東北地方と関西地方間の変な誤解

関西の西宮の小学校を卒業してから仙台の中学校に入学したら、社会科の授業でおじさん先生が「関西の尼崎市は治安が悪くて、暴走族が金属バットで警官を襲撃したり、暴走族が火炎瓶を交番に投げ込んだりしている」と真顔で言っていた。

僕は４年ほど前から「はてなブログ」にブログ記事を書いているが、昔からの僕のブログの読者なら知っていると思うが、僕の父は仙台の東北大学卒で全国と海外にも支店がある大手銀行に勤務していたので、両親の実家は東北の宮城県にあるのだが、僕が小学校を卒業するまでは全国各地を父の転勤に伴って引っ越して生活していて、父が大阪支店に勤務していた時に兵庫県の西宮に会社の社宅があり、そこから両親が建てた宮城県仙台市のマイホームに引っ越したのが最後の引っ越しだった。父はその後も大阪支店で単身赴任で勤務を続けた。

それで、西宮の小学校を卒業してから仙台の中学校に入学して、中学校１年の社会の授業でおじさん先生から信じられないような関西に関する誤解を聞いた。

「日本の中でも大阪なんて治安が悪い所が多くてね。特に尼崎という街では暴走族が金属バットで警官をぶん殴って襲ったり、暴走族と暴力団が交番に火炎瓶を投げるという事件がよく起こっているんだよ」

どこで聞いたのか知らないが、おじさんの社会科の先生はこんな話を真剣な顔をして話していた。

関西地方に住んでいる人ならわかるが、僕が住んでいた西宮市は尼崎市の西隣にあり、尼崎を通らないと大阪に移動することは絶対にできない。上の写真はJR西日本（旧国鉄）の尼崎駅だが、父は毎日、最寄りの駅である国鉄の甲子園口駅から尼崎駅を通って大阪駅まで通勤していた。尼崎が本当にそんなに治安の悪い街なら、父は重傷を負ったこともあっただろうし、クリスマスや週末の休みに家族連れか子供たちだけで大阪に遊びに行くことも危ないからできなかったはずである。確かに尼崎は関西の中でも治安が悪い方だが、社会科の先生が言っていたことは完全な誤解である。

しかし、僕の兄はかつて東京の某大学の学生と京都大学経済学部の聴講生をしていたので、僕よりも関西に詳しいのだが、

「うちは西宮の阪急沿線に住んでいたけど、ダウンタウンの２人が生まれ育った阪神尼崎駅付近はかなりやばい地区だったらしい。尼崎でも阪急沿線は治安がいいんだけど、阪神沿線は関西でも屈指の治安の悪さで風俗街と暴力団の事務所とかあって、俺も西宮の中学校に通っていた時に、武庫川を越えて尼崎にはあまり行かないほうがいいとか言われたことがある」

と言っていたことがあった。

一方で関西人も東北を誤解していて、僕が東北の仙台に引っ越すと言ったら、ある友達は「仙台なんかに引っ越したら東北大学以外はロクな大学がないやろ？お前のような優等生が他の東北人みたいに農林水産業をすることになるんか？だいたい、東北には関西に比べるとロクな大学も企業もないやないか」と言っていた。

しかし、この東北人の尼崎に対する誤解はその逆もある。僕が西宮の小学校を卒業したら東北の仙台の中学校に転校すると同級生に伝えたら、数人の友達は僕と別れるのが嫌だからというのもあったと思うけど、

「東北の仙台なんか何があるねん？お前のお父さんは東北大学卒業だけど、大学なんかは東北大学以外は何もあらへんやないか？関西には京大、阪大以外にも関関同立とかそれ以外にもいい大学がたくさんあるやろ？お前のような優等生は絶対に関西に残った方がええやろ。東北の仙台なんかに行って東北大学に入れへんかったら、百姓とか漁師とか農林水産業で働くくらいしか仕事もあらへんのちゃうか？だいたい、仙台に本店がある大手企業なんて何もないやろ？絶対に中学受験をして学生寮のある私立中学に入って、関西地方に残った方が人生楽しいと思うで」。
ということを、真顔で言ってきた友達がいた。まあ、僕の父の弟の叔父さんは確かにおじいさんの跡を継いで農業をしていたから必ずしも間違いではないが、関西人の特に東北の縁のない人たちは東北人というと、ほとんどが百姓、漁師という農林水産業で働いている人が多いと勘違いしているようだ。（苦笑）

以上、兵庫県知事の再選のニュースが東北の仙台でも大きく取り上げられているので、東北と関西の誤解をブログ記事に書いてみました。