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【疑問】ドイツで有名な日本人は誰なのか? 

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【日本の象徴】ドイツで一番有名な日本人はやはり天皇陛下。

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ドイツ人の家庭にホームステイをしていた時に、まず出て来たのは天皇陛下である。しかし、欧米の言語には日本語にある「敬語」という概念がないし、イギリスの「女王エリザベス2世」のように名前で呼ぶので、「今の日本の天皇は何という名前なんだ?」と家族から聞かれた時はやはり違和感を覚えた。当時は平成11年(1999年)だったので、「明仁天皇といいます」と答えたが、「でも、日本ではなんという名前なのかを知らない人が多いです。日本では『天皇陛下』と呼ぶことが多くて名前で呼ぶことは稀です。名前で呼ぶのは失礼なんです」と教えた。家族はちょっと不思議そうな顔をしていた。それ以外にも「正確には今上天皇と呼ぶべべきだ」とか、日本の皇室については特別な敬語が使われるが、そこまで詳しく説明するドイツ語力はなかった。(苦笑)

ドイツでは日本人の政治家より、トヨタなど大手企業名が有名。

 

1999年当時の日本の首相は小渕首相だったが、小渕首相を知っているドイツ人はほとんどいなかった。小渕さんは在任中に亡くなったから失礼になるかもしれないが、1990年代は日本の首相は短期間ですぐに代わったので、世界的にあまり知名度がなかったようだ。後に2005年夏に再びホームステイした家族を訪れた時は、小泉首相は支持率が高くて長期政権だったので、小泉首相を知っているドイツ人は多かった。これは、やはり。ドイツでもヘルムート・コール首相は18年間、比較的短気政権だったシュレーダー首相でも8年間、今のメルケル首相も2022年まで政権を担当することが決まっている。余談だが、長期政権が多いドイツの首相を見ても、日本の首相も最短でも8年ぐらいは続けるべきだと思う。1年で辞めてしまう首相などは初めから首相になるべき人ではなかったのだろう。

 

一方で日本の企業名は多くのドイツ人が知っている。トヨタ、スズキ、ホンダ、マツダ、日野などの多くの自動車メーカーは個人名をつけているからよく知られていてた。もちろん、この背景には僕がホームステイした家庭がシュツットガルト近郊に住むベンツ社の部長の家庭だったことも影響していたと思う。ホームステイ先の家族からシュツットガルト市内まで、ご主人の所有するベンツのセダンで送ってもらったことが何度もあった。

このように日本の企業名は世界的に有名だが、政治家はあまり知られてないので、やはり日本人のイメージは「お金になるビジネスは上手いけど、政治、外交などのあまりお金にならない事は苦手な人たち」というイメージが強い。これは、戦後の日本人に常に課せられた課題だろう。

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ドイツでは日本人のサッカー選手と同じくらいに、スキージャンプ選手が有名?!

 

当然ながら、ドイツ人の間では過去にドイツのブンデスリーガで大活躍した香川、内田、岡崎、清武、高原を始め、今もブンデスリーガで活躍している長谷部、大迫などの日本人がよく知られている。だが、1999年春の時点では、イタリアのセリエAのペルージャでプレイしていた中田英寿ぐらいしかヨーロッパで成功した日本人はいなかったので、日本人のサッカー選手でドイツ人が知っている選手はいなかった。でも、ホームステイ先の家族はあまりサッカーに興味がある人がいなかったのだが、ある日、サッカーが大好きな中年男性がお客として遊びに来た時に、「日本人の奥寺選手を知ってますか?かつて1970年代から80年代に、ケルンとブレーメンで大活躍をした日本人選手がいるそうなのですが?」と質問をしたらその人は、「奥寺はよく覚えてるよ。奥寺はそれはすごい選手で大活躍をしたんだ」と教えてくれた。「でも、奥寺がドイツで大活躍した頃は日本は野球がすごく人気があったので、奥寺の活躍はあまり報道されなかったのです」と僕が言ったら、「日本ではそうだったのか。それは残念だね」と言って、おじさんは苦笑いをしていた。

