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ルーマニア出身の女性が共産主義は絶対に上手くいかないと言っていた

写真は政権転覆の直前、ブカレストの共…:独裁者チャウシェスク大統領 写真特集:時事ドットコム

 

 

キリスト教原理主義を信じるドイツ人夫妻に、「日本には大日本帝国の時代に国家神道という天皇を現人神と信仰するように政府が強制した宗教があった。これは日本が近代国家建設のために天皇を利用した宗教だった」と説明すると、2人共とても驚いていた。

 

 

写真はルーマニアが共産主義時代に独裁政権を行っていたチャウシェスク大統領。チャウシェスク大統領は、東ヨーロッパの民主化が行われた1989年12月末にルーマニア革命が起こって妻と共に処刑された。写真は最後に共産党本部で演説する様子。

 

僕が2005年夏にドイツに旅行した時に、キリスト教原理主義を信じるドイツ人夫妻の家に宿泊したことは既に前のブログに書いた。Wさんとその妻は主人はドイツ人だが妻はルーマニア出身であり、まだ東西冷戦が続いていた1970年代に2人はペンパルとなって知り合ってラブレターを交換するようになり、主人は多くの政治家と人権団体の幹部に何通も手紙を書いて、その活動が成功して奥さんはルーマニアからドイツに移住することが出来たという、すごい劇的な恋愛をして結ばれたのだった。2人とも熱心なカトリックのキリスト教徒であり、それで2人は結婚したいと思うようになったのだった。

 

2人は4人の息子と共に生活をしていて、主人は聖書販売などのキリスト教関係の仕事をしていた。それで、2人ともダーウィンの進化論を信じておらず、聖書に書いてあることが本当の歴史だと信じていた。でも、仏教、イスラム教などの他の宗教の信者を敵視はしていない平和的なキリスト教原理主義信者だった。Wさんは日本の仏教と神道にも非常に興味があり、一度日本を訪れて日本の神社仏閣をたくさん見たこともあった。

 

でも、僕が日本には第二次大戦で敗戦するまでの大日本帝国の時代に国家神道というのがあって、天皇陛下を現人神として信じるように政府が強制するという政府が作った厳しい宗教があったので、大日本帝国が終わった戦後はあまり日本人は宗教に興味を持たなくなったと説明すると、それはW夫妻は知らなかったようで、とても驚いていた。ただし、僕は共産主義者ではないから、「日本には元々天皇陛下と皇族は天照大御神の子孫だという神道の宗教があり、天皇が進んで恐怖政治をしたのではなくて、神道を近代国家を急いで作るために乱用した当時の日本政府に問題がある」と説明すると、2人は納得していた。

 

 

チャウシェスク大統領という恐怖の独裁者が支配していたルーマニア出身の夫人は、「ルーマニアでもチャウシェスクが自己の神格化を行っていた。共産主義は宗教を否定して共産党幹部が国民を支配する体制なので、経済学者による机上の空論だから絶対に上手くいかない」と言っていた。

 

 

チャウシェスク大統領という恐怖の独裁者が支配するルーマニアで育ったW夫人は、チャウシェスクも自己の神格化という似たようなことをしていたと言っていた。そして、

「共産主義というのは絶対に成功しない。共産主義は19世紀に経済学者が考え出した机上の空論で、宗教を否定して神様の代わりにレーニン、スターリン、チャウシェスクのような冷徹な独裁者を信仰するように国民に強制する。そして、独裁者と共産党幹部が国民を監視して支配して、反対運動を起こす国民は逮捕して刑務所送りにしたり、強制収容所送りにする。共産主義を否定してキリスト教を信仰する人たちも同じように処罰する。こんな自由のない体制が上手くいくわけがない。中国はまだ共産主義だけど、自分たちの間違いに気づいてほしい」と言っていた。

 

中国、北朝鮮は共産主義であり、プーチンもロシアを共産主義に戻そうとしているが、歴史のある在来宗教を否定して共産党幹部が国民を支配する共産主義には問題が多いのは当たり前だろう。