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高校で生徒に「死ね!」と怒鳴って恐怖心で教える先生がいた

僕が高校生だったのは昭和時代が終わる頃だが、進学校に通っていたけど、英語の先生で問題に間違えると「お前なんか今すぐに死んでしまえ!」と生徒を罵倒して、生徒の恐怖心を煽って教える先生がいた。30年前はこういう先生は多くいた。

 

 

今日は僕の高校時代の怖かった英語の先生について書きます。

 

こういう怖くて生徒の恐怖心を煽って教育する先生というのは、特に中年男性の先生に多くいて、今ではあり得ない先生だけど、30年くらい前まではよく小学校、中学校、高校にいた。

 

僕は仙台市内にある公立男子校の進学校に通っていたのだが、英語の特に文法を教える先生が、生徒1人1人に問題集の問題を和訳か英訳させていって、間違えたり答えられないと、「貴様、なに、考えてるのや!?昨日予習してこなかったのか?復習もしなかったのか?昨日習ったばかりのことだぞ!お前のようなバカはこの3階の窓から飛び降りて死んでしまえ!」などと怒鳴って、45人の生徒がいる前で1分近く間違えた生徒を罵倒した。これがこのN先生(その先生の家族名のイニシャル)の授業の進め方だったので、僕を含めて生徒はN先生に罵倒されるのが嫌だから、N先生の授業前日には必ず予習をした。こうやって、生徒に恐怖心を植え付けることで、N先生は英語の特に文法を教えるという教え方だった。

 

僕は今は50代前半だが、絶対に僕と同じ世代か40歳より年上の人ならこういう怖い先生に、さんざん叱られながら教育された覚えがあると思う。昭和時代が終わる頃、平成初期ぐらいまではこういう先生は、教育への熱い心があり生徒の学力を伸ばしたいという心が強いから、生徒に嫌われるほどに生徒を怒鳴って𠮟るんだなどと思われて、「いい先生」という評価されていた。

 

もちろん、これは暴力生徒の多い底辺高校ではなくて絶対に有名大学に行きたいという思いが強い進学校だから成立する授業であり、暴力生徒の多い底辺高校だったら暴力生徒に怖い先生は袋叩きにされて、授業中に大ゲンカになっただろう。(苦笑)でも、このN先生は授業が終わるとニコニコ笑って生徒達に話しかけるという優しい面もあって、授業後に質問に来る生徒には微笑んで答えていた。いつも怖い先生ではないというのが、やはり進学校の先生だった。

 

 

しかし、アメリカ人などのネイティブ先生のいる英会話教室に行くと、「どんどんしゃべってたくさん間違えて、間違いから学ぶのが語学の勉強だ。語学は間違えないと覚えられない。初めから完璧にしゃべれる人はいないから」と、微笑んで言われた。高校の先生の逆の指導方法だった。

 

 

しかし、僕も英検準1級に24歳で合格をして、TOEICで900点近く取るレベルにまで英語力が上達すると、N先生の教え方には致命的な欠点があることがわかった。それは、英語を始めとして語学というのは間違えて習うものであり、初めて英語のネイティブに緊張して話しかけた時から、完璧な英語が喋れる人はどこにもいないのである。僕も英会話教室に行っていて、アメリカ人の中年男性の先生とよく会話をするようになって、「T(僕のこと)は典型的な頭の良い?日本人であって、英語の文法と単語はよく知っているけれど、発音とリスニングがダメなんだよ」と言われたことがあった。例えば、Thief「スィーフ・泥棒」のことを「サイフ」と言ってしまったり、Afford「エィフォード・余裕」のことを「アフォード」と言ったりしていたので、発音をよく注意されていた。

 

まあ、平成初期までの日本の英語教育では学校にアメリカ人、イギリス人などのネイティブが発音を教えてくれることはなくて、外国人とあまり話をしたことのない文法博士の怖い先生たちが、大学に合格するように文法と英訳和訳の授業だけをしていて、スピーキング、リスニングの授業はほとんどなかったから、英会話教室に通い始めた時の僕のような文法と単語力はあるんだけど、スピーキングとリスニングは全くできないという日本人ばかりだった。

 

英語がある程度しゃべれるようになってから、今度はドイツ語もしゃべれるようになりたいと思って、1999年春からシュツットガルト近郊に住むドイツ人家庭にホームステイしながらドイツ語学校でドイツ語の勉強をしたが、この時も学校で中年女性のR先生から、「あなたは典型的な日本人です。先生とあまり話をせずに、先生の話と聞いて先生が黒板に書いたことをノートに書くことを”勉強”だと思ってます。それでは、語学は上達しません。どんどんと先生に質問をして、他の生徒と話をして、たくさん間違いをして、間違いから学ぶのがドイツでは”勉強”です。ドイツ流に早く慣れるように」と注意された。

 

 

日本の教育というのは英語教育に限らず、大学受験対策の勉強だから、昔は間違えると学校でも塾でも先生にすごく叱られた。でも、欧米先進国は入学試験というのがないから生徒が間違えると、なぜ間違えたのかという原因を考えて教えるというのが教育だという。ここが日本の教育との大きな違いである。

 

 

ここで、ドイツ人のドイツ語先生のR先生は日本人の英語先生のN先生の指導方法を完全に否定していることがわかると思う。語学を学ぶためには間違いはどんどんとするものであり、間違いから周りの人に丁寧に教えてもらうのが勉強なのだ。日本の受験対策の授業だと間違えると志望する大学に落ちてしまうので、絶対に間違えるなと指導するのが日本では教育であり勉強である。だから、今は少なくなったが、怖い先生が生徒の質問など受け付けずに、一方的にバシバシと教えるのが日本では教育であり勉強なのである。

 

仮に日本人の質が最近は落ちているとしたら、こんな教育ばかりしているのが原因だろう。日本でも学校の授業では、生徒と先生が自由に話し合いを出来るようでないといけない。