 

それ以外に有名な日本人スポーツ選手といえば、スキージャンプの選手である。これは、ヨーロッパでスキージャンプが強いドイツ、オーストリア、ノルウェー、ポーランド、フィンランドなどではサッカー選手と同じくらい日本のスキージャンプの選手たちは有名であり、特に僕がホームステイをした家族は大のスキージャンプファンだったので1999年当時に大活躍をしていた日本人選手の船木、葛西などをよく知っていた。1999年シーズンは日本の船木、ドイツのシュミット、フィンランドのアホネンがワールドカップの優勝争いをしており、それで最後はシュミットが総合優勝をしたのだが、ホームステイ先の家族の奥さんは「船木選手の飛形はとても美しい。あんなに綺麗に飛べる選手は見たことがない。ドイツ人のシュミットを応援してるけど、船木のジャンプも楽しみ」と言っていた。

 

それで、3月上旬からホームステイをしたから2試合ほど家族とテレビ観戦をしたけど、「スキージャンプのライバル国の日本人と一緒にジャンプを観れて、とても楽しかった」と言ってとても喜んでいた。

 

スキージャンプについては、2006年から仙台の東北大学で准教授として働いていたドイツ人弁護士のSも年の、2007クリスマスに妻のMと僕と一緒に食事をした時に、「最近は、日本人のジャンプ選手の名前を聞かないが、俺が東京の弁護士事務所で実習をしていた時に大活躍をしていた船木、葛西なんかはどうしたんだ?もう引退したのか?」などと質問をしてきた。それほどスキージャンプの選手はドイツでは有名である。

ドイツでは戦争映画の影響などで、第二次大戦時の日本軍人も有名。

 

それ以外に有名な日本人といえば、やはり、ハリウッド制作の戦争映画の影響で、第二次大戦当時の日本軍人も有名である。1997年9月にドイツのコブレンツの軍事博物館を訪れた時に会話をしたおじさんは、山本五十六元帥を知っていた。その他のドイツ人でもハリウッド戦争映画の「トラトラトラ!」を見たことがある人がけっこういるので、山本五十六はかなり有名である。今だと2007年に全世界で公開された「硫黄島からの手紙」の影響で、栗林忠道大将(戦死時の階級)も有名だろう。一方で悪役の日本軍の軍人として、「日本のヒトラー」というあだ名があった東條英機も有名らしい。これは、ドイツの歴史教育で学校で教えられるから有名になるのだろう。

黒澤明、北野武、三船敏郎などの日本人映画監督や俳優はドイツでも有名。

 

映画の黒澤明、北野武監督などはやはりカンヌ、ベネチアなどの国際映画祭で高い評価を受けているので有名である。俳優だと三船敏郎、渡辺謙などはハリウッド映画にも出演しているので、同じく有名である。ただし、北野武については美しい映像美を作る芸術的な映画監督というイメージが国際的には強くて、日本に来たドイツ人に「たけしは日本ではコメディアン、漫才師というイメージの方が強いんだよ。映画監督になる前はたけしは『危ないネタをする漫才師』をしていて、親からよく『たけしの番組なんか見るな』と怒られたんだ」と教えると、やはりびっくりした人が多い。(笑)実は言うと、ヨーロッパのテレビ局がたけしの番組を買いに来たのだが、あまりにも下品で過激なお笑い番組が多いので、比較的に過激でない「風雲!たけし城」がイギリスで30年ほど遅れて放送されてるという。

 

まとめ

  • ドイツで一番有名な日本人は天皇陛下
  • ドイツではトヨタなど大手企業名が知られている
  • 戦争映画の影響で第二次大戦時の日本軍人も有名
  • 黒澤明、北野武など、日本人映画監督や俳優はドイツでも有名