも日本一になれる可能性があるという変な制度

CSで下剋上したチームをまとめてみたよ【パリーグ編】 - yakyuukiroku's blog

 

プロ野球で行われているクライマックスシリーズ(CS)制度というのは、リーグ優勝をしたチームではなくて、3位のチームが日本シリーズに出て日本一になれるかもしれないという変な制度だが、この制度を行う理由がある。

 

 

今、パリーグでもセリーグでもリーグ優勝チームは阪神とオリックスに決まり、あとはどのチームがCS(クライマックスシリーズ)に進出できるかを決める戦いが激しく行われてる。CSに出れるチームというのは野球ファンでなくてもわかると思うが、リーグ順位が1位と2位と3位のチームである。写真は2018年にシーズンの順位は2位だったけど、クライマックスシリーズで1位の西武を破って日本シリーズでも広島を破って、ソフトバンクホークスが日本一になった瞬間。

 

ところがこのCSが極めて変な制度というのは、2005年シーズンからセリーグに比べると人気がないパリーグが導入を決めた時から、極めておかしな制度として批判されている。わかりやすく言えば、今年のセリーグとパリーグでCSに出れそうなチームといえば、例えば、パリーグでいえば1位のオリックスは80勝以上しているというのに、CSに出る可能性のあるチームの成績は2位のソフトバンクが71勝、3位の千葉ロッテが67勝、4位の楽天が66勝であり、楽天は今の成績は勝率5割以下なのである。つまり、首位のオリックスから15勝も勝ち数の少ないチームでも日本シリーズに出て、日本シリーズも勝って日本一になれる可能性があるというのがCS制度なのである。どう考えても変な制度だ。

 

 

CS制度があるのは、プロ野球のリーグ戦であまり意味がない消化試合を減らすため。リーグ優勝をした1位のチームしか日本シリーズに出れない制度だと、8月中旬の時点で首位のチームから20ゲーム差以上離されているチームはもう優勝の可能性がほぼないので、チームは何の希望もなく試合をして、ファンも試合を見ていても全く楽しくない。

 

 

それでは、何でこんなおかしな制度をプロ野球のパリーグは導入を決めたのかというと、シーズン終盤になると行われる消化試合をなるべく減らすためである。1位のチームしか日本シリーズに出れないという制度だと、まだ8月中旬で40試合ほど試合が残っている3位か4位のチームは、1位のチームと20ゲーム差ほどついてしまっていたら、既に8連勝を2度繰り返すというような奇跡でも起こらない限り、絶対に逆転優勝をして日本シリーズに出るということは出来ない。つまり、もうシーズンは終わったも同然なのだ。

 

だから、そのようなチームにとっては8月と9月の40試合は何の希望もなく戦うことになるので、単なる消化試合になってしまう。2005年にパリーグがこの制度を導入する前は既に8月上旬の時点で優勝の可能性はなくて、何の希望もなくただ試合を消化しているだけというチームがあった。でも、今のようにCS制度があれば3位以上に入れば日本一になれる可能性があるのだから、首位のチームから20ゲーム差ほど離されていても3位のチームから5ゲーム差以内ならCSに出てCSを勝ち抜いて、日本一になれる可能性がある。

 

 

今年のパリーグで例えるなら、2位ソフトバンク、3位千葉ロッテ、4位楽天は優勝したオリックスから17ゲーム差も離されているが、CS制度があるのでCSでオリックスに勝って日本シリーズに出れるかもしれないという希望を、チームもファンも持つことができる。

 

 

今年のパリーグのソフトバンク、千葉ロッテ、楽天がそのようなチームだ。オリックスが9月下旬に優勝を決めた時点で2位千葉ロッテとのゲーム差は17ゲーム差ほどあったが、CS制度があれば3位以内に入れればクライマックスシリーズでオリックスを倒せば日本シリーズに出れるので、2位以下のチームにもまだ希望がある。つまり、なるべく無意味な消化試合を減らすためにクライマックスシリーズはあるのである。

 

つまり、CS制度というのはプロ野球人気が落ちてきた事の象徴でもある。1995年に野茂がメジャーに行って大活躍をして以来、日本のプロ野球で一流の選手はみんながメジャーに行くようになってしまった。日本の野球ファンも大谷、ダルビッシュ、鈴木誠也のようなメジャーで活躍する日本人選手に注目するようになってしまった。

 

また、サッカーJリーグ、海外のサッカーリーグで活躍する選手のファンになって、日本のプロ野球を全く見ない人も増えてきた。こういう日本人のプロ野球離れを止めるための苦肉の策というのが、プロ野球シーズン終盤までファンが優勝争いを楽しめるというクライマックスシリーズ制度なのである。